遂にテレビシリーズの最終回を迎えた「ディケイド」。2クール余りという珍しいシーズン展開に加え、平成ライダー総登場+αというお祭り要素を全面的に推進した「ディケイド」は、前代未聞の高密度を誇るシリーズとなりました。
しかし、高密度で話題作ともなれば、様々な戦略が絡んでくるのも自明。夏の劇場版の大ヒットにも裏打ちされたことにより、テレビシリーズがある程度の犠牲を払わなければならなくなったことは、想像に難くありません。
この辺りについては、最後にまとめて述べたいと思います。
そして、今回はストーリーを追っていく過程に解説的な文言を挿入するのではなく、ストーリーはあくまでストーリーを追い、最後にまとめて解説的な文章を記したいと思います。というのも、この最終話自体が、冬に公開予定の劇場版に向けての、壮大な序章になっている為、解説を挟むと分かりにくくなると考えたからです。
それでは、最終話の名場面集(?)と解説をどうぞ。
アポロガイストとの戦いを展開するライダー達。しかし、ファンガイアの力を手に入れたアポロガイストは強く、アポロガイストのマグナムショットで変身が解けてしまいます。その場に倒れ込む士、ユウスケ、海東、ワタル。
「ディケイドの命を授かったというこの女を我が花嫁にし、貴様との決着を付けてやるのだ!」
アポロガイストは夏海を拿捕し、そのまま連れ去ってしまうのでした。
夏海をいち早く助けなければと焦る士。しかし、士はそれでも冷静さを完全に欠いたわけではなく、何故カズマが消えてしまったのかという疑問を口にする余裕を残していました。
ワタルは士に、アポロガイストによる世界の融合が進んだからではないかと答えるのですが、そこに剣崎一真が現れます。
「違うな。アポロガイストは世界の融合をさらに加速させていたに過ぎない。カズマが消えたのは、士、お前の所為だ」
「何だと?」
「本当に世界を救いたいなら、この世界からディケイドを排除するしかない」
一真はさらに続けます。
「そもそも世界が融合を始めたのは、ディケイドが誕生したからなんだ。この世界から出て行け」
このぶっきらぼうかつ冷酷な言い草に、士は、
「随分と、勝手なことを言ってくれるな。何なんだ?」
と反発します。
すると、一真はここで突如、
「俺は剣崎一真」
と名乗ります。
「一真?」
「またの名を、仮面ライダーブレイド」
取り出したのはブレイバックル!一真はそのままクールに「変身」と言い放つと、ブレイド・キングフォームに直接変身を果たします。
士も直ちにディケイドに変身して応戦しますが、ブレイド・キングフォームの強大な戦闘力に太刀打ち出来ない状態が続きます。
見かねたユウスケとワタルは、士に加勢しようとしますが、そこにアスムが現れ、ユウスケとワタルを制止します。
「ディケイドに手を貸せば、カズマさん達のように消えてしまいます!それでもいいんですか?」
一真は前回アスムの前に現れており、アスムを既に説得していたようです。
加勢の得られなかった士は、一真=ブレイド・キングフォームに惨敗するのでした。
士の敗北を目の当たりにしても、アスムの言葉が効いて一切手出し出来ず、傍観するしかないユウスケ達。
その後、夏海を拘束したアポロガイストは、ディケイドとの戦いに備えるべく軍備を増強。ライフエナジーによって、各世界のボスキャラを蘇らせていきます。
一方、栄次郎が写真をめくっていると、光写真館に満身創痍の士が帰って来ます。
その後、栄次郎の手当てによってほぼ回復した士が起き上がると、栄次郎の見ていたアルバムに綴じられた写真から、カズマが、そしてブレイドの世界が消えていくのを目の当たりにします。他の世界も、次々と消えて行きます。
「俺達の廻った世界は全て消え去るということか...。だとしたら...だとしたら、俺達の旅は一体何だったんだ!」
珍しく声を荒げて悔しがる士。
そんな士に栄次郎は、
「いや、どんな旅にも無駄はないよ。どんな人生にも無駄がないのと同じようにね」
と優しく声をかけ、夏海のいい表情を捉えた写真を指します。
「こんな表情を見せるようになったのも、士君達、仲間との旅のおかげだ」
と微笑む栄次郎。栄次郎は士に、
「士君、頼む。夏海を何としても救ってくれ」
と頼みます。
「当然だ。あんたも同じ旅の仲間だからな」
と答える士。栄次郎はただ一言、
「ありがとう」
と感慨を伴う礼を述べるのでした。そこにキバーラがやって来て、「お客様がお待ちかね」と言い、士をある場所へといざないます。そこには、アスムとワタルが待っていました。二人は、士にこの世界から出て言って欲しいと懇願します。さらに一真も現れ、士にこの世界から出て行けと詰め寄ります。しかし士は、
「俺は消えない。俺が世界そのものだからな」
と反発。一真は、
「強がるな。お前の気持ちは分かっている。夏海という子を救いたいんだろ?だが、お前が夏海を助けたとしても、その夏海さえも消えさるかも知れないんだぞ」
と更に追い討ちをかけます。
「どうかな」
と士。
「口で言っても分からないんなら」
