トランスフォーマー・マスターピース MP-18 ストリーク

 トランスフォーマー・マスターピースブランドの第18弾は、ストリーク。

 MP-17プロールのリデコ商品となるストリークですが、ランボルとアラートで試みられた「アニメ設定の再現」を、より高次元で成立させています。

 アラートは、トイがランボルと同モデルでありながら、アニメ設定が両者でかなり異なる為、変形ギミックを見直せない部分(肩からドアがぶら下がっていない等)や、大腿部のカラーリングについては妥協が見られましたが、ストリークに関しては、プロールと同時期の画稿という事もあって、再現度はほぼ完璧であるという印象です。

 むしろ、同じフェアレディモデルで画稿の成立時期が異なる、スモークスクリーンのリリースでその真価が問われるでしょう。

 さて、ストリークですが、海外名がBluestreakとなっており、シルバー一色のトイとも、アニメ設定のガンメタツートーンとも異なる謎名です。実は、ダイアクロン時代にガンメタツートーンとブルーメタリックツートーンが発売されており、トランスフォーマーとして発売されるに当たっては、ブルーメタリックのカラーリングが予定されていたそうです。それ故にBluestreakと命名されたわけですね。

 今回、アニメ設定に準拠したガンメタツートーンでリリースされたマスターピース版。ある意味「やっと出た」とも言えるものであり、ファンに満足感を与えてくれます。

 元々素性のすこぶる良かったMP-17プロールのリデコなので、本作も非常に素晴らしいモデルとなりました。

MP-18 ストリーク



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トランスフォーマー・マスターピース MP-17 プロール

 トランスフォーマー・マスターピースブランドの第17弾として登場したのは、サイバトロンのブレーンである戦略家プロール。

 ダイアクロン・カーロボット時代における人気車種であった、NISSAN フェアレディZ 280Zをモチーフとし、なおかつ子供に人気のあるパトカーという事で、カーロボの中でも人気の一体でした。

 そのフェアレディ・モデル自体は、数あるカーロボのラインナップ中、エポックメイキングとも言うべき変形パターンを持ち、下半身の回転や大胆な「胸ボンネット」、ヒロイックな頭部造形等、以後のカーロボの指針を示した重要なモデルです。その影響の大きさは、サイバトロン・エンブレムのデザインの元が、このフェアレディ・モデルの頭部であった事からも伺い知れます。

 さて、今回のマスターピース版ですが、完成度の高いオリジナルの変形ギミックを踏襲しつつ、よりアニメ設定に近いプロポーションになるよう、各部を大幅にブラッシュアップ。特に目を引くのは、ドアに角度が付くこだわりのギミックと、脚部の伸縮ギミック。特に後者は、スマートなアニメ設定を再現すべく、単なる伸縮ではなく複数の関節部で複雑に折りたたむ方式となっており、細身のイメージを持つプロールの脚部を見事に再現しています。

 ビークルモードは、日産自動車の監修を経ただけあって、実在感は抜群。国産車でありながら、北米市場を意識したトランスフォーマーならではのマーキングが「らしさ」に拍車をかけており、完成度は非常に高いものとなっています。バイナルテックやGTといったシリーズのコンセプトとは異なり、内装や車としての構造を再現しているわけではありませんが、G1アニメの忠実な再現という意味では、これ以上のものはありませんし、バリエーションとなるストリークやスモークスクリーンにも俄然期待出来るというものです。

MP-17 プロール



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バンダイ 1/144 HGUC ギャン

 アニメでは1話分しか登場せず、しかも劇場版には出ないというモビルスーツでありながら、妙に人気のある機体のギャン。やっぱりマ・クベのキャラクター性に拠る処が大きいのでしょう。独特の騎士風スタイルも人気の秘密です。

 例によって、積みプラがありつつも購入(笑)。しかし、それなりに評判の悪いキットなのです。

 なにしろ、HGUCとしてのナンバリングは「002」で、初期も初期。塗装がなくても色分けが出来ていて、ポリキャップを用いたそれなりの関節可動が実現されていて…といった初期コンセプトを如実に体現するキットです。

