炎神の存在を疎ましく思うガイアーク。ケガレシアは、水を汚染させるという目的の為、初めからビックリウムを組み込んだパイプバンキを遣わす。パイプバンキは、手始めに実験としてとある水源を汚染し始めた。
そこにゴーオンジャーが駆けつける。走輔、連、早輝は見事なコンビネーションでパイプバンキを退けた。実験が充分であると判断したパイプバンキは、その場から退却する。走輔と早輝は、汚染された水源を使用しないよう、ダムの事務所に警告する役目を連に押し付けた。
その頃、ボンパーは炎神キャストの整備をしていた。その背後から忍び寄る影...。その正体は軍平であった。軍平は炎神キャストをギンジロー号から持ち出し、ボンパーを誘拐した。地下道で軍平は、ボンパーに炎神のこと、ゴーオンジャーのことを詰問し始める。そこに範人が登場。軍平の所為でピザ屋のバイトをクビになったとして、追いかけてきたのだ。
ボンパーは説明し始めた。炎神がヒューマンワールドでその存在を保つ為に、炎神ソウルと炎神キャストに分離していること。炎神達が元の姿に戻るためには、この世界の人間が炎神ソウルを炎神キャストにセットしなければならないこと。そして、その人間がドライバーとなることにより、この世界を守る力が最大限に発揮されるのだということ。さらに、炎神のパートナーとして戦う人間には危険が伴うため、炎神ソウルをモデルにゴーオンジャーに変身する為のチェンジソウルが作られたのだということ...。
ギンジロー号に戻った走輔達は、ボンパーが不在で、炎神キャストも無いことに気付く。スピードルの助言でボンパーの信号をキャッチした走輔は、軍平の元に駆けつけた。軍平を非難しつつ何故か明るく盛り上がる連と早輝に、軍平はひどく苛立ちを覚える。何故、ゴーオンジャーが走輔達のような「ガキ」なのか。軍平は自分こそがゴーオンジャーに相応しいと主張する。
ケガレシアは、パイプバンキに更なる使命を与える。それは巨大化して新台場の河川に水質汚染を引き起こすことだった。早速行動を開始するパイプバンキ。走輔達は炎神キャストを軍平から取り返せないまま、ゴーオンジャーに変身して出撃する。範人は無邪気に興奮し、軍平は「カッコ良過ぎる!」と思わず呟いた。
炎神キャストなき今、巨大化したパイプバンキにはハイウェイバスターをぶっ放す以外にない。その様子を見守る範人と軍平は、その無茶加減に呆れと感心を半ばする。ボンパーは、範人と軍平に走輔達「無茶ナヤツラ」がゴーオンジャーとなったいきさつを話し始めた。
走輔は新人レーサー、連はサーキットへの送迎バスの運転手、早輝はサーキットでの販売員をしていた。ある日、3人がサーキットに居合わせた際ガイアークの襲撃に遭う。3人が危険を顧みずにスタッフやギャラリーを避難させたのを見たボンパーは、3人を居空間の中で炎神に引き合わせる。「ねぇ、みんな。正義ノミカタになって欲しいんだけど」ボンパーはそう言って、彼らにゴーフォンを与えたのだった。「彼らは初めからヒーローだった」のだ。
巨大なパイプバンキには、やはりハイウェイバスターではかなう筈もない。危機に陥った走輔達を見て、軍平はある決心を固めた。それは、危険を承知で炎神キャストを3人に届けること。範人は軍平の意図を感じ取り、バイクを駆って協力を進言。走り出した2人を、ボンパーが止める。
ゴーオンジャーに止めを刺そうとするパイプバンキは、近づいてくる範人と軍平に気づき、2人の乗るバイクを爆破。その爆炎の中から、ゴーオングリーンとゴーオンブラックが飛び出してきた! ボンパーは、2人にゴーオンジャーに変身するためのアイテム・シフトチェンジャーを手渡していたのだ。
走輔に炎神キャストを渡す軍平。5人になったゴーオンジャーは雄々しく名乗りを上げる。走輔達は炎神キャストに炎神ソウルをセットし、炎神達は巨大化、エンジンオーに合体を果たす。
パイプバンキの狡猾な攻撃に、エンジンオーは苦戦する。そして戦いに巻き込まれて寸断された橋から、今まさに落下の危機にさらされた車が。パイプバンキはその状況を巧みに利用してエンジンオーを追い詰めていく。
そこで範人と軍平は、自分たちの出番だと意気込み、車中から親子を救出した。エンジンオーはすぐさま反撃を開始し、パイプバンキをゴーオングランプリで撃破した。
戦いが終わり、走輔、連、早輝の3人と、範人、軍平の2人が顔を合わせる。果たして5人の足並みは揃うのか...?
ベアールV!