と言う一真に促され、ワタルとアスムは変身。士に攻撃を加え始めます。ところが、士は変身はおろか抵抗の意思すら見せません。その様子を見かねたユウスケはクウガに変身し、士の逃走契機をつくります。
「まだディケイドの味方をするのか」
一真はユウスケの「愚行」を断じます。
「夏海ちゃんは、俺にとって大切な仲間なんだ。だからせめて、夏海ちゃんを助けるまでは」
「その後はどうなる?お前が居たクウガの世界が消えてもいいのか。お前の世界に居た仲間を見殺しに出来るのか!?」
「それは!...それは...」
「士は世界を見捨てた。こうなったら我々の力で消し去るのみ」
一真の冷酷な宣言に反論の余地のないユウスケ。アスムとワタルも苦い表情を浮かべています。
一真達の元から離脱した士は、大ショッカーの本拠地の近くに現れます。
そこに海東も現れ、
「士、夏メロンはこっちじゃない」
と士を制止します。
「夏みかんだ」
という、最近の定番を披露した後、海東は、アポロガイストが一騎討ちを望んでいることを告げ、士に決闘状を渡します。しかし、海東は行くなと警告。
「行けば死ぬことになる」
「俺は全てを破壊する。死ぬのは奴らだ!」
背を向けて決闘へと向かう士にディエンドライバーを向け、突如決闘状を撃ち抜く海東。
「行くなと言っているだろう!」
その眼には涙が浮かんでいます。
「君を倒せるのは、僕だけだ。その最高の宝を、奪われたくない!」
この海東の言葉に、士は、
「もし、もしも俺が死んだら、世界はお前にくれてやる!だが夏海達のことは頼む!...こんなことを頼めるのは、お前だけだ」
と応じるのでした。
士はアポロガイストの前に現れます。夏海は例のドレス姿で拘束されていました。
「約束通り一人で来た!夏海を返せ」
「そうはいかん。この女を花嫁にして、世界にとって、最高に迷惑な奴となるのだ」
夏海は、花嫁としてライフエナジーをアポロガイストに捧げ、アポロガイストの中で生きることを強要されているのです。
ここで士は、カードを投げ付けて夏海を救出!
すると、アポロガイストも各世界のボスキャラを大挙召喚します。
「海東の言ってたとおりだな。一騎討ちが聞いて呆れる!」
「ライダーさえも敵に回したという貴様とは、大違いなのだ」
アポロガイストの攻勢開始を牽制するかのように、士は、
「たとえ世界の全てを敵に回しても、たった一人を守る為に戦う。それが仲間ってもんだ」
と宣言。解説的文言を挟まないと言いましたが、これはカブトの世界における台詞です。
「士君...」
と呟く夏海の素晴らしい表情。
「その女を助けた所で、結局はその女を、いや、その女の世界を破壊するさだめなのだ」
「俺達は仲間だ!だから守る!それだけのことだ」
士にもう迷いなどありません。
しかし、アポロガイストはそんな士を嘲笑します。そこに海東が合流。
「士!僕もお宝の為に戦おう。世界なんてもらってもつまらない。僕達はやっぱり、仲間ってやつかも知れないね」
ユウスケも合流します。
「俺も一緒だ、士!俺は自分の世界と、仲間の命を天秤にかけて、迷っていた。でもそれは間違ってたんだ。たった一人の笑顔を守れないんじゃ、世界中の人を、笑顔になんて出来ない」
「私達は、その事を旅で学んだんです」
と夏海。アポロガイストはなおも、
「黙れ。お前らの旅など、全く無意味な、愚かな行為だったのだ」
と一蹴します。それでも、士の信念が揺らぐことはありません。
「俺達はこれからも旅を続ける。世界の壁を超え、仲間を作る!その旅はやがて、未来を変える」
「何なんだ貴様は!」
「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」
「ディケイド」のレギュラーライダー3人が、トリプル変身を果たします。
そこにワタルとアスムも駆けつけます。
ワタルとアスムは、
「士さんのことは、僕達の処にも届きました」
「僕達も、未来を変える旅に賭けてみます!」
と言い、戦線に加わります。
各ライダーの大攻勢は凄まじく、必殺キックが次々とボスキャラを粉砕して行きます。ところが、アポロガイストのスーパーガイストカッターから士を庇い、ユウスケが倒れてしまいます。
昏倒した(あるいは命を落としてしまった)ユウスケに駆け寄るディケイド。しかし、ユウスケが動くことはありませんでした。その時、海東は1枚のカードを取り出します。ディケイドは、ディエンドから「FINAL ATTACK RIDE」のカードを受け取ります。
ディエンドの「FINAL ATTACK RIDE」。ディケイドは直ちにコンプリートフォームに変身してカードを使用します。
「海東!これが俺とお前の力だ!」
この一撃で、ディケイドとディエンドは遂にアポロガイストを倒すのでした。
「いつか私は、宇宙で最も迷惑な奴として、蘇るんだぁぁっ!」
アポロガイストは最後まで迷惑な奴を自称して果てて行きました。
ところが、アポロガイストを倒すことで果たされる筈だった、世界の融合阻止は叶わず、事態は更に悪化して行きます。その前兆として、夏海の中で、突如悪夢と今居る場所がシンクロします。
その瞬間、響鬼=アスムとキバ=ワタルが消滅!
