いよいよ残る世界はあと2つ。ここでカブトの世界登場です。
水嶋ヒロというスターを生んだオリジナルの「仮面ライダーカブト」は、前作「響鬼」のアバンギャルドな制作姿勢から一転し、平成仮面ライダーシリーズとしてオーソドックスな作りとなり、登場するライダー達のデザインが特に高評価されたシリーズです。
「カブト」の特筆すべき点は、何と言ってもクロックアップとワーム。ワームの「脱皮」という要素はライダーにも転用され、「イナズマン」を彷彿させる「キャストオフ」機構が話題となりました。この「キャストオフ」は、CGを利用して各部を細かく動作させるという秀逸な描写を得て、かなりのインパクトを放ちました。ただし、劇中で存分に活かせていたかどうかについては、やや疑問ではありましたが。
一方の「クロックアップ」もインパクト大。周囲の物体がゆっくりと動く中、素早い動きで戦うライダーとワームという、鮮烈なビジュアルで魅了してくれました。この「気付かない内に近傍で戦っている」という要素は、「龍騎」におけるミラーワールドの翻案とも言え、現実世界でありながら異世界的な雰囲気を漂わせています。
さて、今回のカブトの世界ですが、上記の「クロックアップ」が主要素として掲げられています。
カブトはクロックアップしたまま殆ど姿を見せないライダーとされ、海東はクロックアップの機構そのものをお宝として狙い、士はクロックアップに翻弄されるといった具合です。
そして本編は、オリジナル・カブトの要素を「兄妹」の物語として捉えることにより、それを主軸として再構築されています。ただし、この前編では、「妹」に相当するキャラクターであるマユと、カブトが「兄妹」の関係にあるとは断言しておらず、むしろ土壇場で「兄妹」の関係が別個にあることを提示して謎を深めています。こういったやや複雑な展開は、オリジナルの魅力を移入したものと考えられます。
なお、このマユというキャラクターは、オリジナル・カブトにおける2人の妹(この辺りは複雑なので割愛します)のハイブリッドになっていますが、ひよりというよりは、むしろ樹花に近い天真爛漫なキャラクターになっています。
もう一つ、インパクトをもたらすトピックがあります。
それは、オリジナル・カブトでとうとう登場することのなかった「おばあちゃん」が登場することです。
オリジナル・カブトの主人公・天道総司に「おばあちゃんが言っていた」という口癖があり、それは人生訓として天道の生き方に大きく影響しているのですが、そのおばあちゃん本人が、本編に出てくることはありませんでした。そのおばあちゃんを出してしまうという、ある意味「反則技」に出たわけです。
その「技」を使うからには、それ相応のキャスティングが必要...ということで、佐々木すみ江さんのご登場。御歳80歳でこの迫力!さすがは姑女優として名を轟かせる方だけのことはあります。私はこのキャスティングに至極納得させられてしまい、オリジナル・カブトのおばあちゃんと完全に重なってしまいました。このおばあちゃんなら、あの天道も素直に言うことを聞きそうですからね。
これは素晴らしいキャスティングです。
他のキャラクターとしては、ザビーに変身する「弟切ソウ」とガタックに変身する「アラタ」が登場。残念ながら、「ツルギ」や「シュン」、「ダイスケ」といった面々は出ませんが、とりあえず不足している感はありません。
