ダークライダー編の後編。前回断片的に示された要素が、一気に一つへまとまっていきます。
この世界はダークキバを初めとするライダー達によって管理された、「人間が生きるべきでない世界」とされています。このことに関しては、オルタナティブの扱いがやや中途半端だったことで、「ライダー達」というのがリュウガやオーガ、ダークカブトを含んでのことなのかが、イマイチ不明瞭になってしまっています。また、最終的に音也はディケイドによって倒されることなく、1人立ち去って行くことから、士が関わったにしろ、この世界の構造が変わることもなかったわけで、すっきり感もやや薄くなっています。
なお、しきりとこの世界が「士が生きるべき世界」だと強調されますが、これはいわゆる罠なのか、それとも、本当に士にはダークライダー的な資質があり、ディケイド自身ダークライダーという称号が相応しいライダーなのか、という問い掛けがなされます。ブラックをベースにまとめられたコンプリートフォームは、ある意味ダーク系のライダーっぽいとも言えますが、この時点でははっきりとしたことは分かりません。
そのコンプリートフォームですが、誰もが驚くデザインであることに異論はないでしょう。頭部と胸部にカードをずらり並べるという方法論は、インパクトがありすぎて本当の所「カッコ悪い」と思います。サブタイトルに「完全ライダー図鑑」とありますが、非常に的を射ていて、一流の皮肉なのかと勘ぐってしまいますが、実際動くところを見ると結構カッコ良く、特有の「恐ろしさ」があります。変身やライダーをシンクロさせるアクション等にも深い工夫が見られ、見た目のインパクトに負けない印象を与えることに成功しています。
コンプリートフォームの鍵となる「ケータッチ」に関しては、完全に説明不足になっており、何故この世界にあったのか、何故音也が士に手渡そうとしていたのか、何故千夏が奪って逃げたのか、殆ど説明されていません。ただし、「TGクラブの幻」たる千夏と絡めて描かれた「お宝」としての存在感は充分で、単純なパワーアップ劇に留まらない、「ちょっと何か引っ掛かる」感じの雰囲気は、井上脚本ならではの魅力だと思います。
では、今回も見所を整理してみました。
冒頭は士と音也の会話。前回の「腕試し」において、音也には士に対する敵意がなかったのを示すように、実に自然体で士に接しています。
「結局、この世界は救われていなかったということか?...いや、それとも...」
という士に対して、音也は嘲笑を以って応えます。
「この世界が救われる必要などない。それに、お前はここに住むのに相応しい人間だ。やがてお前は我々の宝を受け継ぐことになるだろう」
「気に入らないな。人の人生を勝手に決めるな」
ここで音也は立ち去ってしまいます。物陰でその様子を伺っていた海東が、
「間違ってるよなぁ、あの男」
と士に言います。「人生を勝手に決めるな」という士の言に同調するかのようですが、
「お宝受継ぐのなら、この僕しかいないのに」
と、やっぱりいつもの海東であり、ニヤリとさせられます。士は海東の発言などどうでもいいのか、逆に海東に質問を投げかけます。
「お前、この世界をどう思う?」
「お宝さえあれば、僕にとってはいい所さ。だが、これだけは言える。ここは、ネガの世界だ」
「ネガ?」
海東は、士よりもずっと前から「通りすがりの仮面ライダー」であり、この世界のことも、かなりのレベルで把握しているように見受けられます。そして、今回のカギとなる「ネガ」の言葉を、いきなり冒頭から登場させることで強い印象を与えています。
ちなみに、オープニングのナレーションは、マイナーチェンジが施され、
「世界の破壊者・ディケイド。幾つもの世界を巡り、その瞳は何を見る...」
になっていました。「9つの」が「幾つもの」に変わったわけです。
さて、お見合いから逃走してきたユウスケは、女性3人が化け物になったと騒ぎ立てます。士は捲くし立てるユウスケをやや煩いと感じている様子。
そこに突如、芸能プロダクションのスカウトが現れ、士を「(ダイアモンドの)ブリリアントカット」「10年に一度の逸材」と称し、士をその気にさせます。しかしながら、この時点で士はこの世界の奇妙さに既に気付いており、スカウトに乗りつつも実は冷静。夏海に電話し、危険を知らせようとします。
