マスター・シャーフーは、「倍倍分身拳」により巨大マキリカを受け流し、遠方の山まで吹き飛ばした。倍倍分身拳を習得したい3人だが、マスター・シャーフーは無理だと言う。それでも食い下がる3人に対し、マスター・シャーフーは「ジャンにビーストアーツを教えること」が倍倍分身拳習得への道だとする。
地道なトレーニングに飽きたジャンは、ゲキヌンチャクに興味を持ち、持ち出してしまう。ジャンに呆れるレツを、ラーメン屋へと連れ出した美希は「激獣拳を好きになってもらうこと」が大事だと言う。美希のアドバイスを受けたレツが、ゲキヌンチャクの使い方を示すと、ジャンは瞬く間にマスターしてしまった。ジャンは激獣拳が「ワキワキ(好き、楽しい)」になった。
一方、マキリカはダムを決壊させる計画を立てており、メレに力を与えられて実行に移した。街は洪水に見舞われ、巨大マキリカは人々の悲鳴を糧としている。メレやリンシーズも出現し、3人はゲキレンジャーに変身してバトル開始。リンシーズは撃破したものの、巨大マキリカの前に成すすべもない。マスター・シャーフーは「心技体」のトライアングルで倍倍分身拳を使うよう促す。「ゲキワザ・獣拳合体」の誕生だ。
ゲキビーストを出現させ、ゲキトージャへと合体させた3人は、ゲキトージャの内部で息を合わせる。巨大マキリカとの一進一退の攻防の末、ゲキトージャは遂に巨大マキリカを倒した。
「俺の求める強さには、まだ足りぬ」理央が呟く。ジャンは身元が判明するまで、スクラッチ・特別開発室所属のアスリートということになった。
- 監督
- 中澤祥次郎
- 脚本
- 横手美智子
誕生編に続く、結束編。戦隊ではお約束のパターンで、古くは「電子戦隊デンジマン」から、連綿とパターン継承が成されている。
プロットはごくシンプルながら、シンプルなりに結束の過程が爽やかかつ簡素に描かれ、キャラクターそれぞれの個性が生かされた形になっているのは、さすが戦隊といったところ。前回で消化しきれない数々の設定を次々と見せる段取りの良さも抜群だ。特にジャンが「アンブレイカブル・ボディ」と名乗る(!)予定調和の潔さは、もう爽快そのもの。
今回はゲキトンファーやゲキヌンチャクといった、武器を用いた立ち回りを堪能できる。特にロングバトンは武術演舞のエッセンスを多分に取り入れたもので、まさに面目躍如。
素顔の3人のセンスも良く、ヌンチャクさばきにその片鱗を見ることが出来る。戦隊はアクション畑の俳優を除けば、1年間を通してアクションが巧くなっていくのを見るという醍醐味がある。この点の期待度は非常に高い。
ゲキトージャは、数ある戦隊ロボの中でも格闘向きにデザインされている。特に股関節の柔軟性は群を抜いており、「格闘ロボ」としての完成度は非常に高い。変形パターンは異様なまでにシンプルだが、アクション性を考えた上でのことだろう。
初登場の「心技体」のキーワードは、これから重視されていくものと想像出来る。ラン=心、レツ=技、ジャン=体という図式がステレオタイプに描かれているのは実に楽しい。3人戦隊ならではのカラーを存分に発揮していると言えるのではないだろうか。
美希の行き付け(?)のラーメン屋は、「百烈軒」という屋号。勿論、元ネタは「北斗の拳」の「百烈拳」だろう。こういう遊びもまた、実に楽しい。
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