 何故評判が悪いかというと、まず、可動性能があまり良くない事。そして、ポリキャップむき出しの手足関節という仕様。やけに細長く見える頭部。この三点に尽きます。後は、HGUC初期のパーツ構成の特徴である、左右貼り合わせの多用が、今となっては不評です。

 しかしながら、全体的なプロポーションとしては、アニメの設定画というより動画のイメージをよく再現していて、好感の持てるものだと思います。妙なモールドもなく、スッキリとした構成なのも良いポイント。

 シールドの機構はこのキットで考案されたものですが、オリジナルのイメージを破壊する事なく、優れた構造を提案しており、こちらも好感を持てます。

 私はあまり関節可動にこだわりがないので、ポリキャップむき出し関節を何とかする事と、頭部を少し改善する事にポイントを絞りました。成果は概ね良好です。

バンダイ 1/144 HGUC ギャン



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童友社 JoyJoyコレクション 1/800 姫路城

 超ロングセラーである童友社の「城プラ」。

 たまに新規金型による新製品がリリースされる事もありますが、この低価格帯のJoyJoyコレクションシリーズは、玩具量販店や家電量販店にも必ず置いてある定番商品で、特に大阪城とこの姫路城辺りはよく数が出ているようです。

 私自身幼少期より、このプラモを手にとっては、怪獣消しゴム等のジオラマベースとして使用したり、また箱庭的な興味から作ってみたりはするのですが、「組み立てるだけ」ならばハードルは低いものの、塗装までするとなると意外に難易度が高いのも特徴です。

 その一番の要因は、似通ったパーツの管理が結構大変なのと、超ロングセラーならではの金型劣化により、パーツの合いのすこぶる悪い箇所が多く存在する事、そして「城プラの語法」に則る事の難しさに尻込みしてしまう事、といった処でしょうか。

 今回、それらの問題を解決するだけの経験が蓄積されたと勝手に思い込み、挑戦致しました(笑)。

1/800 姫路城

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トランスフォーマー・マスターピース MP-16 フレンジー&バズソー

 マスターピース・第16弾は、カセットロン連続リリースの最終となる、フレンジー&バズソーのセット。

 フレンジーは、既にリリースされているランブルのリカラー品、バズソーはサウンドウェーブに付属するコンドルのリカラー品であり、新鮮さという意味では非常に乏しいと言わざるを得ませんが、そもそもカセットロンの中で最も登場頻度が高いのはこのフレンジーであり、ある意味、満を持してのリリースという事でもあります。

 間髪入れずにリリースされた事もあって、ランブルとフレンジー、コンドルとバズソーには、生産時期による差異という部分はこれといって見受けられず、逆に言えば長所も短所もそのままといった処。

 フレンジーは、ミクロマンの「ミクロス」時代から既に格好良く目立った存在でしたので、更に格好良くなっての登場が嬉しいですね。ミクロマンでのヒーローロボット然とした扱いとは違い、アニメ本編での性格の悪さにビックリしましたが(笑)、却ってキャラが立ち、人気が出たのは面白い事象です。

 なお、ギミックは先発アイテムと同じですので、トランスフォーム過程等は省略しています。

 フレンジーはランブルを、バズソーはコンドルをご参照下さい。

MP-16 フレンジー&バズソー

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トランスフォーマー・マスターピース MP-15 ランブル&ジャガー

 マスターピース第15弾は、MP-13 サウンドウェーブと絡めて遊ぶ事の出来るカセットロン軍団拡充計画第2弾。

 MPランブルとMPジャガーのセットとなっており、MPランボル以降試みられている、コレクション性を高めた廉価・小型化路線の極みと言えるでしょう。

 MPサウンドウェーブの完成度と、付属するMPコンドルの充実したギミックから、他のカセットロンに対する期待も高まっており、その期待に応えた内容となっています。さすがにハンマーアームやマシンガンは余剰パーツになっていますが、それでも、それぞれを単なるパーツにするのではなく、ランブル本体やサウンドウェーブとの連携が取れるよう工夫され、極力余剰パーツ感を無くす試みがなされているのは、素晴らしいと思います。

 そして、敢えてフレンジーではなく、同型のランブルをジャガーとのセットに持ってきた辺りの商魂逞しさも見事(笑)。

MP-15 ランブル&ジャガー

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東映版ウルトラマン始動!