ところが、青柳達がやって来て電話は切られてしまいます。夏海は青柳達を信頼しきっていますから、電話を一度取り上げられるようなことがあっても、特に疑うことも憤ることもありません。しかも、千夏にもうすぐ会えるということを聞き、実に嬉しそうな表情です。
ここで場面はTGクラブの思い出に。
千夏加入の条件として、青柳は学校の校門にある銘板を取って来るよう告げます。やや躊躇の表情を見せる千夏でしたが、その夜、千夏は銘板を取り外そうと1人奮闘するのでした。物陰から応援していた夏海も、千夏が手を滑らせた所を見てとうとう手を貸し始め、結局他のメンバーも集合して全員で銘板取り外しにかかるのでした。
「青い時代の過ち」といったところでしょうか。銘板自体が外れないという結果が前提のシーンではありますが、立派な器物破損未遂ですから、やや美化し過ぎているきらいはありますねぇ...。これまでのディケイドのエピソードとはかなり方向性が違い、井上脚本のカラーが強く出ていると私は思います。
結局、警備員に見つかって逃走し、銘板取り外しは果たせぬまま。息を弾ませながら、TGクラブの面々は心境を吐露し合うのでした。
「何か俺達、バカみたいだな」
「退学クラブとか言っても、結局、退学が怖いんですね、僕達」
「甘えていただけかも知れませんね。人生が退屈とか、学校がつまらないとか。それって結局、自分達がつまらない人間だから...」
「何だか、気が済んだな」
「もうやめようよ、TGクラブなんて」
う~ん、安易だけど尺を考えればこのくらい駆け足でも仕方ないでしょう。しかし、TGクラブ自体の存在意義がこれで一段と薄弱になってしまったように思うのは、私だけでしょうか?
青柳は、TGクラブ最後の儀式を宣言。それは、それぞれの思い出を詰めた「TGクラブ バイバイ」と書かれた缶ケースを埋めるというものでした。
これの中身は、結論から言ってしまえば「本当の夏海の世界」での出来事ですから、劇中では明かされることはありません。ただ、TGクラブの性質からして、恐らく大した物は入っていないものと推測出来ます。面白いのは、夏海が手にしているTGクラブのアルバム。実際、TGクラブの終焉を決定付けるならば、このアルバムも封印してしまうような気がしますけど、夏海が持っていたことから察するに、夏海の大切な思い出に占めるTGクラブの割合が、いかに大きなものかが分かろうというものです。勿論、劇中における重要な小道具としての役割という側面が最も強いものと思われますが。
TGクラブの面々は、明日から学校に行くことに。この発言から、彼等が学校にしばらく行っていないことが伺われます。「結構サボった」ことを心配する一同。ところが、そこに田中先生が現れ、
「安心しなさい。君達は学校を休んでいない。これは授業だったんだよ。君達自身による、君達の特別授業。ちゃんと出席扱いにしているよ。いい勉強したね。100点満点だよ、君達は」
と告げます。
この夏海、とっても可愛いのですが、手書き風の効果があざとくてちょっと笑えません。また、田中先生の発言もリアリティに欠け、いわゆるステロタイプな「いい先生」ではあるのですが、何だかなぁ...。一応、殆どTGクラブのメンバーと化していたので、彼等を咎めることが出来ないのは分かります。田中先生役の北山雅康さんの演技は、その辺のリアリティの欠如がよく分かった状態で行われており、「TGクラブ=青い想い出」のシンボライズとしては効いていると思います。
そして、卒業後の再会を約束する夏海。時期が卒業間近だったのかは不明瞭ですが、そんな雰囲気が漂ってはいます。
回想は終了し、シーンは現在へ。夏海は「宝物」を埋めた場所に行ってみようと提案します。早速一同はその場所へと向かうのですが、そこにはいつの間にか新しい建物が建っており、夏海は愕然とします。なお、青柳達はこの状況を把握していたようで、建物が立つ前に千夏が宝物を掘り出して、別の場所に埋めたといいます。つまり、宝物の場所は千夏だけが知っている...ということになっているのです。
一方その頃、士はグラビアの撮影中。この世界の奇妙さに気付いていたユウスケは、
「いい加減にしろよ士。どうかしてるぞ、お前」
と無理やり撮影を中止させようとしますが、結局、ユウスケもカメラマンに「なかなかいい」と評され、調子に乗って撮影に加わるのでした。