弟切ソウは、矢車想がモチーフ。ネーミングは「弟切草」かよとツッコまざるを得ませんが(笑)。黒い眼帯が強烈なインパクトです。
アラタは、勿論、加賀美新がモチーフ。オリジナルの加賀美を彷彿させる熱血漢な風貌と言動がいい感じです。
ZECTの組織もほぼオリジナル通りで、マスクドライダーシステムという名称もちゃんと登場しますが、資格者でないとダメだといった、深いところまでは描かれません。岬や田所といったキャラクターに関連する人物も登場しません。このあたりは、スッキリまとまっていて良いと思います。
では、やや取り留めのない感じにはなりましたが、まとめてみましたのでどうぞ。
新しい世界に来れば、まず士が外に出て、何の職業に就くかを是非とも目撃しなければなりません。
このカブトの世界では、士はZECTの隊員になっていました。ZECTのゼクトルーパーのスーツですね。ただ、士らしく、ちゃんと例のカメラを提げているのがポイント。黒づくめなので、ピンクのカメラはより目立っています。
そこに装甲車に乗って現れるアラタ。アラタは士を強引に任務地へと連れて行きます。
装甲車が走り去った後には、もう一人の士が...。
オリジナル・カブトを知っているならば、どちらかの士がワームの擬態だと瞬時に理解できる仕掛け。このような「知っていたらおトク」なシーンは、「ディケイド」における最大のお遊び要素だと思います。
しかも、この「擬態士」、話の根幹に全く関わって来ないのです。本当に単純なお遊びとして用意されたに過ぎません。もっとも、ワームに擬態能力があるという「説明」という点では、充分すぎるほど充分に機能しています。
もう一人の士は、平然と光写真館に夏海と共に入っていきます。
さて、ここで問題。アラタに同行した士と、光写真館に入った士。どちらが本物でしょうか。
答えは簡単。「どっちでもいい」です。本当にどちらでも成立するように、とりあえず作られているからです。一見、アラタに同行した方が本物だと思わせる感じにはなっていますが、ワームは記憶も含めて完璧に擬態するので、この後の言動も、彼がワームだからといって別段変ではないのです。
さて、鳴滝が光写真館の近くにおり、
「残る世界はたった二つ。だが、今度こそ。このカブトの世界で、ディケイド、お前の旅は終わりを告げるだろう」
とせせら笑います。
もう既に、この人の言うことはあんまり説得力がないのですが、残る世界が2つになったということを、印象付けるには適切なセリフだったと思います。
早いもので、このカブトの世界が終わると、後は響鬼の世界だけなんですね。一応、ディケイドは2.5クールくらいを予定していますから、後半の1クールがどのうよな展開になるのか、非常に興味を引かれるところです。
ここで、アラタと同行した士にスイッチ。
ゼクトルーパーが一人の男を取り囲みます。
このゼクトルーパー、白いので本当は「ブライトルーパー」なのですが、特に訓練生だという設定はなさそうです。ちなみに、オリジナル・カブトでは明確に区別されていました。
今にも男を撃ちそうなゼクトルーパー達を見て、「やめろ」と言って男を庇うべく飛び込む士。しかし、その男はワームでした。
最初こそゼクトルーパーは善戦するも、脱皮したコレオプテラワーム(?)には歯が立たず、ゼクトルーパーは早々に戦力を分断されてしまいます。
そこに、ソウとアラタが現れ、ザビーとガタックに変身!