驚く士の脳裏に響く謎の声。
「ディケイドの存在は、キバと響鬼の世界を消し去ったのです」
突如、士は夜の闇に包まれます。声の主は紅渡でした。渡は、第1話で士に語った言葉を反復した後、
「あなたは、全ての仮面ライダーを破壊しなければならなかった。だが仲間にしてしまった。それは、大きな過ちでした」
と付け加えます。
「どういうことだ」
と訊く士でしたが、渡はそれに答えることなく、
「今から僕の仲間が、あなたの旅を終わらせます」
と言ってキバットバットIII世を召きます。
渡は、キバに変身して、士に襲いかかって来ました。
すると、士はまた突如元の場所に戻って来ます。そこには、平成ライダー達が一堂に介していました。そこへ更に一真が合流。
「ディケイド、お前を倒す」
一真はブレイド・キングフォームに変身します。
「結局こうなるさだめか」
諦念にとらわれた士は、ディケイドに変身して迎え撃ちます。
この様子を見ていた夏海は、このままではあの悪夢と同じになると危惧し、何とかしてユウスケを起こそうとします。そこにキバーラが出現。
「あたしが蘇らせてあげる」
と言ってユウスケの頬を咬み、
「ただし、アルティメットクウガとしてね」
と一言。
目覚めはしたものの、目付きが変わってしまったユウスケは、夏海を払いのけ、ゆっくりと立ち上がります。
ユウスケは、黒い眼のクウガ・アルティメットフォームに変身!
その様子を眺めていた鳴滝は、
「ディケイドが全ての世界を滅ぼす!全ての仮面ライダーを!そして門矢士を滅ぼすのだ!」
と叫んでいます。
「来るなら来い!全てを破壊してやる!」
士は、9人の平成ライダー相手に徹底抗戦を宣言。
その凄絶な乱戦の間に割って入る1人のライダー。それは、ディエンドでした。ディエンドが、
「士!」
と一言発すると同時に、ディエンドライバーがディケイドの顔面に向かって火を吹く!
