第1話「宇宙海賊現る」

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 何だか、妙にリクエストが多かったので(有難うございます)、今シーズンはさらにパワーダウンして、「見たか?」シリーズをお届けします。

 いよいよ始まった「ゴーカイジャー」。過去シリーズを含めた一大お祭り騒ぎとしては、既に「ウルトラマンメビウス」、「仮面ライダーディケイド」、「大怪獣バトル」の辺りで一つの方法論として確立した感がありますけど、「ゴーカイジャー」は一味違います。

 というのも、圧倒的物量ですから!

 今回、冒頭のみチラリと「レジェンド大戦」なるものが描かれましたが、34大戦隊が、追加戦士も含めて大暴れする様は、何とも言えない感覚でしたね。

 個人的には、「ディケイド」のように、システムにキャラクターが喰われてしまう状況を懸念してましたが、とりあえず初回を見る限り大丈夫そう。

 では、続きの方で、もっとマニアックに行きます。

 「海賊」というモチーフは、勿論「ワンピース」の人気にあやかったのと、「パイレーツ・オブ・カリビアン」あたりのヒットを受けてのものだと思います。前作は「ドラクエ9」にあやかった形跡があるのですが、今回はより万人に認知されているネタとして、宜しいのではないでしょうか。

 キャプテン・マーベラスの戦う動機が、ごく個人的な「食の邪魔をされた」という点については、よくぞやってくれたという感が強いです。この論法のスライドに関しては、散々平成ライダーで繰り返されているような気もしますが、あちらは往々にして言い訳がましく聞こえるのに対し、こちらは単純にコメディとして成立しています。これは戦隊シリーズの良さですね。

 そしてゴーカイチェンジ。幼稚園の職員がやたら戦隊に詳しいのも笑えますが、ゴレンジャーハリケーンの荒唐無稽さを、もっと茶化している辺りに愛を感じます。今回は、ゴレンジャー、マジレンジャー、シンケンジャーにチェンジしましたが、どれも私がちゃんと見ている戦隊でした。戦隊シリーズは歴史が長いので、どうしても「リアルタイム」、「卒業」、「出戻り」、「復習」といったプロセスがあり、私も各シリーズについて、認識のムラがかなりあります。

 今回のゴーカイチェンジは、ゴーカイジャーと各色が合致する戦隊になっていました。初回だから分かりやすさを求めた結果なのかもしれません。細かいのは、イエローやブルーといった、男性と女性双方のキャラがシフトする場合、オリジナル通りではなく、男性用と女性用のスーツが別個に用意されている処。今回で言えば、細身のキレンジャー、男版マジブルー、女版マジイエローといった具合です。このアイディアは秀逸ですが、大変だろうなぁ。

 もう一つ凄いと思ったのは、「スナックサファリ」。びっくりしました。

 この「スナックサファリ」、「サンバルカン」に登場した、いわゆる「カモフラージュ兼溜まり場」なんですけど、もうね、あらゆる小道具とかセットとか、完全再現なんですよ。まぁ細かいことを言えば、もうちょっと狭かったとか、色々あるとは思うんですが、雰囲気は当時のまま。カレーをネタにするにしろ、「スナックゴン(ゴレンジャー)」ではなく、「スナックサファリ」を持ってきちゃったのが、素晴らしい。オリジンである「ゴレンジャー」をリスペクトする姿勢も必要ですが、何もかもそれだと面白くない。ここでゴンでもなく「恐竜や(アバレンジャー)」でもなく、サファリなのがいいんです。

 ああ、岸田森さん...。思わず目頭も熱くなります。

 で、何と言っても、冒頭のレジェンド大戦で、アカレンジャー・海城剛こと誠直也さんが、直々に声の出演をされているのが素晴らしい!

 さすがに若い頃と同じ調子ではありませんけど、スーパー戦隊シリーズの歴史の重みを、あのワンシーンだけで描き切っている感じがして、実にいいのです。そして、誠さんが出演されたということは、あの人も、この人も...と期待も膨らむわけで。宮内さんとか大葉さんには是非出演していただきたい処です。

 制作ポリシーとしては、近年の戦隊に重点が置かれるようですが、初期作にも充分スポットが当たってくれると嬉しいですね。個人的には、「バトルフィーバー」をどうやって出してくるかが楽しみです。私、「バトルフィーバー」については相当うるさいですからね(笑)。

 あ、一応、最新戦隊自身にも触れておくと、今回はアクションがまたまた工夫されていますね。これまで、個人武器を交換しつつ戦うという事は殆どなかったのですが、今回は二丁拳銃になったり、二刀流になったりと、「武器のトイを2セット買えば、こんな遊びが出来る」的な面白さがありました。随所でロープを印象的に利用しているのも面白いですね。

 特撮も、初回ならではの超豪華さが印象的でした。戦隊の初回は大抵バンク撮影を兼ねるのでセットも豪華だし、オープンセットが組まれる事も多く、満足度が実に高いのです。

 というわけで、今シーズンもブログのネタにしてしまったわけですが、こんな風にストーリー云々に関してはあまり言及しません。また、私の琴線に触れる戦隊とそうでない戦隊がどうしても出てきますので、エピソードによってテンションの違いが出ることを、予めお詫び申し上げておきます。初期戦隊に関しては、概ね熱く語る事になろうかと思いますので(笑)、またお付き合いのほど、よろしくお願い致します。