究極かどうかはさておき、ロボゴーグ閣下の出自についてはさておき、ぶっ潰すと宣言しつつ改心を迫るアラタの「？？？」ぶりはさておき(笑)、とにかくブレドRUN万歳の、マトリンティス編最終回。
はっきり申し上げれば、ブレドRUNに「救済セル」を使わせようとするシーンあたりからが本編で、それより前は豪華な映像特典。
その「豪華な映像特典」は、年末商戦をターゲットとした武器ロボット大登場であり、アクションの見せ場としても申し分はないと思います。あらゆる攻防が一進一退を繰り返す緊張感はなかなかのもので、前回のように途中で長い会話が挿しはさまれる事もなく、テンポは良かったと思います。ただ、クドさはあったかと。
メタルAの扱いは、割とあっさり目でしたが、まぁ残り話数も少ない事だし、このぐらいで丁度良かったのではないでしょうか。
今回は良い部分と悪い部分の落差が激しすぎた感はありますが、あんまり語れる部分もないので、続きの方はメタルAと同様、あっさり目とさせて頂きます。
マトリンティス編を総括して思うのは、ウォースター編、幽魔獣編と同様、これまでのシリーズで1年間かけて描かれていた要素を、ダイジェスト的にさらっていたという事。
特にマトリンティスに関しては、その組織規模の矮小さ、個性をかろうじて発揮出来たのがメタルAのみという状況から、ダイジェストの印象が強いものとなっています。幹部の首領への反目、幹部同士の愛憎劇など、尺が長ければ充実しているであろう要素を、記号的に導入して短くまとめているわけです。
したがって、意外性もなければ深みもない。結構寂しい感じが漂っているのは、こういった問題が表面化したものだと思います。
描けている深みの部分がないので、今回のようにいきなりロボゴーグの出自を語り、それを聞いたアラタが改心の可能性をセリフだけで語り、ロボットに乗ったまま説得を始めたりと、まるでキッズ向けの編集版ビデオを見ているような感覚。そう、今シリーズはスーパー戦隊のストーリーサンプルを、編集版ビデオのように振り返るダイジェスト戦隊だったわけです。次の戦隊が「ストーリーだけでなく、キャラクターでそれをやっちゃう」という情報が既に入ってますが、その前にストーリーを…という事だったのかも知れません。
今回の一番の問題は、前述の「アラタが改心の可能性をセリフだけで語る」という部分で、他のメンバーが一様に「許すまじ」を貫いているのに、何をトチ狂ったのかと戦慄を覚えてしまいました。確かに、護星天使の博愛主義をアラタが体現しているが故の発言なのは分かりますが、それならば、それに向けたお膳立てというものが必要でしょう。残念ながら、ここで一旦ストーリーの勢いがスポイルされてしまうのでした。
さて、もうブレドRUNについて言及してしまいます。
正直、ブレドRUNがどうなろうと、もう驚くことはなく、そのままマトロイドとして消滅しても、何ら違和感はなかったわけです。
しかし、前回、ゴセイナイトのレオンセルラーが封印されていなかったり、メタルAがブレドRUNの記憶について暗躍していたような雰囲気があった事から、想像していたブレドRUN陰謀説が見事に的中した喜びはありました。なので、劇中の意外性はほぼ皆無でしたが、単純に私の予想が当たっていたという点で、画面に引きこまれてしまったという、何とも個人的なお話で申し訳ございませんな展開で(笑)。
ただ、ブレドRUNが記憶を奪われたまま、何故メタルAに取り入って記憶を取り戻すまでに至ったのか、そこまでは予想しませんでした。しかも、それが「本能」という言葉で説明されるとは！
まぁ、マトリンティス編での彼の扱いの酷さは、何度も言及していますし、それ故に、ロボゴーグとメタルAを何の迷いもなく滅ぼしてしまった事に対して、ある種のカタルシスを覚えてしまうのも仕方ない処。が、その為にメタルAを容赦なく斬り捨てるシーンに関しては、カタルシスの方が悲哀よりも上になってしまい、護星天使達が「酷い」と呟くにはインパクトが薄かったかなぁ、と。
なので、ブレドRUNが本当に非道いヤツかどうかは、今ひとつ伝わっていないような気がするのです。
その原因を突き詰めれば、やっぱりダイジェスト的な構成による、キャラクターの浅さに行き着くわけで…。
さぁ、ブレドRUNの正体は、大方の予想通りなのでしょうか。それとも？
そして、天知博士がどう動くのか？
とりあえず、最終編に期待してみましょう！
天地人
ううむ、何か来週の話を見ない事には今週の感想をうかつに書けない様な気が（汗）
まあ「究極の最終決戦」と言うわりには、次週があるのでいいか（笑）
あと１クールあった予定が、無理やり２話くらいになったような内容ですけど（おいっ）きっと映像に出ないだけで色々戦っていたんでしょうね。
きっと、シリーズ終了後に外伝でその辺りが描かれるんですよ、多分（ウソ）
