久津ケン

 スクラッチ・マイスターズを営む久津家の長男。マスター・シャーフー曰く「ゲキレンジャーの隠し玉」で、ランやレツが修行を始める前から、マスター・シャーフーの弟子として修行していた。

 激気を研ぎ澄まし、ダイアモンド以上の堅さを持つ刃に練り上げることのできる「激気研鑽」が可能な激獣拳随一の天才であり、マスター・シャーフーによって獣源郷に派遣され、修行を積んでいた。母親を幼い頃に亡くしており、その寂しさを激獣拳にうち込むことで解消したという。

 獣源郷での修行を終えた後、半月ほどふらついて帰ってくるなど、その性格は自由奔放でいい加減な上、お調子者。大好物のメンチカツのことになると、周囲の迷惑を考えずに行動してしまう。その性格故に、シャーフーや美希から、ゲキレンジャーへの加入は「賭け」だと言われていた。だが、「女の子の涙は嬉し涙以外、この世から無くすのが夢」と語るロマンチストの面も併せ持つ。

 獣拳創始者ブルーサ・イーと同じ激獣ライノセラス拳を学ぶ者として、シャーフーに操獣刀を預けられていたが、獣源郷での修行に疲れたとき、骨董品の買い付けに来ていた老婆・含韻にそれを売ってしまい、10万円の対価を得て豪遊した。

 「気合」で何事も解決する傾向があるが、その「気合」で過激気を発揮するなど、いい加減さ以上に天才振りが際立つ。

 戦いの後は、スクラッチ・マイスターズの跡取りとしての自覚が出てきたのか、工場に立って機器のメンテナンスをし始めている。ただし、やる気は中途半端で手つきは不器用そのものだ。エレハン共々、幸子に怒られる始末。(演:聡太郎)

ゲキワザ
激気研鑽
 激気をダイアモンドのように硬く練り込み、鋭く研ぎ澄ませるゲキワザ。拳聖ですら一人も習得している者はおらず、激獣拳の使い手の中で唯一ケンのみが使える。
解説

 ゴウに続いて登場した5人目のゲキレンジャー。4人目と5人目が間髪入れず連続で登場することは、異例と言える。また、過激気や紫激気が登場した後に、普通の激気しか持ち合わせないという設定が、これまた驚きを喚起する。しかしながら、激気の使い方自体に天賦の際があるということで、特殊性を際立たせるところに、拳法をモチーフとした今作の深みが感じられて面白い。

 「久津ケン」は「必殺拳」からのネーミングであると思われるが、「Let's run, jump, and go」の一連のネーミングからは外れており、隠し玉故の特殊性がここにも現れている。

 蛇足だが、無精髭を生やした戦隊ヒーローは、彼が始めてではないだろうか。