そして、すぐにキャストオフ。
ザビーとガタックが普通に一緒に働いている光景が、オリジナルを知る身としては何とも笑えてしまいます。
士は、
「マスクドライダーシステムか」
とすぐに反応。この「マスクドライダーシステムか」というセリフ、前述のように本物の士であれば、「カブトの世界のことを断片的に思い出した」と片付けられますし、擬態の士であれば、「マスクドライダーシステム」を元々知っているというニュアンスになります。やっぱり、どっちでもいいわけです。
なお、「マスクドライダーシステム」は、オリジナル・カブトにおける仮面ライダー達に使われているシステムのことです。ZECTのロゴや、こうした世界観はオリジナルから忠実に拝借しています。
オリジナルの踏襲は、「クロックアップ」にも如実に現れます。コレオプテラワーム、そしてザビー、ガタックはそれぞれクロックアップして戦闘を開始。
クロックアップがオリジナル・カブトで初披露された際、その映像表現の的確さに度肝を抜かれたのをよく覚えています。今回のそれは、オリジナルにおける映像表現を踏襲しつつも、よりクリアで違和感のない、いわば「成長したクロックアップ表現」を見せてくれます。
ここでのザビーとガタックは、実はカブトを印象付ける為の引き立て役。残念ながら、コレオプテラワームに苦戦してしまうのです。
そこに、高速で移動する何者かが現れ、目にも留まらぬ速さでコレオプテラワームを攻撃します。この時点では、この「高速物体」に関して説明はありませんが、仮面ライダーカブトであることは明白です。
ザビーは、チャンスを得て「ライダースティング」で止めを刺します。しっかり必殺技が出るのは嬉しいところです。
事態は収拾したものの、ソウは、
「カブトめ!」
と苦々しい表情。ここで「カブト」の名前が登場し、先程の「高速物体」がカブトであると判明します。
士は敢えてZECTの隊員でないことをアラタに明かし、この世界のことを教えてくれるよう依頼します。アラタは「別の世界から来た」という士達の言をあっさり信じ、律儀にカブトの世界のことを話し始めます。このあたりは、オリジナルの加賀美新に通ずる率直さを感じます。
アラタの話に拠れば、ワームは人間に擬態し、記憶まで引き継ぐといいます。オリジナルを知っていれば、こういった説明に耳を傾ける必要はありませんが、初見の方にも分かり易いよう配慮しなければなりません。「ディケイド」の場合、その「説明」をどう違和感なく盛り込むかという手腕が求められます。平成仮面ライダーシリーズは、複雑な設定や背景を持つ物語が多いですから、非常に難しいものと想像されます。
ちなみに、今回の「説明」は最低限でありながら効果的だと評価出来るかと思います。
ここからしばらく「2人の士」に関するコントが繰り広げられます。光写真館には二人の士がいつの間にかおり、どちらかがワームの擬態なのです。
このコント、シチュエーション的にはあまり面白味はなく、単なる時間潰しにしか見えないという、私にしては随分と辛辣なコメントを投げかけたくなる代物ですが、映像的には見るべきものがあります。というか、こんなコントにこんなに手間暇かけるなんて!
で、本物を決するべく、勝負し始める両者。
この違和感のなさに絶句。本当に2人居るように見えます。私は昔の特撮でよくある「見え見えの画面縦割り」や「双子を使った描写」も味があって好きですが、もはや、こういった工夫をすることなく、違和感のない画面を作り上げる技術を、テレビ番組で普通に使えるとは...と時代錯誤な感想を抱いたのでした。勿論、こういったシーンの為の素材撮りや合成には、色々大変な手順・手間がありそうですが、それを感じさせないような、悪く言えばどうでもいいシーンに使われていることに、特撮ドラマの素晴らしさがあるのではないかと思います。
で、腕相撲やあっち向いてホイ等、脱力系の勝負に、ユウスケ達も困惑気味。
彼らの呆気にとられたような反応は、視聴者の反応を代弁していると言えるでしょう。
いても立ってもいられなくなった夏海は、「笑いのツボ」を二人の士に炸裂させます。これ、凄く効果的な使い方だと感心したのですが、片方は笑い、片方は泣き始めるという、何とも良く分からない結果に。しかし、結果的に笑っている方が本物であろうという見当は付くのでした。
笑っていた方の士は、とうとうディケイドに変身し、本物であることを証明します。
ワームの正体をあらわした擬態の士は、ディケイドの相手をするわけでもなく、クロックアップしたカブトによって始末されてしまいます。
カブトは、ある少女を守ったように見えましたが...。
それは、「天堂屋」というおでん屋の娘・マユでした。
「天堂屋」の「天堂」はオリジナルにおける「天道」と同じ読みですね。
「天堂屋」のメニューはおでんのみ。気を付けてみると、何故か電王と思しき番組がテレビ放映されており、モモタロスのものと思しき声が店内に響いています。ヘンな遊び心とタイアップ的な要素には、思わず笑えてしまいますね。
そこに突如ニュース速報が割り込みます。
渋谷の大規模火災が、カブトによって引き起こされたものと見られる、という内容。報道では、カブトは、クロックアップによって異なる時間に居るとされています。
マユは思わず握り拳の力を強めます。マユの抱く、カブトへの感情が分かります。そして、カブトが常にクロックアップの状態になっていることもチラリと匂わせています。
その時、マユのおばあちゃんが士と夏海の元へおでんを持ってきて、
「世の中には慌てて飲み込んじゃいけないものが二つある。テレビの言うことと、お正月のお餅だ」
と人生訓を一発。
出ました!オリジナル・カブトにおける「おばあちゃんが言っていた」のおばあちゃんです!
