epic23 「燃えろ!ゴセイジャー」

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 あぁ、一週間が長かった!

 予告でじらされ、心踊らされたスケベ親父状態でございました(笑)。

 そして、満を持して、遂に、十年位のブランクを打破しての水着回~!

 って、アレっ?

 こ、これだけ…。

 というわけで、今回のレビュー終了です。ありがとうございました。

 …いや、嘘です。ちゃんと書きますよ。話自体は非常に面白かったので。やっぱり、「ゴセイジャー」にはギャグが良く似合う。今までの積み重ねもあって、コミカルなシーンの立ち振る舞いも実にナチュラル。

 CM前後のアイキャッチを見ると、一応、ハイドがメインということらしく、メインと思われていたヒロインは殆ど出番がなかったわけです。しかしながら、ハイド自体の魅力が素晴らしく開花している印象で、もう水着が少ないとかそんな事はどうでも良くなり…いや、やっぱ残念か(笑)。

 ということで、本編の詳しい部分は続きの方をご覧ください。

 今回登場の幽魔獣は、スカイフィッシュのザイ粉(ザイゴ)。UMAとしては比較的新しい部類に入るスカイフィッシュがモチーフであるだけに、幽魔獣においても新参者扱い。この辺りは元ネタを知るとニヤリとする要素ですね。スローにしないと見えないというネタとか、元のUMAの特性をここまで取り入れたのは、今回がはじめてではないでしょうか。

 また、ザイ粉という名前の語感と、スカイフィッシュの「フィッシュ」から連想したのか、何故か言い回しがいちいちDAIGO御仁っぽい。ポーズまで真似をしており、ここまでやっていいのかと逆に不安になってしまいました。

 ザイ粉のネーミングソースは「サイコ」と言われているのですが、「サイコ」はSF映画ではなくサスペンスだし、本当にそうなのかは疑問です。しかし、他のネーミングソースを思いつかないので、当面は「サイコ」ということにしておきましょう。

 なお、このザイ粉の造形物には、至る所にクリアパーツが使われていて(ってプラモみたいな言い方ですけど)、灼熱地獄を引き起こすという特性の割に随分涼しげなのが、ミスマッチで面白いですね。

 このザイ粉、人間の体温を上昇させる能力を持っており、その術中にはまった人間が涼を求めてエアコンをガンガンに効かせれば、地球温暖化に繋がるという、納得出来るような出来ないような理論の上で行動します。

 ところが、(多分試験的に)ターゲットになった町は、何と涼を求める知恵に長けたモデル地区で、ザイ粉の目論見は全くの大外れ。そこにたまたま懸賞に当選したエリ、モネ、天知親子が訪れていて…という、何ともスケールの小さい舞台設定が心地良い。

 エリとモネはまんまとザイ粉の罠にかかり、暑さのあまり変身すら出来ない状態に。ここで一気に服を脱ぐか!と思いきや、まだまだおあずけ(笑)。

 今度はエリ達を密かに追いかけてきたアラタ達3人がザイ粉に挑むも、その超スピード攻撃に翻弄されてしまいます。しかし、ハイドの天装術によって水が弱点と判明。反撃を狙ったものの、ザイ粉の「火の粉」を直接大量に打ち込まれてしまった為、たちまち熱中症に陥って変身解除となります。

 ここからがハイドの戦いの開始。

 といっても、ハイドが暑さを克服する為に心頭を滅却するというような鍛錬が始まるのではなく、あくまでライトタッチ。いや、ライトタッチを超えて、すっかりギャグタッチ。ただし、それぞれはそれなりに実効性のある雑学系ネタなので、侮れない感じではあります。だからこそ、論理的なハイドは受け入れたのだと納得出来ます。

 ハイドの場合、生真面目さが仇になって、度を越してしまうのが問題となり、これがまた可笑しさを誘います。かき氷を掻きこみすぎて頭痛を起こしたり、キュウリを食べ過ぎてお腹を壊したり…。それぞれがナチュラルな笑いを提供してくれます。こういったシチュエーションはあざとさと紙一重ですけど、今回は非常にバランスに優れていたように思います。ハイドというキャラクターならではでしょう。

 一方、エリとモネはやっと水着を披露してくれたものの、いきなり透明度がイマイチ低い海での平泳ぎ(笑)。撮影時期からすると、まだ現在のような猛暑ではなかったと思われるので、大変だったのではないでしょうか。その後、全身ショット皆無のまま連れ去られ…。

 ここらで、エリとモネについてはまとめて書いちゃいますけど、結局、途中に合成カットでの水着全身ショットはあったものの、基本的に瞬き用心な感じで、最後まで明瞭なショットはありませんでした。後に、ザイ粉の策略で打ち上げ花火化されてしまった折には、水着のみが地面に落ちてくるという、とってもドッキリなシチュエーションがあったものの、却ってやり過ぎ感があって良くなかったですね。

 こう書いてしまうと、いかにもセクシャルなものを期待しているように誤解されそうですが(いや、そんな面がある事を否定はしませんけど・笑)、折角スレンダーなヒロインが二人揃っているんだから、それをアピールするような健康的なキュートさがあってもいいと思うんですよねぇ。

 ラストの浴衣姿がとてもキュートだったので、余計に残念です。

 さて、水着談義はこのくらいにして、ハイド達の方に話を戻します。

 ハイドは持ち前の精神力で何とかザイ粉の元へ辿り着くも、今にも卒倒寸前。アラタ、アグリと役割を分担しつつ、エリとモネの救出とザイ粉の打倒を狙うのですが、これがなかなか巧くいかない。

 「アラタ~!」「アグリ~!」「ハイド~!」と互いに大声で励まし呼び合うという、非常に暑苦しい展開になり、エリとモネもその戦い振に思わず「暑苦しい」ともらすのが笑えます。

 物凄い苦戦の様子なのですが、今回は、こんな風にライトな雰囲気へと持って行く手腕が抜群です。実に素晴らしい。

 ちなみに、ここでのゴセイレッドのアクションが、細かい体術を駆使したものになっていて、ジャッキー・アクションやカンフー映画全盛期のJACアクションを見ているようで興味深かったです。同時にある種の懐かしさも。「ジャッカー」~「ゴーグルファイブ」あたりでは、こんな感じの荒唐無稽だけどビジュアルが楽しいといったアクションは多々見られましたが、現在でもそれを再現出来る事に、嬉しい驚きを覚えました。

 結局、苦痛を乗り越えて気合の天装術を放ったハイドによって、氷漬けにされてしまったザイ粉は、アラタとアグリ共同の一撃で粉砕されます。氷系の天装術、始めから自分に使えばよかったのでは…というのは、言いっこなし(笑)。

 私が感心したのは、その直後。普通の流れなら当然エリとモネは助け出されるはずですが、何と敵の思惑通り打ち上げ花火になってしまうのです。これがギャグとして実に効いています。いわゆる「ポロリ」があって、ミスティックデータスハイパーにも見せ場を作り、作劇のアクセントとしてもバッチリです。

 まぁ、ゴセイナイトはいらなかったんじゃないかという話もありますけど、今は夏商戦真っ只中ですから。

 そんなわけで、随分と中身の薄いレビューになってしまった事を、お詫び致します。水着が少なくてテンションが下がったわけではないですからね、決して(笑)。

 この回は、スーパー戦隊シリーズ 天装戦隊ゴセイジャーVOL.6【DVD】
に収録。