 驚くべきニュースが飛び込んで参りました。

 何と、東映がウルトラマンを製作するというのです。

 近年のスーパー戦隊シリーズにおける特撮の充実度は周知の通りですが、一体どんな作品になるのでしょうか!?

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トランスフォーマー・マスターピース MP-13 サウンドウェーブ (with コンドル)

 リリースはMP-14 アラートと前後してしまいましたが、マスターピース・第13弾のサウンドウェーブです。

 オリジナルのトイ自体、元々出来が良く、アニメ劇中でのクールなイメージも突出して格好良かった為か、サウンドウェーブはコンボイやメガトロンと並ぶ人気キャラクターとなりました。長らくマスターピース化が望まれていましたが、多数の要望の元、ようやくリリース。

 リリースされたマスターピース版・サウンドウェーブは、そのスタイリングや量感(オリジナル・トイのブロードキャストとほぼ同じ大きさ)、新設計のマスターピース・コンドル付属という豪華な仕様によって、満足度の非常に高いものになりました。

 変形プロセスも、しっかりとしたボックス型になるよう、細部の動きが熟慮されていながらも、過程で次の変形工程が見える絶妙さを持ち合わせており、見事です。

 新旧カセットロンを3枚内部にセット出来るプレイバリューの高さも秀逸。ただし、イジェクト機構には少々粗さがあって、引っかかってイジェクトされない現象が、割と頻繁に起こります。まぁ、本体をシェイクすればカバー出来るので、致命的な欠陥とまでは言えないと思います(笑)。

 一方のコンドルですが、旧トイではレーザーキャノンが着脱式で、カセットモードでは余剰パーツになるのに対し、今回はマスターピースらしく、差し替えなしの完全変形を実現。旧トイと同サイズでレーザーキャノンを含めた完全変形を実現するとは思ってもみなかったので、ある意味サウンドウェーブよりも衝撃でした。

 今時、マイクロカセットテープも、そのプレーヤーも、実物を見かける事は稀ですが、それらを今商品化出来るキャラクター人気の高さには、今更ながら驚きますよね。

MP-13 サウンドウェーブ&コンドル

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ウルトラマンタロウ&レオ コンプリートDVD-BOX発売決定!!

 この時を待っていました!!

 タロウのDVDは長らく生産休止、レオは解説等を省いた廉価版がレギュラーになり、「視聴する喜び」と「所有する喜び」の両方を重視する私にとって、我慢の日々が続いていたわけです。

 と、こんな風に書くと、単品リリースの時に何故揃えなかったのかと疑問を抱かれて当然なのですが、まぁ懐具合の問題でして(笑)。実際、タロウとレオは3巻同時リリースとか、これまでの展開より妙な性急感があったりして、ノれなかったんですよね。

 実は、両方とも1巻だけ買っていたのですが、AのコンプリートDVD-BOXを買った時に、もうすぐタロウもレオもリリースがあるだろうと思い、早々に売却してしまいました。それから、待てど暮らせどだったのが、ようやく、ようやく…(T T)

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バンダイ 1/144 HGUC グフ + 1/144 ドダイYS

 積みプラはまだあるのですが、グフはわざわざ購入しました(笑)。

 ドダイは近郊のリサイクルショップで中古を発見したので即購入。遂にドダイに乗るグフの勇姿を見る事が出来るとあって、結構なハイペースで仕上げるつもりでした…が。

 HGUCグフは、まだHGUCの方向性を迷っていたのか、先んじて発売されたHGグフカスタム(HGUCではない)の特徴を、グフに落とし込んで同系機である事を強調する方針がとられ、そのスタイリングはグフにあってグフにあらずといった雰囲気になりました。

 これはこれで、当時は実に格好いいと思ったのですが、同時期のガンタンクや、後にリリースされたザクIIのアニメ準拠なスタイリングを持つキットと並べると、物凄い違和感があるわけですよ。