おばあちゃん登場の衝撃度については、冒頭に記しましたのでご覧下さい。
想像どおりというか、ある意味それを超えて強烈なインパクトを放つおばあちゃん。
先のおばあちゃんの言に対して質問しようとする夏海に対し、
「無駄口きくんじゃないよ。食べ物は、出てきた瞬間が一番美味しいんだい!」
と一喝!
オリジナル・カブトにおける「おばあちゃんが言っていた」の内容と、必ずしも一致しないところに、このカブトの世界の「リ・イマジネーション」を感じる事ができます。
なお、「天堂屋」のおでんには、がんも、大根、卵しか入っていません。これで常連客を満足させているのですから、相当に出汁が旨そうですね。
天堂屋で、士のカメラに気付いたマユは、「カメラマンの士」をカッコいいと評し、自ら進んで被写体になります。
マユは様々な衣装を着て撮影。これも非常に楽しく華やかで、マユの可愛さを存分に堪能出来るシーンなのですが、如何せん時間稼ぎ的な匂いも。ただ、何故か夏海のコスプレまでしてしまうところに、暴走が感じられて嬉しいのも確か。
この衣装を見て、「懐かしい」と言う夏海。そして目を逸らして撮る士の反応が楽しいです。
皆、マユに対して「可愛い」を連発しており、遂に栄次郎も、
「夏海も昔は、ホントに可愛かったけどねぇ」
と口を滑らせます。そんな栄次郎に、笑いのツボを炸裂させる夏海!
4回程わざとらしく笑っただけで効果消滅。さすがは光家秘伝だけあって、伝承者(?)に対して効果は薄いようです。
そして、現像された写真はいつものようにメチャクチャな出来。
ところが、マユは士の「失敗写真」を、
「素敵!芸術的!普通に撮った写真よりずっといい!」
と評するのでした。
「おばあちゃんは言ってた。『真の才能は少ない。そのことに気付くのは、もっと少ない』って」
と付け加えるマユ。
実はこの士の写真、監督をはじめ多くのスタッフが非常に苦労して撮影しているものだということが知られており、ある意味「芸術作品」ではあるのです。それが遂に劇中で評価される時が到来したのです!
