もはや定番の「勘違い騒動」パターンなのですが、やっぱりこのテのコメディが一番面白いんですよね。
特撮は勿論、アニメでもドラマでも、そして劇場用映画でも、「勘違い騒動」は重宝されるコメディの定番です。ただ、あまりにも使われるパターンである為に、逆に料理が難しい題材でもあるわけです。
その面では、今回は及第点以上! 文句の付け処がないのでは。GT-02を活躍させる流れも、コメディのセオリーに則った上で完璧に処理されていたと思います。
全体的によく出来すぎていて、あまり書く事がないという、何だか矛盾した状態に陥っているわけですが(笑)、とりあえずいつものように前例を挙げるという事から。
今回の「勘違い騒動」パターンにおいて、私が戦隊シリーズの中で一番印象的なのは、「メガレンジャー」での一幕。メガシルバー=早川裕作が、健康診断で「残った時間を有効に活用する」といった会話を医師と展開。これを立ち聞きしたメンバーが、あれこれ心配するといったくだり。会話の真意は、メガシルバーのウイークポイントであった稼働時間のリミットを解除する算段だったわけで、逆転劇の要素も含まれた傑作中の傑作エピソードです。
この「メガレンジャー」の傑作エピソードに比べると、今回はやや後塵を拝する出来のように思えますが、かなり健闘していると思います。
まず、マサトを取り巻く人々の関係性が良い。
「陣はいい加減なヤツだ」と承知している黒木の狼狽振りが可笑しく、冒頭の暑さに耐える姿と共に、屈指のコミカルさを湛えています。その時点ですぐにリュウジに知らせるのではなく、あくまでヒロム達に解決させるのも素晴らしい(単に話の流れで省略した感じではありますが)。
マサトのいい加減さが、Jに対して影響を与えている展開も見事。「ゴリサキ」と言えば直接理解出来る処を、敢えて「バナナ」と言って事態を混乱させる辺り、秀逸です。JもJで、マサトの話からは果物のバナナに解釈が行きようもないわけで、バディロイドにも伝播したいい加減さが、実にコミカルで見事だと思います。
今回、黒木が「陣の言うことを真に受けたのか」とヒロム達を詰る一幕がありましたが、これはいわゆる伝言ゲームの妙であり、まず心配性なゴリサキがマサトから聴いた事で真実味が加味され、慎重派のゴリサキの言う事ならば信用出来ると踏んだヒロムとヨーコが、自ら行動を起こす事でさらに周囲を巻き込み、不器用なヒロムの端から見て実に怪しげな行動を、リュウジが垣間見る事で自らの中に「答え」を形成してしまう...。よって、今回の流れは単なる誤解を超えた、伝播の危険性を端的に示した好編でもあったと評価出来るのではないでしょうか。
なお、「リュウジの事となるとヒロムもあまり冷静ではない」といった「説明」がありましたが、ここはやや強引な論だったように思います。上記のような「伝播」があったからこその、ヒロムの行動であり、劇中、ヒロムは至って冷静だったように見受けられます。
コミカルなシーン作りも、今回は浮いてしまう事なく、コメディの強化に貢献していました。代表的なものに、酷暑の司令室のシーン、リュウジの年齢をネタにしたシーン、森下の身代わり出動シーンの三つが挙げられるかと思います。
まず、酷暑の司令室では、どこから持ってきたのか、涼を取る為の色々なガジェットが並べられ、通常の司令室の緊張感を見事なまでにスポイルしていました。ヨーコがジャケットを脱いで、汗染みタートルネックTシャツを披露するとか、大きなお友達へのサービスもバッチリ(笑)。ヨーコは、役柄上の童顔と時折見られる肉感的なスタイルとのギャップが(以下略)。
続いて、リュウジの年齢をネタにしたシーンでは、何となく10年後くらいの三人がイメージ映像で描かれたわけですが、リュウジだけ極端に老けていて、可哀想なレベル。さらに数十年後に至るに、リュウジ一人だけ天に召されているという、酷い扱い(笑)。ここまで年齢差がネタにされた戦隊は皆無です。ヒロムはともかく、ヨーコは本気でイメージしていたように見えるので、単なるネタ映像を超えたアピール度があったように思えます...。