ユウスケが完全にギャグキャラです...。忘れてはいけません。彼は仮面ライダークウガなのです。もう忘れそうですが(笑)。
またまたシーンはスイッチ。今度は夏海を捉えます。
夏海を密かに尾行していた田中先生は突如オルタナティブに変身し、夏海を襲おうとします。そこを音也が遮り、夏海は気付かずに歩いていくという構図。
「お前の仕事はあの娘を監視すること。襲ってどうする」
「あの女、いつまで生かしておくつもりだ。人間を生かしておくことは、この世界のルールに反する」
「いいか、もう一つのルールをよく思い出せ。お前達は俺達ライダーが管理しているってことをな」
音也はダークキバに変身し、
「さぁお仕置きだ。いい子にするんだ」
とオルタナティブに制裁を加えます。
これにより、オルタナティブはあくまでオリジナル通り「擬似ライダー」扱いであり、この世界ではダークライダーよりも格下であることが分かります。また、はっきりと「夏海を監視する」というオルタナティブの行動目的が示され、夏海に対するダークライダーの関わりが、徐々に明らかになっていきます。音也の、やや誇張された言い回しのエレガントさは、彼の不気味さを増幅していますね。
知らない内に難を逃れた夏海は、「門矢士ファースト写真集『通りすがり』」というCMを見て驚きます。ふと目をやると、早くも大人気となりファンに囲まれる士の姿が。
夏海に気付いた士が、
「よぉ、夏みかん」
と声をかけると、ファンの中の2人が夏海をジッと睨み付けます。
その後、士はファン達を巻いたらしく、夏海と2人っきりになります。
「ここはお前が居るべき世界じゃない。お前が居た世界とそっくりだが、全く別の世界だ」
「そんなことないです。友達もちゃんと居ました」
「気を付けた方がいいぞ。その友達とやらも」
「いい加減にして下さい。士君は単にヤキモチを焼いてるだけです。私だけが自分の世界に帰ってこれて。士君は自分の世界を見つけられなかったから」
「馬鹿なこと言うな」
「やっぱり、鳴滝さんの言う通りですね。鳴滝さん言ってました。士君がこの世界を壊すって。ようやく帰って来たんですから、もう余計なおせっかいしないで下さい」
夏海はここが自分の世界であると頑なに信じきっており、いかに音也たちの策略が巧妙であったかを示します。ただ、士の中の優しさを常に信じ続けてきた夏海にしては、この発言はやや唐突に映り、あまつさえ鳴滝を信用してしまうというのは、ちょっとシリーズ構成上問題があるように思いますが...。
士の元から立ち去った夏海は、さっき睨みを利かせてきた士のファンに警告を受けます。その2人のファンに怪物の姿がダブり、驚く夏海。懸命に逃げてきた夏海は、TGクラブのアルバムを見て自分を必死に納得させるのでした。
士に自分の世界であるという頑なな主張を展開した後、すぐさまそれが崩れ去るような状況におかれるテンポ感はなかなかのものです。さらに、畳み掛けるように夏海の内にあるこの世界への妄信が崩されます。
そう、夏海にそっくりの女「ネガ夏海」が現れるのです。
「ここはあなたの世界じゃない。ここは影の世界なの。あなたの住んでた世界の裏側の世界。写真に、ポジとネガがあるように」
ネガ夏海の説明によれば、TGクラブに関する数々の事項は捏造であり、TGクラブなどこの世界には存在しなかったといいます。この世界では、人間が存在することは許されないというルールがあり、人間狩りの果てに生き残ったこの世界の夏海達は、TGクラブの「秘密基地」にあたる場所を隠れ家にしたのでした。
そして、かつて「秘密基地」はダークライダー達によって襲撃され、今の青柳達はダークライダー達がすり変わったものなのです。
「この世界ではダークライダーが怪人達を管理しているの」
というネガ夏海。物陰から様子を伺う士は二人の夏海に向けてシャッターを切ります。夏海を心配して、さり気なく付いてきたと思われる士の行動がいいですね。
まだ信じられない夏海は、千夏が生きていると根拠のない主張を始めますが、
「千夏は、死んだわ。奴等の大切な宝物を、命がけで奪って」
とネガ夏海は一蹴します。音也の言う「お宝」であるケータッチを、千夏は彼らの手から奪い、そして(ネガ)夏海に託して絶命したという、壮絶な回想シーンが挿入されます。
そして、なおも事実を受け入れることの出来ない夏海の持つTGクラブのアルバムの写真が、ダークライダー襲撃の場面へと変化!