とまぁ、これは大袈裟ですが。
「そうか...才能、だったか」
当然、士も有頂天になります。いやはや、カブトの世界自体がダークなトーンで進行していくからか、こういったギャグ描写が余計に目立っていますね。
マユは夏海に、士が自分の兄に似ているかも、といいます。強くて優しくて、自分の言うことを何でも聞いてくれるというマユの兄。夏海は士との類似性を大いに否定しますが。
なお、「人を守る仕事」の内容に関しては何も語らなかったマユの兄は、カブトに殺されたといいます。
「私、カブトを許さない」
というマユ。オリジナルとはかなり異なるシチュエーションになっています。
一方、ZECTでは「カブト捕獲計画」が開始されます。
アラタは、カブトが悪魔のような存在なのか、疑問を持っているのですが、ソウは、カブトに右目を傷つけられた過去があり、カブトを憎んでいます。
ソウの特徴的な眼帯は、この時の傷なのです。
さて、士は「宇宙一のおでん屋」を目指すと言って天堂屋に押しかけます。
マユと仲良さそうにおでんを煮込む姿が微笑ましすぎるのですが、士の優しげな表情の発現には嬉しいものがあります。
士はおでんの単純なレベルアップの為に、色々なタネを足していました。そこにおばあちゃんが登場。おばあちゃんは、すぐさまおでんを処分してしまいます。
「うちはね、この場所で、このままで居ることが大切なんだ!この味を絶対変えちゃいけないんだよ!」
と言うおばあちゃん。「勿体無い」より「味を変えない」を重視する方針は絶対なのでした。
この「場所も味も変えない」という方針には、恐らくマユの兄に対するランドマーク的な意味合いがあるものと想像出来ます。ただ、単純に商売としての観点から見ても、既に常連客に恵まれている以上、「味を変えない」というのはことのほか重要だと言えます。そして、場所を変えないのも重要。場所を変えたことで、また改装したことで売上を落とす店も多いのです。その店の雰囲気を好いている客からすれば、ガラッと変わった途端に行きたくなくなるという心理が働いていてもおかしくはないわけです。
脱線してしまいました。商売的なことは、物語中どうでもいいことです。
ここで、がんも、大根、卵というタネは、おばあちゃんとマユ、兄の好きなものだけをチョイスしたということが語られます。現実感の有無はともかくとして、いい話じゃないですか。
ここでまたワームがマユを狙って出現します。この緩急取り混ぜたテンポはなかなか見るべきものがあります。
士は、ディケイドに変身して迎撃。ジオフィリドワームもすぐに脱皮して襲い掛かってきます。
「虫相手なら、こっちも虫だ」
という士。「KAMEN RIDE KUUGA」でクウガに変身します。
クウガのモチーフはクワガタムシということになっている上、ディケイドではクウガゴウラムという虫型そのものに変身しますので、一応この言は正しいのですが、ユウスケという存在がある以上、ちょっと違和感があるのは否めません。
士はジオフィリドワームのクロックアップに苦戦します。そこで、「超感覚の戦士」であるペガサスフォームに「FORM RIDE KUUGA PEGASUS」で変身。
見事、ペガサスボウガンでジオフィリドワームを粉砕することに成功します。
このペガサスフォームの使い方は意外性があり、感心しました。クロックアップという特性は、時間という制約を超越する能力ですから、ある意味「無敵」の領域に属しますが、それに対抗する策が、他の能力の中にもちゃんとあるということを見せたシーンとして評価出来ると思います。
そこに、ゼクトルーパーを引き連れてザビーとガタックが到着。
「貴様、ZECTのライダーじゃないな。ディケイドか」
「だったら何だ」
「お前のことは聞いている。この世界を破壊する悪魔だとな」
「またか。有名人は辛いな」
何度も悪魔呼ばわりされ、士も慣れた感じで受け流すのがいいですね。こういう余裕綽々で不敵な感じは、ヒーローらしいと思います。
当然、ディケイドに襲いかかるザビーとガタック!
