「ゴーカイジャー」の抱える5人の主役陣で、最も「ゴーカイジャー」のアイデンティティを表現するキャラクターと言っても過言ではないルカ。
今回は、そのルカの金銭至上主義的な面と、その裏に潜む金銭以外の価値観を垣間見る事が出来ます。
また、ルカの悲惨な過去もチラリと登場。金銭、あるいはそれと同等の「価値の仮想化したもの」と無縁だったが故に、「幸せ」とは縁遠かったようです。これから、もっと掘り下げられていくものと思われます。
ルカは、5人の中で最もサッパリした性格に設定されており、平気で男共を肘打ちするような、いわば元祖女性イエローである「バイオマン」の小泉ミカ、あるいは矢吹ジュンを彷彿させます。ただし、ルカの場合、努めてさっぱりした言動を取っている節があり、そこがキャラクターに深みを与えています。
今回のストーリーとしては、王道というか、パターン化された親子の感動物語をトレスしたもの。新鮮味は全くないですが、ルカを巧く絡ませる構成には非常に感心しました。
個人的に、戦隊らしい話で非常に面白かったのですが、王道過ぎてあんまり語る処もなかったんですよね。
ちょっと続きの方で色々とでっち上げてみます(笑)。
ルカ、ルカ、ルカ!
まぁ、そういう気分です(笑)。市道さんには不思議な魅力がありますね。戦隊ヒロインのタイプにも色々ありますが、いわゆる美少女系でもクールビューティ系でもない、愛嬌のある美形というか、非常に個性的な魅力があります。ルカのキャラクターにも合致しており、際限なく明るくさっぱりした面と、どことなく影のある感覚が絶妙。ちょっと気を抜いた時には、普通に可愛いですし。
今回はまず、メイド服での足組みが反則。この、エロ目線を誘導するような演出は、スーパー戦隊を分かっている感じすら漂います(笑)。
さて、メイド服といえば、今回のアクションも素晴らしかったですね。
前回に続いて坂本浩一監督だったのですが、坂本監督はシンプルなアクションをダイナミックに見せる術に長けていて、今回もその真価が発揮されています。
ルカの素面アクションでは、彼女の持っている余裕を感じさせつつ、相手を翻弄する一方、春日井に謝礼の額を上げさせるべく「脅迫」してしまうという、三面が要求される難易度の高いシーンだったわけですが、コミカルにすら見せてしまう完成度の高さには、思わず唸らざるを得ません。
このコミカルさの源流は、ジャッキー・チェンの一連のカンフー映画にあると思いますが、カンフー一辺倒ではなく、ちゃんとスーパー戦隊シリーズのアクションを踏まえている辺り、好感度が高いです。
そして、今回のコミカルさに一番寄与した功労者として挙げられるのは、やはりナノナノダの声を担当した高木渉さんかと。
ナノナノダなんていう名前からして、もうコメディである事は明らかなのですが、高木さんが随所にアドリブを入れまくっているのが凄い。私の中で高木さんと言えば「ビーストウォーズ」なんですが、「ビーストウォーズ」を彷彿とさせる、隙間を狙いすましたアドリブワークの凄さは、さすがといった処。
戦隊ファン的に最も笑えるのは、「1たす2たす」とナノナノダがつぶやき、ルカが「サンバルカン」と返すくだり。これは恐らくシナリオにあったものと思いますが、他のアドリブに溶け込んでしまっているので、笑いが連続するんです。やっぱり凄いですよ、高木さんは。
「スペード、ダイア、ハートにクラブ...ヘイヘイヘイ」なんてのもありましたね(笑)。主題歌はネタとして分かりやすいので、盛り込みやすいと思います。
ところで、何故ルカが「サンバルカン」と答えたかと言えば、それは勿論豪快チェンジでサンバルカンになったから。
今回の豪快チェンジは、とにかく数が多い。
まず、ルカ関連で行くと、バルパンサー、ボウケンイエロー、ゴーイエロー、イエローレーサーと、何と4種も。
バルパンサーは、バク宙を連発する特徴的なアニマルアクションを再現。オリジナルは「にゃー」とは言わず「ウォーーッ」と言いますが、まぁルカだから許します(笑)。とにかく、このバルパンサーのアクションが素晴らしい。このアクションを見ると、当時のいわゆる「JACアクション」の水準の高さが分かります。言い方は悪いですが、「再現」していても「超えてない」んですからね。加えて当時は、特殊効果なんてたかが知れていますから、余計にゴマカシが効かない中でやっていたわけです。
ちなみに、バルパンサー・豹朝夫こと小林朝夫さんは、「ゴーカイジャー」への出演を熱望されているそうです。是非見たいですねぇ。
ボウケンイエローは、特徴的な可愛い名乗りポーズを引用したポージングを披露。戦隊ヒロインが明確な「萌え」を意識したのは、ボウケンイエローが初だったように思います。
ゴーイエローは、燃え盛る邸宅に突入する際に登場。ここぞという時の使用が、豪快チェンジを単なるネタにしない工夫を感じさせます。
イエローレーサーは、仲間の元に駆けつける為に使用。ジャッカー電撃隊の元に駆けつけるイエローレーサーという、何ともシュールな画に惹きつけられましたね。
そして、他の4人は、ジャッカー電撃隊に豪快チェンジ。丁度イエロー抜きのカラーリングである為、そのままカラーがフィット。しかも、名乗りをフィーチュアしたジャッカーアクションも再現!
よりによって「ジャッカーコバック」ではなく、「ジャッカーハリケーン」を繰り出すという、意外性も見事で、現代の特殊効果でちゃんと「ハリケーン」しているのが嬉しい処。昔はこの手の技が結構多かったですが、早回しやカット割り、カメラワークで何とか高速回転に見せたりと、雰囲気はあれども満足ではない感じでした。今回はそれらのリベンジといった風情で、胸が熱くなりましたよ。
次回は、ゲキレンジャー編。ジャン再び!シャーフーも出るらしいので、これは期待ですね。
あ、そうそう。個人的に感心したのがラストシーン。
ルカはちゃっかり宝石を頂いてました。これにより、ルカがタダでは働かないという図太さを取り戻すと同時に、ある種の律儀さを表現していました(あの小切手を返したのは、小切手が金のなる木の対価だったからでしょう。いわゆる契約違反だったので、返したわけです)。勿論、ただ優しいだけのルカから、しっかり軌道修正したという面でも評価出来ると思います。ルカのしてやったりな表情な表情もイイ!
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