Final Mission「永遠のキズナ」

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 最終回!

 私の予想の斜め上を行ってくれました。

 というより、物語の落とし処としては、まぁ普通だったのですが、雰囲気作り、演技・演出の熱さ、エンターの徹底した悪役振り、そういった要素一つ一つが素晴らしかったと思います。

 徹底されたエクスキューズ偏重主義から始まり、人間賛歌へと帰結していったシリーズ構成の意味が、最終回でようやく明確になりました。メサイアが結局正体不明であったり、エンターやエスケイプの元になった人々の詳細、ワクチンプログラムが今後どのように活かされていくか等、謎や展望の数々が未だ判然としないままでの終結でしたが、「人間賛歌」としての帰結により、我々は溜飲を下げたのではないでしょうか。

Mission 49「覚悟と選択」

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 遂に最終回一歩手前。光陰矢のごとし。早いですね~。

 最終回は、どういう落とし前を付けるのかと、色々予想していましたが、意外や意外、黒木&陣世代と、リュウジ以下の世代の、二つのジェネレーションが別々の精神性で事に当たるという展開が待っていました。

Mission 48「仕掛けられていた罠」

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 終盤の終盤に、突如シリーズ当初の雰囲気を取り戻したかのような、まるで「ジャッカー電撃隊」の最終編のような一編。

 縦糸として「ヒロムこそがメサイア」といった構図があり、前回こちらで言及したとおり、ヒロムの中にあるのは、バックアップというよりむしろ本体と言って良い感覚。つまり、ヒロムが消滅しない限り、メサイア(エンター)は消滅しないという、限りない絶望感に支配されていて、シリーズ当初の「肉親が助かる確率はほぼゼロ」に似た「見通しの暗さ」が復活しました。

 併せて、当初に存在した「もしかしたら肉親は生存しているかも」というわずかな希望に代わるものとして、ヒロムの中にあるナンバー13のカードのデータさえ特定出来れば、転送の過程で「濾過」する事により、それを取り除けるかも知れないという希望が示されました。この辺りのバランスは、「戦隊」である事を考慮しているように見え、バッドエンドを確実に回避する為のエクスキューズとして用意されたものでしょう。

 エスケイプの退場にも、エンターがデータとして得た「愛」が関わるという、なかなか興味深いエクスキューズが用意されており、全体的に「ゴーバスターズ」当初の主幹であった「エクスキューズ偏重主義」が、ここに来て明確に復活すると共に、巧みに活かされる事となりました。勿論、超強力な戦闘力を持ちながら、ヒロムを生かさず殺さずの状態に持って行こうとするエンターの行動にも、「ヒロムが消滅したら困る」というエクスキューズが与えられる事で、説得力が増したわけです。まぁ、ここは諸刃の剣なわけですが。

Mission 47「リセットとバックアップ」

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 前回がリュウジの熱暴走をメインに据えたバトル編だったので...という事か、今回は順当にヒロムのウィークポイントにスポットを当てたものとなりました。

 一方で、ヴァグラス、特にエンターの身に何が起こっているかを、延々と説明する側面もあり、割と退屈な感も。最後の最後に明かされた「衝撃の事実」も、何となく「思いつき感」が否めず(いや、ちゃんと伏線らしきものはあったんですけどね)、結局子供にも大人にもよく分からない筋運びになってしまいました。うーん、これって「ゴーバスターズ」の結末における「天井」がもう見えてしまったという事なんですかねぇ。

 今回はヒロムがメインなので、レッドバスターの壮絶なアクションが期待出来るかと思いきや、実際はエスケイプとの因縁を強く感じさせるブルーバスターの方が、アクション的には充実。壁面を使ってクルリと回転するアクション等、印象的な動きを見せてくれました。

 にしても...盛り上がりのなさは致命的な気がしますが...。

Mission 46「新たな融合と熱暴走!」

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 「メサイアカードがまだ一枚残っている」なんていう説明があったりして、アララ...と脱力してしまいつつも、一応クライマックス編の開始という事で、初回から飛ばしてきました。

 今回は、リュウジ編の体裁をとりつつ、リュウジとヨーコの関係性の決着を描いたものと言えるでしょう。最初にリュウジの熱暴走を目撃して号泣してしまったヨーコが、ここに来て熱暴走に真っ正面から向き合い、何とかそれを自ら止めようと試みるという、ヨーコの自立を描いたものになりました。

 他にもリュウジとヨーコの件では、戦いが終わった後のヨーコの進路を心配するリュウジや、それを煩がるヨーコという描写が盛りこまれ、あらゆる面でヨーコの自立を描いています。

 面白いのは、一見してヨーコの「親離れ」を象徴させるような展開を示して、プライベートでは保護者と被保護者の関係をブレイクさせつつ、仕事の現場ではリュウジのピンチをヨーコが救うという展開を用意して、巧く対比させている処です。リュウジがプライベートでも現場でもヨーコの保護者であった事により、悪く言えば、常にヨーコはリュウジより立場が下になっていたわけですが、ここに来て、遂にリュウジと対等の立場を主張できるようになった...と言うと言い過ぎでしょうか。