「新しい力を試してやる」
と士は、「KAMEN RIDE DEN-O」で対抗しようとします。そして、「ATTACK RIDE ORE-SANJOU!」を使うと、
「俺、参上!」
とキメポーズ。
関俊彦さんの太くブライトな名乗りと違って、アンニュイな感じの士の名乗りは、かなり新鮮でミスマッチ感たっぷり。しかも、「ATTACK RIDE」なのに何にも効果がないという、完全に電王をギャグとして取り扱う暴挙には爆笑必至です。
当然、
「それがどうした」
と言われてしまいます。懲りずに士は、「ATTACK RIDE KOTAEWA-KIITE-NAI!」を使用。勝手にガンフォームにフォームチェンジする、凄い「ATTACK RIDE」の登場かと思わせておいて、
「答えは訊いてない」
と、あんまりキレのないダンスと共にキメ(笑)。
一応、お約束として、1つ前の世界のライダーに「KAMEN RIDE」するという方針があるのですが、ここまで戦力外の使われ方をしたのは初めてですね(笑)。
今度は固まってしまうザビーとガタック。よく聞くと、ゼクトルーパー達も動揺しており、
「俺達、何か質問されたか?」
「いや、何もされてないけど」
「されてねぇなぁ」
と細かい芝居をしているのです。実に可笑しい。ようやく、
「どういう意味だ?」
と訊くザビーでしたが、
「あの、アホ共が...」
と憤る士は、
「俺に訊くな!」
と逆ギレ。勿論、「アホ共」とはモモタロス達イマジンのことです。同様に、「BOKUNI-TSURARETE-MIRU」「NAKERUDE」のカードも。
さすがに士はこれを使う気にはならなかったらしく、ザビーとガタックの攻撃を受けて放り出してしまっています。
全く役には立ちませんが、マーク・大喜多さんのDJライクな声で「ORE-SANJOU!」「KOTAEWA-KIITE-NAI!」「BOKUNI-TSURARETE-MIRU」「NAKERUDE」が聞けるだけでも充分魅力あるカードですよね。
さてさて、クロックアップに苦戦する士。今回はとにかくクロックアップを前面に押し出してアピールしています。
そこに海東が乱入。
この世界のお宝であるクロックアップシステムを手に入れたい海東は、ガタックを挑発して入手を試みます。ガタックもやはりクロックアップを使ってディエンドを翻弄。「KAMEN RIDE RIOTROOPER」で呼び出したライオトルーパーも瞬殺されてしまった為、ディエンドは、「ATTACK RIDE INVISIBLE」を使ってその攻撃から逃れます。
先程のクウガ・ペガサスフォームと同様に、この「透明化」もクロックアップへの対抗策として提示されています。確かに、見えなければ、いくら通常より高速に動けても攻撃しようがありませんからね。
一方、マユはワームに追いかけられて士達の戦っている現場へとやって来ます。
同時に、ザビー相手にディケイドは、「KAMEN RIDE FAIZ」でファイズに変身。そして「FORM RIDE FAIZ ACCEL」でアクセルフォームにチェンジし、
「付き合ってやる。10秒間だけな」
とクロックアップに対抗します。
ここから、クロックアップの特撮描写と、高速アクションのコラボにより、秀逸な超高速戦が開始されます。特にこの高速アクションが凄い。結構長回しで撮っており、しかもテンポが速く手数も多い。これは本当に凄いです。
戦いの中、士は、ワームに襲われているマユに気付き、助けるべく戦いを離脱して駆け寄ります。怒ったザビーはニードル弾を発射。しかし、ニードルの軌道はマユの方向にあり、士は間に合いません。
マユにニードル弾が当たりそうになったその時、カブトが出現し、間一髪でニードル弾を叩き落します。
そしてワームを全滅させて去っていくカブト。その姿は、一瞬だけ士達の目に止まりました。
カブトがマユを守っているのは間違いなく、この点にオリジナル・カブトとの強い類似性が見られます。というより、この要素から逆算した「リ・イマジネーション」になっているとも言えそうです。
海東は、
「すっごく、欲しい」
と言って去って行きます。相変わらずですが、何故かその行動が士の危機を回避する方向に働くんですよね。ちゃんとシリーズのお約束が踏襲されていて心地良いです。
そして、最後の最後に、強力な謎を用意していました。
ザビーの変身が解けたソウを見て、マユは、
「お兄ちゃん?」
と言うのです。
マユの兄として考えられるのは、「ソウジ」という名を持った人物である筈。しかも、カブトがマユを守っている様子から、カブトこそマユの兄だろうと視聴者は思わされているわけです。
ここにきて、いきなりソウを兄と呼んでしまう展開にはビックリ。さて、どんな仕掛けが用意されているのか。楽しみです。
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