 なので今回、なるべくグフカスタムの匂いを消してみようと思い、工作に取りかかりました。

 まず、頭部は旧キットから拝借し、幅詰め。ノーズと動力パイプ(適宜ランナーで延長)はHGUCのものを使用し、ポリパテで基部等を作りました。モノアイにはWAVEのバーニアと100円ショップのデコシールを使用し、モノアイ基部を削ったり切り取ったりして可動式に。

 スパイクアーマーは、スパイクを一旦切り離して基部の盛り上がりをなくし、再接着。腕や足のモールドは殆ど埋めてしまいました。

 また、左手の5連装マシンガンは、キットのものが小さく感じられるので、コトブキヤのモビルパイプで作り直しています。

 他は特にいじっていませんが、こで説明書にあるカトキハジメ氏のコンセプトデザインに、雰囲気が近づいたと思います。それにしてもこのキット、コンセプトデザインは、結構アニメ版を尊重したシルエットなのに、どうしてこうなった…(笑)。

 というわけで、グフには思わぬ時間を取られてしまいました。

 ドダイは、メカ系旧キットの例に漏れず、出来は素晴らしいものです。今回は、あまり他の方々がやっていない、徹底的な合わせ目消しにより、原作のノッペリとした味わいを再現してみました。特に、目と口の部分は、モールドとして解釈せずに、同じ色のパーツが一体になるようにしてあります。

 そして、アニメ本編で1話しか出ていないこのシーンを再現出来ましたー!

バンダイ 1/144 HGUC グフ + 1/144 ドダイYS

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バンダイ 1/2400 ホワイトベース

 積みプラ消化!

 ということで、今回は300円のホワイトベース。特にギミックはなく、極小V作戦セットが付くわけでもない、至って普通の宇宙艦船キットですが、実に美しいフォルム。

 ベストメカコレクションは、やはり全般的にモビルスーツよりも艦船や戦闘機系のキットの方が、様々な面で優れています。それはまあ当然の事で、関節可動ギミックも不要だし、「形状の正解」を設定画に求めれば、ほぼ巧くいくという側面があるからです。

 このホワイトベースは、各パーツのど真ん中に合わせ目が来る悩ましいパーツ構成でありながらも、割と色分けは容易で、モールドも適度な密度。省略されている部分は多々ありますが、私はいわゆる「木馬の口の部分」を掘るだけで十分だと思いましたよ。

1/2400 ホワイトベース

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バンダイ 1/144 HGUC ガンタンク

 これまた押し入れより発掘した積みプラ消化です。

 HGUCとしてのナンバリングは7番目ですが、元々単純な構造で旧キット自体も傑作キットだっただけに、初期HGUCの中でも、かなり組み易さ・造形共にハイレベルだと思います。現在の目で見ると、砲身が丸々貼り合わせ構造だったりして大変な部分もありますが、逆に言えば砲身と肩部だけちゃんと合わせ目を消せば、後はそれほど目立つ部分もなく、いい完成品が手に入ります。

 本当は戦車プラモ並みにウェザリングをしてみようと思ったのですが、どうもガンタンクのノーマルなイメージからは離れられず、結局いつも通りのオーソドックスな塗装になってしまいました。

1/144 HGUC ガンタンク

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バンダイ メカコレクション 宇宙戦艦ヤマト

 謹んで初春のお慶びを申し上げます。

 旧年中は大変お世話になりました。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 さて、昨年の大晦日に完成した、通称「100円ヤマト」です。現在は200円ですけど(笑)。

 このプラモ、都合5個目くらいではないでしょうか。再販の度につい手にとってしまうんですが、今回は最も納得のいくものを作りたくて(といっても、改造はしませんが)、最も真面目に塗装しました。

 いわゆるメカコレ期のガンプラの祖となったシリーズだけに、スタイリングやディテールの適度な完成度は、現在の目で見ても素晴らしいと思います。まぁ、頭からお尻まで真っ二つの「モナカキット」なので、それなりの工作は必須ですが。

バンダイ メカコレクション 宇宙戦艦ヤマト

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バンダイ 1/48 リアルロボットレボリューション(R3) SPTレイズナー