「ディケイド!」
夏海の叫びが響き渡り、「ディケイド」テレビシリーズは幕となります。
さて、衝撃的な作劇により、評価は真っ二つに分かれるものと想像します。私も努めて冷静に見ていましたが、かなり戸惑いを覚えたことを告白しておきます。特に、「完結」を拒むエンディングはあまりにも突飛で、「まだこの話は続くかも知れません」という生易しいものではなく、はっきりと冬に公開予定の劇場版へ続く構成になっています。そう、正に冒頭に示した通り、これは序章なのです。この点は、テレビシリーズ最終話という冠には全く似つかわしくなく、冒頭にて触れたいわゆる「犠牲」の一つだと考えられます。
「ディケイド」がヒット作になったのは嬉しい事象でした。が、そこに「商売」としての要請が入ったことで、テレビシリーズはやや歪な形になってしまいました。それはこの最終話周辺に色濃く影を落としています。
ただ、ここで釘を刺しておきたいのは、何も「商売」が絶対悪ではないということです。結局、「商売」が絡まない作品は凄まじい低予算に喘ぎ、そのクォリティを落とし、継続すら危ういものとなります。仮面ライダーシリーズをこうして視聴できるのは、制作の面が「商売」の面とギヴ・アンド・テイクの関係を築いているからこそだということに、留意しておく必要があります。
話を元に戻します。ここから先は私の推測が大部分を占めます。熟慮はしましたが、これが正しくジャーナリズムに根差したものではないことを、予めお断りしてきます。つまり、ジャーナリズムに必須の「徹底した取材」が完全に抜け落ちているものであり、テレビシリーズと劇場版の試聴のみで受けた「感想」であることを、充分前提に置かれた上でお読み頂ければと思います。
また、以下の文章には、「夏の劇場版」に関してのネタバレを含んでいますので、ご注意ください。
最終話周辺の歪みとして、最初に挙げられるのは「アマゾンの世界」です。私は「アマゾンの世界」のエピソードの完成度があまりにも低いと感じました。即ちこれは、急場作りが露呈したのではないかと見る事が出来ます。「ネガ世界」あたりから疑問符は付き始めましたが、「アマゾンの世界」はことのほか配慮が行き届いていない印象があり、劇場版のプロモーションとしての側面も非常に弱い。むしろ、劇場版のプロモーションとしての役割は、「南光太郎編」がこの上ないサービス振りを見せることによって果たしていますから、余計に「アマゾンの世界」の弱さが目立ちます。
では、この「アマゾンの世界」は何の為に用意されたか。恐らく、最終話を「冬の劇場版」にシフトさせた為、その分の補填を行う必要性に迫られたが故の、追加エピソードだったのではないかと思います。そして、この最終話シフトが起こってしまった為に、影響を受けたのが「夏の劇場版」です。
「夏の劇場版」は、そもそもテレビシリーズの最終話として制作された節があります。「士の旅にピリオド」といった表現がそれを如実に示しているのですが、更に漏れ聞こえてきた話によれば、仮面ライダーのテレビシリーズを夏に終了させるよう回すことで、夏公開の劇場版を「本当の最終回」として公開することが容易になるということも挙げられるようです。これまで平成ライダーの劇場版は「先行最終回」と銘打ったものが幾つかありましたが、劇場版の意義をもっと深くしようということです。
しかし、「夏の劇場版」が「本当の最終回」になるには、テレビシリーズをこれに連続させる必要があったわけで、テレビシリーズの最終話がそうなっていないのは一目了然。つまり、劇場版は「真の最終回」なのか、例年の平成ライダーの劇場版と同様「パラレル」なのか今一つ判然としない、宙ぶらりんな状態に陥ってしまったのです。これは私が見るに大きなマイナスであったと思います。そのマイナスはテレビシリーズ側にもフィードバックされ、今回の「最終話」が劇場版へと連続することを期待したファンは大きく肩すかしを喰らってしまった形になってしまいました。
では、この終盤はまるっきりダメだったのかというと、そうでもないのです。
冬の劇場版に繋いでいくという戦略は巧いものですし、「ライダー大戦」というキーワードで第1話へと綺麗にリンク(ブレイド・キングフォームには違和感を感じますが)していく様子はなかなか見応えがあります。逆に言えば、夏の劇場版で描かれる「大ショッカーとの決戦」がなければ、殆ど破綻を感じないのです。
以上の事をまとめると、夏の劇場版で大ショッカーとの決戦を描く為に、テレビシリーズに大ショッカーが導入され、夏海の悪夢にある「ライダー大戦」がクライマックスでなくなってしまったのが一つ。冬の劇場版が決定した為、「ライダー大戦」をそこにフォーカスさせたのが二つ。これら「劇場版戦略」に引き裂かれてしまったのが、テレビシリーズだったと言う事が出来そうです。
ここからは、一大予想。独断と偏見のみで構成した文章です。
まず、「夏の劇場版」の位置付け。私が劇場版を実際に視聴した上で思ったのは、これは確かに、時系列上最後に来る物語であること。「これからも旅は続く」という終わり方ではありましたが、いわゆる含みと余韻を持たせた終わり方の常套の範疇を出るものではありませんでした。テレビシリーズでは大ショッカーについて何ら解決しておらず、単にアポロガイストが倒れただけですから、「夏の劇場版」へと続いていくことに全く支障はありません。