今回の連メモ「蛮機獣パイプバンキ」
監督・脚本- 監督
- 渡辺勝也
- 脚本
- 武上純希
範人と軍平の加入編。というより、第1話と第2話でゴーオンジャー結成編ということになろうか。基本的に、軍平の行動がストーリーを牽引するが、そこに巧く設定説明を織り交ぜていく手法が見事で、設定の解説編としても完成度が実に高い。
「ゴーオンジャー」というシリーズは、分かりやすさを前面に押し出す方針のようだということは前回でも触れたが、設定解説に時間を割く今回にも、そのポリシーは発揮されている。中でも印象的なのは、走輔、連、早輝の3人が同じサーキット場に関係する職に就いていたということである。偶然という感覚を超えた運命的なものを、このシーンだけで表現しているのは見事だ。また、ボンパーの「正義ノミカタになって欲しい」という言葉、そして3人の驚いた顔、といった少々のコメディテイストを付加することで、その後すぐに納得してゴーオンジャーになったであろうことが想像できるのもいい。サーキット場におけるガイアークの襲撃は、集団で銃弾をぶっ放すという至極物騒なものだが、(銃弾が当たっていてもおかしくない位置に火花があがっているにも関わらず)ケガ人はゼロ。飛び道具を持つ相手に丸腰で向かっていくという、とんでもないシチュエーションも、「ゴーオンジャーらしさ」ということなのだろう。とにかく些細なことに拘らず、ひたすら「ロードを突っ走る」という気概に満ちていて爽快だ。中途半端に被害者を描写しないキッパリとした姿勢も評価できる。本エピソードでの「被害者」の描写は、後半登場する親子にこそ割かれるべきであり、順当な措置だと言える。
こういったドライヴ感のある展開は、「科学戦隊ダイナマン」で途中より放映時間が5分程度短縮されたあたりに端を発しているというのが、現在の定説である。「電磁戦隊メガレンジャー」の途中で朝に放映時間をシフトさせてからは、また30分の放映時間となったが、そこからは作品カラーによってスピーディなものとそうでないものを使い分けるようになった。「ゴーオンジャー」は問答無用のとびきりスピーディな展開が期待されるシリーズだと言えよう。
前述のように、今回は設定解説の要素をふんだんに含んでおり、しかもそれが自然な流れの中に組み込まれているのが特徴だ。それは主にボンパーの口から語られることになるのだが、それが範人と軍平に対する説明だというところが実に巧いのだ。ゴーオンジャーとなるべき人物に対して説明するという状況を作り出すことで、その説明に意味が出てくる。3人+2人のメンバー構成が奏功したと言えよう。第1話である前回では、走輔、連、早輝がゴーオンジャーになったいきさつは特に語られなかった。むしろキャストの徹底的な顔見世と、各種装備の大盤振る舞いを見せるということに重点を置いている。今回はそのバックボーンに関する詳細な情報を与えるべく、そして範人と軍平のゴーオンジャー加入譚を描写すべく、ボンパーを中心においた作劇が為された。
ボンパーから語られた設定は、炎神ソウルと炎神キャストに関する設定(これが実に分かりやすい)と、ゴーオンジャーの存在意義、チェンジソウルの位置付けである。ここで注目は、ゴーオンジャーへの変身に関するトピックである。チェンジソウルは、第1話では炎神ソウルと殆ど同じカートリッジという印象で、ゴーオンジャーのスーツはパートナーとなる炎神の力によって形成されるイメージだった。つまり、炎神と出会っていない範人と軍平はどうやって変身するのか、という疑問が、少なくとも前回までは成立していたのだ。だが、今回チェンジソウルに関しては「炎神ソウルをモデルにした変身用のソウル」という説明が与えられ、炎神とのパートナーシップがなくとも、ゴーオンジャーに変身できることが分かった。これをウマいととるか、ご都合主義ととるかは判断に迷うところだが、少なくともストーリーを進める上での障害を取り除く要素だったことは評価できる。ただ、設定としては些か弱い印象がなくもない。
さて、設定解説を除いた部分で、最も目立つのは勿論軍平である。前回、黒装束にサングラスという、悪役に見紛う強烈なインパクトで登場した軍平は、何と今回元刑事でありながら窃盗に(相手はロボットだが)誘拐をはたらくという暴挙。刑事という属性や、正義感が強いという設定からはおよそ乖離した言動が凄まじいインパクトを持つ。走輔たちを「ガキ」呼ばわりし、自分こそがゴーオンジャーに相応しいとする妙な自意識過剰振りは、戦隊シリーズでたまに登場するヒールな追加戦士の持ち味だが、軍平はそこからも逸脱しており、ゴーオンジャーを評して「カッコ良過ぎる」などと発言するのだ。この支離滅裂さは、そのまま軍平の特異なキャラクター性として、まだ第2話にも関わらずファンの目に「定着」と映ったことだろう。