それでは、オマケ（マトリンティス編）のオマケとなるのか、省略と思えた展開が、実は周到に容易された伏線で、全ての謎が明かされる最終編（爆）となるのか次週を楽しみに待つ事にします。
SirMiles
>天地人さん
次の回を見なくても、賞賛出来るシリーズであって欲しかった(笑)。
マトリンティスの戦力は、やっぱり画面に出ているだけでしょうねぇ。各キャラクターの造形は素晴らしかったのですが、私設軍隊の域を出ることはありませんでしたね。しかも、ブレドRUNのセリフで自虐的に言っちゃってるという…。
まぁ、最終編の連続を楽しみましょうか。
M'sRoad
全員集合のシーンにダチョウが居たか気になって見返しました（笑）
ダイナマンがリアルタイムで放映中にシャリバンと比較されて
「これは『科学戦隊ダイナマン』ではなく『ダイナマンショー』である」
と書かれた雑誌を見て憤慨した（実はダイナマン派）記憶があるのですが、
今ＴＶで放映されてるのは「ゴセイジャーショー」なんですね。
舞台の上のキャラとアイテムだけで物語が進行していて、外に広がって行かない。
マトリンティスの造形の出来には私も感心しています。
あれって、アップ用とアクション用が作ってあるんでしょうか。
それともアクション用に電飾入れて芝居されてるんでしょうか。
フレームとかバッテリーとか色々大変な筈なんですが。
お金は有るんだけど、ストーリーを煮詰めることにエネルギーを注ぐ余裕の無い
（来年の支度に追われている）東映さんのせめてもの親心みたいな感じもします。
でもねー、着ぐるみの絶対数少ないですよねー、マトロイド。
しかしまだまだ終わらないようですので、
いよいよ自分の軍団（？）を呼び寄せるであろうブレドＲＵＮが
シリーズをどう締めくくってくれるのか、少しだけ期待もしています。
どうしよう…実はゴーカイジャーの敵と繋がってたら…それは無い（爆）
ちょろ
こんにちは。
割と早起きなので欠かさず見てはいるのですが、感想を書きたくなる意欲はどんどん下がっています(笑)。
おっしゃる通りのダイジェスト戦隊でして、どこかにありそうな図と展開をつなげてばかり、感情移入する気になれないですね。
今回というか先週から描いておくべきだったのはメタルAの葛藤だったかと。
なぜ裏切った？かはまあわかりやすいとできますが、「マトリンティスに栄光あれ」と「恐怖の支配から逃れる」ことのダブルスタンダードに至る心理を掘り下げていればもうちょっと視聴に堪える出来になったかと。
ロボゴーグ妄想閣下については、アラタのお約束救済台詞の後しばし沈黙あって狂気の笑いですがここがどうにもまずい。山場なのに視聴者が息を飲む対峙が作れてません。
またビジュアル的には良い色だった玉砕クラッシャーとやらを撃たせないのは都合上仕方ないかもですが、止まってしまう理屈が描けてないですね。
ブレドランの「本能」もしかりなんですが、面白く見せる、あるいは伏線のためかつなぎを飛ばしてしまって結果説明さえつかない破綻がもうそこかしこに。
ちょっと意外でしたのは、わたしは前回終了時にはブレドランがメタルAを回収して続く、かと思っていました。
ネタバレ的にはそれなりに強力なラスボスさんになるようですが、ニチアサキッズにはメタルAのようなちょっと憎めない小生意気なお姉さん悪役はウケがいいと感じていましたので。
ゴセイジャーはほとんどゲスト投入がなく、最近はレギュラー陣の小芝居になってますので、育てたキャラの総退場制度は余計に惜しまれます。
SirMiles
>M'sRoadさん
ダチョウ出てませんよね、確か(笑)。見返してないので分かりません(爆)。
ダイナマンは私も好きですよ。ダイナマンから尺が5分短縮された影響もあるでしょうけど、キャラクターをガンガン動かしてストーリーを回転させていく手法は、現在の目で観ると鬼気迫っているというか、恐るべきテンションです。
シャリバンは、上原先生が提案した高年齢向けの要素が企画として通り、それが視聴者に受け入れられた幸運な作品だったわけで、制作体制の全く違う戦隊と比較するのは、ナンセンスなんですけどねぇ～。まぁ、それは今だから言える事で。
マトリンティスの造形物は、多分一体モノだと思いますよ。電飾関係なんかも、昔と比べると随分取り回しが良くなったのではないかと、個人的には想像しているんですが。
SirMiles
>ちょろさん
私も少々疲れ気味で、半ば無理矢理捻り出している状態ですよ(笑)。
メタルAは折角感情移入を許すキャラクターだったのですが、単にブレドRUNを都合よく立ち回らせるキャラクターになってしまい、その点が最も残念ですね。掘り下げ方が不足しているという意見は、全くその通りだと思います。
とりあえず、1年間通して育てられたキャラクターは、ブレドRUNという事になりそうなので、もう少し暖かく見守ろうではありませんか(笑)。