そこに青柳達が現れ、「騙されるな」という言葉に夏海は安堵しますが、それも束の間。夏海は佐藤に捕らえられ、青柳は、
「お前は餌だったんだよ。この女を誘き寄せるためのな」
と夏海に衝撃の言葉を投げかけるのでした。
夏海を人質に取られてしまったネガ夏海は、「お宝」の場所への案内を促されます。電柱には「TG」の印が。ネガ世界の住人は、何故か「ポジ世界」の実情を知っているようで、ネガ夏海も「TGクラブ」のことを存在しないにも関わらず知っていました。もしかすると、ポジ世界の「TGクラブ」を意識して、「TG」の文字を目印にしたのかも知れません。まぁ、単なるビジュアルインパクトを狙ったものとも言えそうですが。
ネガ夏海は「お宝」であるケータッチを掘り出し、青柳達に見せますが、音也は素早くそれをネガ夏海の手から奪い、
「ようやく最高の宝が我々の手に戻った。ご苦労だった」
と青柳達を労います。続いて、
「そしてこの宝を受け継ぐ者は...出て来い、士」
と、ケータッチを士に手渡そうとします。
「これはお前のものだ。お前は最高のライダーとしてこの世界で生きるんだ。お前は、影の世界の住人だ」
この主張で行くと、士こそが、ダークライダーの長としてネガ世界を支配するに相応しい人物であるとされています。これが何を意味するのか。これ以上旅を続けさせない為のトラップなのか、それとも、士が音也の主張の字義通りの存在なのか。色々な謎かけになっていて興味を惹かれます。士が、
「なるほど。確かに、色々と楽しかったが...」
と呟いたところで、突如紙飛行機が乱舞し、隙を見て海東が音也からケータッチを奪います。海東も大したお宝だと認めますが、怒った音也はダークキバに変身。海東もディエンドに変身して迎え撃ちます。
佐藤、青柳、坂田も、それぞれリュウガ、ダークカブト、オーガに変身してディエンドを襲撃します。
音也が「手加減は要らない」と言っており、容赦ない攻勢が海東を襲います。その攻勢の中、海東の持つケータッチが弾かれ、夏海の手に収まります。
音也は、
「この世界で生きろ、士。お前の旅は終わったんだ。このネガの世界でなら何でも好きな物を与えよう。あらゆる快楽を、幸福を!」
と士に対する誘惑の手を緩めません。
しかし、士は、
「違うな。人は誰でも自分の居るべき世界を探している。そこは偽りのない、陽のあたる場所。そこへ行く為に人は旅を続ける。そして旅を恐れない。そうだよな、夏みかん」
と反論。
「士君...」
「その旅を汚したり、利用したりする権利は誰にもない!」
音也は、期待はずれな士の発言に、
「貴様、何者だ?」
と思わず言ってしまいます。
「やはり俺は、通りすがりの仮面ライダーだ!」
士はディケイドに変身。そして、カードも復活します。
さて、話の腰を折るようですが、いつもなら「おおっ!」と思わせるこのくだり、今回は色々な不徹底が響いてしまい、今一つ盛り上がりに欠けます。不徹底というのは、士があらゆる享楽的な事象に遭遇するだけという積極性のなさや、夏海は騙されているにしろ、基本的にこの世界で旅を終えたがっている姿勢を強調されてしまったこと、ケータッチ専用のカードだけが機能を復活させるのならばまだしも、全部のカードが一旦使用不能になり、また何の脈絡もなく復活してしまうなど、色々と挙げられると思います。確かに、一気にカードが復活するあたりの演出は燃えるものがありますが、何となく士のセリフも上滑り感があり、テンションが平準化されてしまっている感じがします。また、音也の「何者だ」発言は、ニュアンス的に「自分が考えていた士像と違う」というものですが、どうも唐突に「ノルマを果たした」感があって座りが悪いのも事実です。
本編に話を戻します。
ダークライダー達の容赦ない攻撃に、ディケイドは不利な状況に陥ります。夏海は、おもむろにケータッチを士に投げ渡すのですが、これはもう一度鳴滝ではなく士を信じようとする夏海の心情の現れと解釈出来るでしょう。
夏海に渡されたケータッチを操作しするディケイド。
9つのシンボルマークをシリーズ順にタッチしていくと、「FINAL KAMEN RIDE」でコンプリートフォームに!
