Mission 24「トレビアンな夏祭り」

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 夏祭りをエンターが引っかき回すのかと思いきや、意外に静かなヒロム編でした。
 エンターは、メサイアを喜ばせる事とエネトロンの確保の一挙両得を狙って活動し、エスケイプより優位に立つつもりでしたが、何とも作戦がチマチマした印象で、かつてのエンターにはあった精彩を欠く感じになって来ました。逆に、往年の戦隊らしい「身近な事件」に近づいているわけで、どちらが良いか、まだ判断出来かねる状況ですね。

 今回は、少々無理のある(笑)「中学時代の回想」も登場するヒロム。担任の先生まで出て来てさぁ大変といった処ですが、現在のヒロムが確立しつつある、仲間との繋がりを大切にする姿勢、その礎をこの先生が示したとあって、雰囲気はかなりスタティックで叙情性溢れるものに仕上がっています。

 ヒロム役の鈴木さんが見せるジャグリング、公式サイトによれば現場でマスターしたとの事。何とも凄い話で、彼の器用さを垣間見た気がします。ヒロム自体、技術面では器用で、逆に人付き合いに関しては不器用だというキャラクターですが、技術面の器用さをキャストが裏打ちした格好となり、よりリアリティが増したようです。これは素晴らしいですね。

 他にも、ビジュアル面での見所は沢山存在します。

 中学時代の回想シーンは、ヒロムの制服姿が見られ、一匹狼を気取る様子が描かれます。しかしながら、先生よって強引に大道芸部に「連行」されても、ふて腐れる事も目立った反抗をする事もなく、何となくその場に馴染んでいくその様子は、現在のヒロムと全然変わっていないという印象で、キャラクターの連続性を強く感じさせる良いシーンだったと思います。

 一方で、エンターは夏祭り風情の出で立ちで登場。妙に爽やかな感じが実に可笑しく、秀逸な「コスプレ」だったと思います。ただ、エンターに関しては、秀逸なアクションシーンが用意されていて見事だったものの、もう少し活躍させて欲しかったような気もします。エスケイプが冒頭以外に登場しない、折角の一人舞台でしたからね〜。

 そして、等身大戦と巨大戦のバランスは、いつもながら見事でした。

 等身大戦では、最近では珍しいリュウジ&ヨーコのみのコンビ。攻撃を絡め取ってしまうワタアメロイドに対し、間髪入れる事なく矢継ぎ早に攻撃を繰り出していく様子は、最近のアクションの中でも随一の完成度でした。言葉で説明する事なく、意思疎通がとれている感じも良かったですね。

 巨大戦では、エースとビートの連係攻撃が繰り広げられつつ、ヒロム編らしくエースが決めるという王道の構成。SJ-05の上に立って切りつける等、ケレン味に溢れた画面作りは、素直にカッコいいものでした。メガゾードとは、そんなに距離が無かったような気がするのですが、その辺りはご愛敬という事で(笑)。

 合成のないビート&スタッグバスターの変身シーンも登場。陣とJが旗に隠れ、変身後の二人が現れるというシーンで、隠れる&現れる二人自体は同じ場所に立っていて、カメラの移動によって旗に隠れるわけですが、古典的な切り替え隠しの手法ながら、実に効果的であり、しかも、あまりに巧すぎてタネが分からないという...。これは凄かったですね。

 このように、ビジュアル面ではかなり奮っていたものの、ワタアメロイドの必然性のなさや、ヒロムの特技自体がストーリーやアクションにあまり絡んでこない面において、やや散漫な印象でした。テーマ自体は良かったのですが、この先生が「日本の大道芸を海外に伝えに行く」という事に全く説得力がなかったのが一番の問題(笑)。回想シーンにおいて、全く不器用だったのは、その後克服したとしても、「日本の大道芸」ではないのが...(笑)。まぁ、この辺りは、「ヒロムの成長した姿を旅立つ先生に見せられた」という流れを作る為の強引な理由なので、巧くはないですが仕方のない処なのかも知れません。

 戦隊ヒーローの前にかつての先生が現れるというシチュエーションは、シリーズ中、割とポピュラーなネタかも知れませんが、全く思い当たらないので、今回の思い出話は割愛とします(笑)。

 諸事情により、かなり短い記事になってしまいますが、今週はこの辺で...。