ノエルの人を食ったような言動を具に確認できる秀逸な回となりました。初登場で謎を提示し、二話目でその謎を深めてしまう罪深さ(笑)。
どちらも裏切らず、どちらも騙し、どちらも信用させる。まさしくスパイの鑑! 彼の正体に関する情報は劇中でいとも簡単に開示されまくっていますが、結局のところ真の正体はよく分からないというのが良いです。
ノエルの人を食ったような言動を具に確認できる秀逸な回となりました。初登場で謎を提示し、二話目でその謎を深めてしまう罪深さ(笑)。
どちらも裏切らず、どちらも騙し、どちらも信用させる。まさしくスパイの鑑! 彼の正体に関する情報は劇中でいとも簡単に開示されまくっていますが、結局のところ真の正体はよく分からないというのが良いです。
毎シーズン、大抵この時期になると登場する追加戦士。
あの手この手で、安定し始めた世界観に揺さぶりをかける役割を担わせることになりますが、巧く機能するシーズンもあれば、残念ながら逆効果な場合も。
さて、今シーズンの「あの手この手」は一体どう作用するでしょうか??
今回の登場編に限った印象ではありますが、あらゆる手段と描写を駆使した贅沢三昧な画面作りが鮮烈で、素晴らしいデビューになったと思います。
パトレンジャー単独回と称しても差し支えないエピソード。咲也をメインとし、圭一郎編とは少し違う角度から警察官の在り方を問う、コミカルながらも熱さのある好編でした。
今回、魁利たちは快盗の扮装こそあれ、変身後のシーンが皆無という挑戦的な作劇になっており、90年代のパターン破りを彷彿とさせながらも、パトレンジャーの活躍はセオリーどおりに描かれ、非常に面白い印象を与えてくれる構成でした。
大きな展開の前に設定を整理しておくのは常套手段であり、今回はルパンコレクションの設定について語られ、さらにグッドストライカーの振る舞いに関する秘密も明かされることとなりました。
しかしながら、設定編がハマりやすい「セリフだけが延々続く」といった傾向は全く以て皆無で、むしろもう少しその辺の事情を聞かせて欲しいという程度に留めているのが美点。「仮面ライダービルド」が設定の意外性に面白さを求めている(特に最近ほぼ毎回バトルと説明ダイアログ「のみ」で構成されているきらいがある)のに対し、本作(というより特に今回)はアクションに面白さを求めていて痛快でした。
圭一郎氏のキャラクター性をさらに深める一編。
いや、深まったというよりは「やっぱりそうだよね」と思わせる方向に、より斬り込んだというべきか。とにかく楽しく切ないエピソードになりました。
不器用なヒーローが、女性と巧く接することのできない様子は、頻々と描かれてきた経緯がありますけど、今回はカリカチュアライズされつつも、情感に訴える作劇になっていて、一風変わった雰囲気を存分に味わうことができるようになっていました。
透真とギャングラーの怪人・マンタ・バヤーシが人格を入れ替えてドタバタを繰り広げる…という予想を覆してシリアスに展開した一編。
ルパンレンジャー側のエピソードになると、スラップスティックな要素を持ち込んでもシリアスになってしまうという、ある意味試験的なエピソードでした。
もうちょっと弾けても良かったんじゃないかな…と思うところもありますが、ここのところパトレンジャーにいいところを持って行かれているルパンレンジャーに、改めて覚悟の重さとかアウトローの矜持・美学といった感覚が示されたのは良かったですね。
今回も実質パトレンジャー単独回と言って差し支えないストーリー。しかしながら、快盗も前回同様周辺をウロウロしてはいるものの、直接本人たちに会っていたりと急接近の様相を呈しています。
一方、ギャングラーの方はほぼトゲーノ単独となり、「倒されるべき相手」以上の存在ではなくなりました。要するに、パトレンジャーによるトゲーノ攻略戦を重厚に描き、それをルパンレンジャーが目撃するという構図を押し出しているわけです。
完全にパトレンジャー側のお話。ルパンレンジャーは周囲をウロウロしているだけということで、2チームを擁する企画にしては実に大胆なアンバランス構成ですが、これはこれで「大アリ」と思わせるんですよね。
実は新ガジェット獲得エピソードでもあり、そこに至る危難をちゃんと描くところが近年のシリーズでは異色にも映ります。前後編で尺も豊富ですしね。
ごく私的な記録として、今年のGWは部屋の片付け等に負われて最低レベルの休日だったのですが、本エピソードは最高でした(笑)。
チーム内のWヒロイン編や、敵の女幹部との共闘編といったエピソードは戦隊の定番になっていますが、敵対する別戦隊それぞれのヒロインがタッグを組むというのは、構造的に初の試みとなるわけで、新鮮味は抜群。二人の意外性を照らし出した作劇も実に良かったですね。
いやぁ、いい話でした。
快盗側はその目的意識がいわゆる「正義」とは全く別種でしかも強固であるため、なかなか往年の戦隊を想起させる話は作りにくいと思っていましたが、こういう手もあるんですね。
透真のややニヒルなキャラクターの中に、深い優しさが込められていることを如実に示す筋運びが素晴らしい。アニメ版の「ゲッターロボ」での隼人のような匂いを感じます(誰も原作漫画の隼人とは言ってない・笑)。あるいは態度が軟化している時の次元大介とか。
前回のシリアスムードから一転、コミカル色を全面的に繰り出してきた一編。
こういった、ぶっ飛び系のアイディアを盛り込んだエピソードは「寒い」ものになってしまう危険性もはらんでいるわけですが、演者の楽しんでいる雰囲気が巧く画面上に漂っていて、実にバランスの良い笑いに。
勿論、MVPは咲也です(笑)。
前回のラスト、衝撃のルパンコレクション消滅には、驚かされました。
ここからどう体制を立て直すのか…が今回の肝となるわけですが、ブレッツ生存という悪く言えば「ぬるま湯」な解決を採用しつつも、ドラマは見事に重厚。
そこには仇敵ザミーゴの本格登場が効いたわけですね。
新ガジェット登場編のフォーマットではありますが、近年は新ガジェットが数回に一度の頻度で登場することもあって、一工夫も二工夫も必要になっています。
今回はその「工夫」がドラマ重視という方針に振り切られており、三つ巴構造が織りなす重層的なドラマに目を奪われっぱなしになりました。
今回も素晴らしく面白かったですね。
予測、プロファイリング、張り込み、囮捜査といった刑事モノのセオリーを押さえて硬質な筋運びをしつつ、全編にわたってギャグテイストが横溢するという、面白くならないわけがない組み合わせ、見事に開花していました。
ルパン側も事前に捜査状況を察知し、あの手この手で疑いから逃れようとするのが素晴らしい。怪人もルパンコレクションもなくとも、これだけ面白い話が作れるよ! という気概が感じられますね。
待望の初美花編。
彼女らしく、いつもの調子でコミカルな巻き込まれデートを展開するのかと思いきや、幼少期から直近のトラウマまでを描き、咲也をしっかり利用するしたたかさを通じてそのキャラクター性を掘り下げ、かなりシリアス寄りの展開に。非常に見応えがありました。
周囲の人物の出番を削ぎ落としつつ、ちゃんとそれぞれの思慮を描写しているところも素晴らしく、描写を疎かにしない姿勢には快感すら覚えます。