問題は、テレビシリーズの最終話と夏の劇場版のミッシングリンク。私はこれを冬の劇場版が担うのではないかと考えます。テレビシリーズの最終話の直後の物語であることが容易に想像できる冬の劇場版では、「ライダー大戦」にピリオドが打たれることは間違いないでしょう。士はそこで「ライダー大戦」を何らかの方法で切り抜け、遂には夏の劇場版の物語へと辿り着くのではないでしょうか。
方々で色々な憶測が飛び交っていますが、私はそれぞれの物語が複雑に絡み合ってサーガを作り出すのではなく、もっと単純なリンクを見せてくれるのではないかと予想しています。それは、前述のように「テレビ」→「冬の劇場版」→「夏の劇場版」という時系列によって語られる物語というだけに過ぎないのではないかということです。
ご本人登場やら鳴滝やらで随分とややこしくなっている「ディケイド」ですが、私は単純に次のような考えを持っています。
鳴滝は「夏の劇場版」では基本的にテレビシリーズと立場を変えていませんが、「冬の劇場版」でその正体が明かされるとしても、立場自体が変わらないのならば、「夏の劇場版」における振舞いも充分に成立します。よって、「夏の劇場版」は、時系列的に鳴滝の正体が夏海達に明かされた後であっても問題ありません。
ご本人登場は、大ショッカーの話とはほぼ無関係です。そもそも、「夏の劇場版」では、士があらゆる世界を渡り歩いたことによって、各々の世界へのルートが出来たのだとされており、それを大ショッカーが利用したに過ぎません。というより、士はあまり世界征服に興味のない大ショッカー大首領であり、事実上「ナンバー2」であるシャドームーンの裏切りによって、大ショッカーが各世界を蹂躙しはじめたことになっています。
その意味でご本人登場は、「ディケイド」のもう一つのラインである、「ライダー大戦」を実現させる為に出現しただけだと私は思います。物語の落とし処を探る為に、様々な設定は付け加えられるでしょうが、元々「ディケイド」は無数にパラレルワールドが存在するという設定の上に成立しているので、本当の平成ライダーの世界があってもいいのです。
この最終話で投げかけられた謎の多くが、冬の劇場版でとりあえず物語的に収拾されることを願っていますが、これに関してあれこれ予想することはやめようと思います。その代わり、剣崎一真と紅渡に込められたテーマに考えを巡らせてみようと思います。
剣崎一真と紅渡に込められたテーマ。それは、「ディケイド」に登場したパラレルワールドは、自分達の主演作とは違うということです。渡の「破壊しなければならなかった」という言葉が意味するのは、パラレルライダー達がディケイドの仲間として生き残るということは、「ディケイド」という物語においての平成ライダーが彼らになってしまうということを、避けなければならないということ、それに尽きます。要するに、剣崎一真と紅渡の登場は、平成ライダーの主役達の復権。だから、次々とパラレルワールドが消滅していき、「偽イクサ」、「偽サガ」、「偽レンゲル」、「偽轟鬼」、そして、本当は鬼になる筈のないアキラが変身した「天鬼」も一瞬で退場させられたのです。
「ライダー大戦」の真の意味、それは、「ディケイドの物語の世界」 VS 「平成ライダー個々作の世界」でした。
それを何らかの形で「冬の劇場版」にて終わらせ、その後「夏の劇場版」で「最新作(ディケイド)に手を貸す歴代ライダー」 VS 「最初の悪の秘密結社の元に集結した歴代組織」が展開されると考えれば、何ともスッキリするではありませんか。やっぱり仮面ライダーは互いに争うのではなく、「正義の味方」なのだということを、今一度確認する作業だという、壮大な落とし処が見えてくる気がします。
その意味において、ライダー同士が色々な形で戦ってきた「平成ライダー」に、一つの区切りを付けるという点で、かなり象徴的だと思うのは、私だけでしょうか。
といったところで、「ディケイド」のテレビシリーズ終了と共に、当ブログもとりあえず一旦終了といたします。
本当は次回作の「W」に関してもブログを立ち上げたかったのですが、しばらく「シンケンジャー」一本で楽に行こうと考えており、「W」には手を出しません(初回は素晴らしく面白かったので、やや残念ですが...)。
では、冬の劇場版を期待して...。
ありがとうございました。
もー
最終回までの感想、お疲れ様でした!
毎週とても楽しみで、Wも実は期待していましたが、あんなにきちんとした感想や分析を週に2本も書くのは大変ですよね・・・
シンケンジャーの感想も毎週とても楽しみにしているので、これからも宜しくお願い致します!
かきなし
初めてコメントさせていただきます。
かきなしと申します。
毎回、感想楽しみでした。
ディケイドの最終話、私はちゃんと完結させてほしかったのですが、今となっては、冬の劇場版を見に行きたいなと思っています。
主演の井上正大くんの演技は最初違和感があったんですが、物語が進むうちにどんどん成長が見られたのが印象的です。
ディケイドドラマは終わってしまいましたが、冬にまた会えるのを楽しみにしています。
シンケンジャーのブログも楽しみに見ています。
まとまりのない文章ですみません。
では失礼します。