 かなり長い期間、押し入れの中に作りかけで眠っていた「R3 レイズナー」を完成させました。

 このキット、当時からあまり評判は芳しくなく、実際に組んでみて確かに宜しくないキットなのですが、完成した立体物としてはなかなかのものだと思います。劇中と設定画の折衷も巧く成立しています。

 現代的な高額ロボットプラモとして見た場合、同カテゴリのガンダムMGシリーズと比べると、関節可動はかなりお粗末で、合わせ目がどこもかしこも旧キット的。塗装派にとっては、パーツ数の多さに加えて、前述の合わせ目処理の煩雑さが多大と来ており、極端な話、片腕を塗装して完成させるだけで、HGUC本体並みの労力がかかるという…。

 パーツの色分け自体はほぼ完璧に近いので、まとめ塗りが出来るのですが、強度を考慮した構成になっている為に、後ハメ加工も困難を極め、色々な部分で失敗しています。

 最大の失敗は、ガッチリ合わせ目処理をした後に、ポリキャップを仕込むのを忘れていて、どうにもならなくなった事…って、これは単なる私のミスですが(笑)。なので、途中で投げ出したのですが、子供に「勿体ない」と言われて完成まで何とか漕ぎ着けました。他にも、マスキングテープに下地ごと持ってかれるとか、つや消しクリヤがカブりまくったりとか、とにかく良い事が全然ない工程でした。はい、全部私個人的なミスです。

 というわけで、キットの正当な評価云々が出来ない中、とりあえず完成させた感じですが、まぁ超オーソドックスな塗りでこんな感じになりました。

1/48 R3 SPTレイズナー

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トランスフォーマー・マスターピース MP-14 アラート

 トランスフォーマー・マスターピース第14弾は、保安員アラート。

 実は、リリース順で行くとアラートは13番目。本来はMP-13としてサウンドウェーブがリリースされる予定だったのですが、それは延期となり、先に14番目のアラートが先行した次第。

 アイテム自体は、MP-12 ランボルのリデコ。元々G1の初代トイにおいてもランボルとアラートは同型のリデコ商品であり、もっと遡れば、ランボルのオリジンである、ダイアクロンの「ニューカウンタックLP500S」と、アラートのオリジンである同「ニューカウンタックLP500Sポリスカータイプ」も同型のリデコ商品…。というわけで、タカラのリアル変形ロボ玩具黎明期からの脈動が、正に現在も連綿と受け継がれているわけですね。

 まぁ、それはあらゆる玩具メーカーにとって当たり前のコスト削減戦略なんですけど、ダイアクロンやTFの場合、そこにリデコの枠を超えた「個性」を込めてくる辺りの巧さがあると思うんです。

 今回のアラートも、アニメ準拠の為に頭部造形を変更したり、わざわざ胸上部の形状を変えてきたり、肩部のタイヤを造形したりと、入念な「個性の表現」が見られます。アニメにおけるアラートは、ランボルと同型ではなく、明らかに「2シーズン目のデザイナーの手による別物」であり、同様の例として、プロール&ストリークとスモークスクリーン、トレイルブレーカーとホイスト、ジェットロンと新ジェットロンが挙げられます。いわゆる「後期デザイン」は、日本のロボットアニメ寄りのスマートな「前期デザイン」と比べ、ややファットかつトイ寄りな印象でまとめられているのが特徴です。

 上記の理由によってアニメ設定に差異が出ている為、アニメ準拠を強烈に意識して完成したランボルを元にしたアラートは、アニメ設定の再現性という点においてやや難があるのは否めません。些末な事を挙げればキリがないですが、肩部からドアが丸ごとぶら下がっていない事、大腿部がアニメ設定の白あるいは銀ではなく、旧トイ準拠の赤になっている事。この二点が目立つ箇所でしょう。

 ドアについては、変形ギミックの関係で再現不可能。大腿部については、金型の関係で成形色を赤にせざるを得ず、銀色に塗装するにもコストが合わなかったであろう事が想像出来ます。ただ、旧トイ準拠との折衷によって、ギリギリ体裁を保ったのは、逆に賞賛に値すると思います。

MP-14 アラート

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