ガシャッ!とディケイドライバーをずらし、ケータッチをベルトに装着するアクションが非常にカッコいいです。それにしても、方々で言われていることですが、何とも凄いデザインですね...。思うに、「ディケイド」のライダーのコンセプトは、「違和感」なのではないでしょうか。ディケイドのピンクというカラーリングもそれに当てはまりますし、このコンプリートフォームなんかは「違和感」の最たるものでしょう。
ここからは、コンプリートフォームの能力3連発。途中、ディエンドの「FINAL ATTACK RIDE」でオルタナティブと怪人達を撃破するシーンも挿入されます。ディケイドの動きとシンクロして動くライダーという演出がいい味を出していてカッコいいです。機能的にはディエンドと同様ですが、自ら動いて操るというあたりが、士と海東の違いを表しているようで興味深いですね。
ケータッチで「RYUKI」のシンボルをタッチし、「KAMEN RIDE SURVIVE」で龍騎サバイブを召喚。「FINAL ATTACK RIDE」でリュウガを撃破します。龍騎サバイブのファイナルベントとは異なる技でした。
続いて、「FAIZ」のシンボルをタッチし、「KAMEN RIDE BLASTER」でファイズ・ブラスターフォームを召喚。「FINAL ATTACK RIDE」でオーガを粉砕します。
そして最後は、「KABUTO」のシンボルをタッチし、「KAMEN RIDE HYPER」でカブト・ハイパーフォームを召喚します。「FINAL ATTACK RIDE」でダークカブトのライダーキックと真っ向勝負し、これを粉砕します。
一瞬、空中で両者が静止する辺り、タメが効いていてカッコいいです。何だか本編のモヤモヤ感が、クライマックスで一気に払拭された感じ(笑)。
戦いに決着が付くと、ダークキバとの決戦かと思いきや、音也は密かに逃走。結局、ちょっぴり煮え切らない感じは残ってしまいました。まぁ、ネガ夏海の今後を鑑みた発言を生かすには、音也が無事でなければならないんですけど。
そのネガ夏海のセリフとは、
「私は明日を信じてこの世界で生きていく。だからあなたも明日を信じて。見つけて、あなたの世界を」
というもの。終始笑顔の多かったポジ夏海に対し、ネガ夏海の芯の強さを秘めたサバイバリストの表情はグッと来るものがあります。
ケータッチを士に手渡して去っていくネガ夏海。考えてみれば、ダークライダーに蹂躙される前は、ネガ夏海もポジ夏海と同様の生活を送っていた可能性が高いわけで、文字通り2人の夏海は表裏一体の関係なのです。さすれば、ネガ夏海の秘めた強さは、ポジ夏海自身にも秘められていると考えることが出来、何らかの危機に際しては、そのような側面が現れて来るのではないかという期待も抱かせます。
光写真館でうつむく夏海。栄次郎が驚いた声を上げたかと思うと、士の写真は全てネガ状態に。夏海とネガ夏海とを収めた写真だけは、いつもの士の写真のようになっていました。
「世界は9つだけじゃない。世界はもっと沢山あるということだ。俺達の旅は、まだ終わってはいない」
と士。何だかジャンプの打ち切りマンガのような話ですが(笑)、元々9つの世界で終了していては残りのスケジュールを消化出来ないのですから、当然と言えば当然です。
そして、次は海東の世界!
ディエンド指名手配?
また一癖ある話を展開してくれそうです。
ザタンゴールド
>「ディケイド」のライダーのコンセプトは、「違和感」なのではないでしょうか。
以前に読んだ雑誌によると、ディケイドのデザインは「どの世界にもなじまない」ことでどの世界の住人でもないということを表現しているそうです。これは通常形態の話ですが、コンプリートフォームもこの延長でデザインされたのではないでしょうか。