森下版ブルーバスターの出動では、走って現場に登場すれば息切れ、変身しようとすれば制止され、こちらもやけに扱いがぞんざい(笑)。ただ、特命部への配属の際は、水準以上の体力が必要というわけではなさそうで、森下があくまでオペレータ職として配属された背景が見える辺り、なかなか秀逸なシーンだったのではないでしょうか。ここで森下が変身してしまったら、更に笑えるシーンになったかも知れませんが、それはもはや作劇の暴走であり、大多数の視聴者が望んでいる事とは乖離してしまうでしょう。
ちなみに、ダンベルロイドの声は小杉十郎太さんで、これは恐らく「ビリーズブートキャンプ」を元にしたキャスティングでしょう。伝え聞く処によれば、ビリー隊長の声は、小杉十郎太さんだった筈。
巨大戦では、冒頭に記した通り、GT-02が大活躍。ただ、怒りにまかせてバスターヘラクレスにミサイルを見舞うのは、少々やり過ぎで、リュウジのキャラクターからすると、やや違和感があります。「エンジニアの卵」として、各機の性能その他をある程度知った上ではあるでしょうが、その背景まで読み取れるようなシーンではありませんでしたからね。むしろ、はっきりと熱暴走にしてしまった方が良かったかも知れません。いや、それもヘンか...。
個人的には、黒木が健康診断の結果を見て愕然とするシーンが見たかったです(笑)。
次回、遂に待ち焦がれた女幹部登場です!
ビジュアル、アクション性共に長けた逸材の投入という事で、期待は否が応でも盛り上がります!!
ちょろ
こんにちは。
今回は・・ダンベル体操というか、もう踊りの面白さに尽きるような。
敵味方、エキストラの皆さんよく合わせてくださったと思います。
主役?のリュウジですが、「仲間のピンチなんだ」「俺の最後の変身」など懐かしい台詞をちりばめてバトル冒頭までかっこよく決めてくれました。よけいにおかしい訳ですが(笑)。
このメタロイドの目的はどうもはっきりしませんが、まあ難事山積、おまけに炎天下でもコスチュームは冬服だけのエンター様にも気晴らしは必要ということで(笑)。
さて、新登場女幹部はシスターミキさんですか。陽性の設定を期待します。
天地人
リュウジの健康診断の結果ですが、脈拍360、血圧400、体温約90度だったりして(行かないでリュウジ、ヨーコちゃんがピンチなんだ って違)
この勘違いパターン、ラストまで明かされないと思ってましたので、今回途中でばらされた時は、「オイオイ」と思いましたけど、最後の怒りの攻撃を見せる為だったんでしょうか。
個人的には、戦闘終了まで勘違いのまま終わらせて、ラストにオチで明かされてってパターンの方が良かったのかなと思います。
(でも、これはこれで面白かったす。)
さて、次週ついに女幹部登場ですが、こいつは凄いぜ(ん?)
竜門 剛
同期の司令官ならともかく、(一応)天才である陣の言うことなら、大抵の人が信じてしまうのでは?
しかし、ウイークポントは回を追うごとにどんどんギャグネタと化しているような・・・(汗)。ヒロムの鶏は、最初からそういう感じでしたが(笑)。
ゆーじ
こんにちは。
今回のゴーバスターズは、結構無難な路線で、おもしろさを追求している感じでした。個人的には、メガネがくもった仲村ミホが”つぼ”でした。
それと、戦隊とは関係ないですが、ギャバンの単独映画化が決定しましたね。主演が大葉健二さんではないのが残念ですが、2代目の石垣佑磨さんは、アクションも相当上手だという話なので、私は楽しみにしています。
そういうわけで、よろしく佑磨!!
M'sRoad
もうリュウジの熱暴走は合成で顔が赤くなって湯気が吹き出すとか
ネタ化してしまっても良いかも知れませんね。
二代目ギャバンは初代でランプ類がびっしり並んでいた胸部分が
黒くフラットな処理にされていますが、どのように演出されるか楽しみです。