Mission 45「謹賀新年!小さな強敵、再び」

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 謹んで新春のお慶びを申し上げます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 というわけで、めでたく最終回を迎えた後の仕切り直しとなった「ゴーバスターズ」ですが(笑)。

 趣向としては、「勘違い騒動」のパターンにのっとったコメディ編となりました。戦隊シリーズ新春編の定番は色々ありますが、ここまでドタバタなのも珍しいのではないでしょうか。

 加えて、各キャラクターが通常とは異なる衣装を幾つか披露する「コスプレ編」の趣もプラスされ、賑やかで華やかな画面が新春第一弾を彩りました。エンターやエスケイプを敢えて登場させない趣向も、コメディ編として巧く機能していたと思います。

Mission 44「聖夜・使命果たすとき」

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 バトル、またバトルで押しまくる怒濤の年末編。

 クリスマスに始まったメサイアとの因縁、今ここに終結を迎えました(?)。全体の構成や盛り上げ方、テンションの高い芝居や画面構成、どれをとっても「最終回」の趣。Mission 30における雰囲気を、よりポジティヴな感情を礎として再現して見せたような、そんな感覚でまとめられていました。Mission 30を等身大重視、今回を巨大戦重視といった具合の差別化もなされていますね。

 私個人としては、いくら因縁のクリスマス編だからといって、まさかここまで「決着感」を露わにするとは思ってもみなかったので、ちょっと唖然としてしまったわけですが、全編に漂う凄まじいハイテンション振りには、すっかり引き込まれてしまいました。

Mission 43「決意のクリスマス」

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 年末で一区切り付けるという意図か、怒濤の展開を見せる好編。ここに来て、ようやく断片化していたメサイアカード編の意味が集約されてきた感じを受けます。

 そもそも、「ゴーバスターズ」の事件の発端である「13年前」の出来事は、クリスマス期の出来事であり、クリスマス編をそこに絡めてくるのはある意味当然なのですが、それでも今回の絡め方は絶妙です。単に時期が来たから敵が大攻勢を仕掛けてくるといった安易なものではなく、段取りも周到。クリスマス会のエピソードは、メインに据えて「どこかで見た」話に仕上げるような事をせず、あくまで前編である今回にとってはスパイスに留めているのも良い感じです。

 クリスマスの「絡め方」をヒロムのメンタル面とした辺りも新味に満ちており、クライマックスに向けて人間の感情の奥深さをテーマとして集約させていくカタルシスは、非常に見応えがあったと思います。

Mission 42「突撃!メガゾードの中へ」

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 正統派ヨーコ編。今回はメサイアカード編の中では出色の出来だと思います。文句なく面白かったです。

 エンターの思惑と、それに追随するエスケイプ、エンターの思惑を体現する大仕掛けのメタロイド、土壇場でメサイア自体の復活を思わせるどんでん返し...。ヴァグラス側の一体感が実に心地良く、ちょっと暖かみのある話を織り交ぜつつ、ゴーバスターズ側との攻防戦が目一杯描き切られていたと思います。

 ネガティヴな感情を利用されるという筋書きは、「仮面ライダーウィザード」との近似性を示しましたが、その後のポジティヴな感情すらもメサイア復活に利用されるという、なかなか気の利いたエクスキューズも用意されました。ゴーバスターズの活動が結果的にヴァグラスに利用されてしまう、初期のパターンを踏襲していて面白かったですね。

Mission 41「怪盗ピンクバスター!」

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 早乙女レイカ=怪盗ピンクバスターこと、新川優愛さんの魅力が素晴らしかった一編。

 メサイアカードに関する「おさらい」も行われ、4クール目突入の段取りはなかなか手際も良く。しかし、やはりここに来て妙にバラエティ編の体裁を強調してきた辺り、何となくとっ散らかった印象も拭えなかったりします。

 前回は、割とメインキャラクターのコアな部分に踏み入る作劇だったのに対し、その前と今回は、ゲストがストーリーの全てを握っているという構成でした。これが意味する事は、「ゴーバスターズ」のキャラクターに関するドラマは語り尽くされてしまった...という事なのかも知れません。

 勿論、ヴァグラスはなおも暗躍を進めているし、陣の危機的状況は進行中だし、ヒロム達にしても、肉親がもしかすると助かるかも知れない、あるいはヒロム達自身に何か秘密が...といった、「引き」を色々と散りばめているのですが、それらはクライマックスで一気に畳みかけるように繋げてくる可能性が高い。すると、残った「掘り下げ」がもう枯渇していて、ゲストの魅力を中心に据えた作劇にならざるを得ない...そんな感じが漂っています。

 その感覚から捉えれば、ギャバンも際だった魅力を持つ「ゲスト」であり、水木一郎さんもしかり。つまり、メサイアのシャットダウンが本当に「ゴーバスターズ」のクライマックスだったと言えるようです。