スウグ

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

 サンヨの引き摺る棺の中に眠っていた、幻獣キメラ拳の使い手。

 常に獣人態を保っており、白虎と金色のコウモリがアンバランスに融合した姿をしている。その顔面には黄金の髑髏を思わせる口吻が覗く。

 スウグに心はなく、喋ることも出来ない。その体内には激獣タイガー拳・ダンの白虎の激気魂が宿っており、ダンの動きを踏襲した拳法を繰り出す。

 ダンの心は持たないものの、激気魂はダンそのものであるため、ダンが生前とっていた行動がそのままスウグの行動に反映される。また、純粋激気魂を従えることができるのは、幻獣王のみだとされる。ダンの墓から激気魂を取り出したロンの力によって、スウグは形作られているが、激気魂が幻気を上回ったとき、ダンの意志がわずかながら表出する。

 激獣拳使いの親子が触れ合った時には、身体に親子の絆の印が刻まれるとされ、事実ジャンがスウグに触れた時、ジャンの胸に虎の爪痕のような傷が刻まれた。

幻獣キメラ拳

 幻獣キメラに学び、キメラの力を身に付ける幻獣拳。基本的な拳法のスタイルは激獣タイガー拳(ダン)を踏襲。複数の獣のハイブリッドであるキメラの如く、あらゆる獣拳の技を繰り出すことも可能。

体油包
 臨獣トード拳・マガのリンギ。
紅蓮朱鞭脚
 臨獣スコーピオン拳・ソリサのリンギ。
泥州胴折り
 臨獣クロコダイル拳・ニワのリンギ。
解説

 長い間謎とされてきた、理央の勝てなかった相手である「白虎の男」が、遂にこのような形で登場。しかもジャンの父親・ダンであるという衝撃の展開も抱える。心を持たない気だけの存在という難解な設定ながら、その屍のようなスタイルで説得力を喚起される。

 「スウグ(騶虞)」とは中国における幻獣の名であり、白虎に似た「騎獣」即ち「乗り物となる獣」である。一方でキメラは西洋の怪物であり、複数の獣のハイブリッド体として表現される。

 四幻将の中ではかなり奇怪な姿をしており、金色の部分と白虎を思わせる部分が非対称に配置されている。キメラというモチーフならではの異様さに迫力がある。