ジャンは理央に立ち向かうが、理央と五毒拳に嬲り者にされてしまった。…が、それはジャンの悪夢だった。「ウジャウジャ」感-不安感-が募り、焦るジャン。それを克服するため、ランの所へ行けとマスター・シャーフーは言う。ジャンが訪れてみると、ランは落ちてくる葉を、猛スピードでキャッチする修行をしていた。
その頃、街でカデムが暴れまわっており、気配を感じたジャンは、ラン、レツと共に街へ出た。しかし、ジャンは不安に苛まれ戦いに集中できない。ジャンをかばってレツがカデムの害毒拳に倒れ、唯一まともに戦えるのはランのみとなった。カデムは制限時間内の打撃数勝負「千拳万打」で決着をつけようとランを誘う。ランはそれに乗るが、1発差でカデムに負けてしまう。しかし、カデムは頭巾を風に飛ばされそうになり、何故かその場を退散した。
拳魔の更なる声を聴くことの出来る「真毒」を、五毒拳の内の誰かが持っていると言う理央。メレは真毒の使い手を見つけ出すと意気込む。
美希は、不安を募らせるジャンに、不安とどう付き合っていくかが大事だと語る。ランはひたすら「葉っぱ掴み」で修行した。ランの修行を見に来たジャンに、ランは今の自分を信じて、今やるべきことをやっていると告げる。「突きこそ基本、魂込めて」そうやってランもスランプを克服してきたのだ。
ランとカデムの一騎打ちが始まった。ランの拳はわずかにカデムを上回っていた。カデムとは異なり、ランはスピードだけでなく、正確さを重視した突きを繰り出していたのだ。
カデムは頭巾を脱いで巨大化する。ゲキトージャで迎撃する3人は、見事カデムを倒した。カデムは「真毒」の使い手ではなかった。
- 監督
- 竹本昇
- 脚本
- 横手美智子
冒頭にジャンの不安を配し、それを克服するストーリーになるのかと思いきや、その部分は縦糸にならず、あくまでランが主役のエピソードとして成立している。
心技体の「心」を司るラン。その「心」という表面に現しにくい部分を、「根性」「忍耐」といったキーワードでウマく表現。戦闘での属性は「スピード」とされているが、その要素もウマくまとめられていて小気味良い。
そのランの修行は、落ち葉の高速キャッチというもの。目にも留まらぬ速さで落ち葉をキャッチする様子は、マンガ的で楽しい。中盤で桜の花びらをキャッチする修行に移行するが、このような季節の移り変わりを如実に現すシーンが、いかにも「カンフーモノ」といった風情を醸しだしていて面白い。
また、ランの過去が描かれているのもポイント。「根性」「忍耐」が身上のランにも、焦っていた時代があったという部分に、視聴者はシンパシーを感じることができる。蛇足だが、「辞表」が映った時点で、ゲキレンジャーもスクラッチの社員であることを思い出させてくれる。
一方、臨獣殿側でスピード勝負を身上とするのが、五毒拳の一人・カデムである。五毒拳の中の一人が、臨獣拳最悪の毒「真毒」を有しているという設定も加わり、今後も今回のように一人ずつ登場してくるものと推測される。
ランとカデムのスピード対決は、実に楽しい趣向で表現されている。互いの一手一手が互いの一手一手を封じる高速拳対決。「千拳万打」と呼ばれる、突き数を競うユニークな対決。どれをとっても戦隊ならではの、荒唐無稽かつケレン味溢れる作風を味わえて楽しい。
巨大戦では、カデムの頭部が百足と化す衝撃映像を披露。臨獣拳のおぞましさを端的に示した名場面だ。単なるモチーフ拳士に留まらず、このような趣向を凝らした表現には、非常に好感が持てる。
天地人
なぜ、五毒拳が5人じゃなくて、一人ずつでてくるのか説明はなし(笑)先週あれだけ、マスター・シャーフーに五毒拳の恐ろしさを言わせていたのに、スピードでランに負けるとは。早くも強さのインフレ現象が(おい)
マスター・シャーフーが、ランに激獣拳習得の条件として、落ち葉を落とさずに10枚続けて取れなんて言ったら、まんま「はじめの一歩」になるトコでしたね。