ただ、これを面白いと感じるのは、むしろ戦隊シリーズ等のお約束を理解している大人の側であり、子供には「単なるヘンな人」に映りかねない危険性を帯びている。刑事だという属性自体は劇中にこそまだ登場していないが、もっと基礎的な部分で「ゴーオンジャーに相応しい」かどうかは疑問だ。勿論、ここまで過激な行動に走るに至ったきっかけもあることだろう。しかし、そういったテーマを軍平に背負わせることで、逆にゴーオンジャーの爽快感をスポイルしかねないという心配もあるのだ。
後半、走輔達のエピソードを聞いたあたりから変わってくる軍平の態度は、あらゆる懸念を払拭するかのように見える。ところが、「危険を顧みず炎神キャストを届ける」というヒロイックな行動は、「盗んだものを真っ当に返却する」という行為の美化に過ぎない。連の「コソドロ」と呼ぶ態度こそが本物だ。しかし、走輔は「これで戦える」という結果だけを重視し、すぐにエンジンオーを完成させるべく行動する。結局、軍平の妙な言動を払拭するのは軍平自身ではなく、走輔の持つ疾走感、換言するなら早輝言うところの「トンガった走り」であり、逆に走輔がゴーオンジャーに真に相応しい男としての存在を際立たせているのが面白いところだ。
一方、範人のキャラクター性は一貫しており、ちょっと無責任なお調子者以外の何者でもない。それが腹立たしいお調子者ではなく、ムードメーカーたり得る存在である点には、是非とも注目しておかなければならない。ただ、この時点では他の4人ほどヒロイックな雰囲気がないのも確かなところだ。これは、今後のエピソードの積み重ねに期待したい。
今回ガイアークが送り出した蛮機獣は、パイプバンキである。分かりやすいモチーフ、分かりやすいネーミングが冴える蛮機獣。害気目、害水目、害地目といった、各大臣に従属する属性の存在が今回より一層明瞭となる。なお前回、地上デジタル放送の字幕にて「害機目」と表示された為、このサイトでの説明は完全に的外れとなってしまったことを、この場を借りてお詫びしたい。パイプバンキが水源を汚染する描写は、古い話で申し訳ないが「電子戦隊デンジマン」のウミツラーを彷彿させた。この「デンジマン」の敵であるベーダー一族も汚染環境を好むという設定が与えられており、ガイアークはこの翻案であると言っていいだろう(「デンジマン」の方が遥かにエグいが...)。どこか滑稽でお色気過剰なのは、「激走戦隊カーレンジャー」のボーゾックあたりのエッセンスが感じられる。
このパイプバンキ、2度目の登場に際しては、いきなり巨大化していてパターン破りを行っている。今回はレインボーブリッジと思しき高架橋にて、エンジンオーとパイプバンキの戦闘が繰り広げられるのだが、これが実に素晴らしい出来栄えなのだ。橋の大掛かりなミニチュア・セットはなかなかに精緻で、寸断された橋を繋ぎ止めて車に胸上を走らせるエンジンオーの図は、荒唐無稽ながらも合成の巧みさからヒロイックな印象を与えている。その後、渡り損ねた車が危機に陥るが、その救出劇は範人と軍平に委ねられ、2人はここでようやく「正義ノミカタ」らしい行動をとることとなる(初めて一般市民に「ゴーオンジャー」と呼ばれたのは、他でもない範人と軍平なのだ!)。この救出劇に至るシークェンスは、助けられると分かっていながら、合成やカット割、ミニチュアの出来栄えがそれぞれ秀逸に組み立てられ、スリリングなシーンとして完成している。戦隊シリーズでは、初期数話にこうした贅沢で意欲的な特撮カットを織り込み、その後ルーティン的に処理されていくのが伝統。その贅沢な特撮カットを、まずは存分に味わっておきたい。
天地人
第1話終了後、
範人「うわーっ、格好いいな~、あの三人。そうだ、自分だったらこうポーズつけるんだけどな。」
と名乗りのポーズの練習を始める範人
軍平「ふん、バカか」とつぶやきその場を去るが、自宅に帰って
軍平「あいつら、カッコ良過ぎる!俺だってヒーローになりたくて、一生懸命練習してたんだ」
軍平「俺ならダッシュ豪快だぜ、ホントあいつらセンスないな。絶対俺のほうがヒーローにふさわしいぜ。」
練習のかいあって、ぶっつけ本番で3人の名乗りポーズに合わせられた範人と軍平良かったね。
…えっ、違うって(汗)
(本題に戻って)
1・2話と見た感想は正統派戦隊物って事ですかね。
とりあえず、今回はこれだけ(すいません)次週も楽しみです。
MsRoad
う~ん、軍平の性格はあれでいいのか?
どうせ話数が進めば皆と馴染んでいくんだろうけどさ。
主題歌の歌詞を覚えてしまったので早速通勤時に鼻歌歌っております。
なんか「タッチ」の主題歌に似てると思うのは私だけ?