対マジンガーとして企画された、ファンタジー要素の強いロボットアニメ作品が「勇者ライディーン」。前半を富野監督、後半を長浜監督が担当したことで、後のロボットアニメの方向性を決定付けたと言っても過言ではない作品です。
キャラクターデザインを安彦良和さんが担当したことで、ロボットアニメの基本であった劇画調から離れ、繊細な印象を抱かせるものとなり、女性ファンが一気に増加したとか。
そしてなんと言っても、ロボットから鳥型へとシステマティックに変形する機構を備えた、初の変形タイプ超合金がリリースされ、熱狂的に支持されたのがインパクト大。正にエポックでしたね。
キットについて
1/144スケールのガンダムシリーズを多数ラインナップした「ベストメカコレクション」の、シリーズ後半アイテムとして発売されたキット。変形ギミックはオミットされています。
ガンダムシリーズのノウハウを活かした手堅い設計により、「見た目の割には動く」プラモとして登場しました。とは言え、モビルスーツほど動かせるデザインでもないわけで、可動部は主に腕部に集中しています。
スタイル自体は概ね良好であり、基本的に素組みで充分な「立像」が手に入ります。
再販には何度か恵まれていますが、最近は見かけなくなりましたね。製作に使用したキットは、箱なしで中古として売られていたものになります。
改造箇所について
肘と膝はビニール袋を挟んでの補強。肩の軸はKPS(?)のプラ棒と受け(コトブキヤ)に置き換え。この辺りは旧キットの製作における定番です。
大きなところでは、脛に固定されている足首を切り離してボールジョイントで可動するようにしたのと、足の付け根をボールジョイント化したところです。脚部はこれによって外側に開くことができるようになりましたが、前後可動範囲が狭くなってしまったという…(笑)。
後は武器です。右腕に装備されたものは、いずれか一つの武器にしか組めない仕様なので、差し替えができるようにプラ板をくっつけたりしています。
その他、適宜再スジ彫りをしっかりやってます。
塗装について
塗装は下地がアクリジョンベースカラーのグレーとホワイトを混ぜて標準的なサフ色にしたものを使用し、隠蔽力の弱い色を乗せる箇所は、その上から水性ホビーカラーのつや消しホワイトを塗りました。
上塗りはすべて水性ホビーカラー。ホワイト、ブラック、レッド、イエローは基本色、青はコバルトブルー、水色はスカイブルー、顔面は明灰白色(1)です。眼はシルバーの上にガイアカラーエナメルの蛍光イエローを塗っています。
マスキング箇所が多く、しかも曲線の境界がほとんどなので、エアブラシと筆塗りの箇所が半々くらいになりました。
スミ入れはMr.ウェザリングカラーのマルチブラックで。水性ホビーカラーのスモークグレーでシェーディングし、フラットベースを添加したつや消しクリアー(いずれも水性ホビーカラー)でトップコートしました。
各部ショット
頭部がかなり小さく造形されており、実に良好なスタイル。あおりのアングルが異様に巨大感を醸し出します。
ゴッドバードに変形しない分、背面はスッキリ。膝部はクリアランスがギリギリで、塗装が剥がれます…。
フェイスガードがかなり厚く造形されているので、顔が影になりがち。キットそのままだとややノッペリしているので、彫ると美形度が増します(笑)。
ここからは武器。まずはゴッドブレイカー。左腕の万能武器に刃を取り付けて完成。
円形のパーツを取り付けて完成する盾・ゴッドブロック。超合金はこれにゴッドブレイカーの刃を付けた形で装備されています(先ほど本編を確認すると、各形態で刃が付いているんですね。完全に忘れてます…)。
ゴッドブーメラン。丸い手の穴を切り欠いて格好良くしたので、巧く保持できなくなったという…。
真打はゴッドゴーガン。両手を専用手首に換装し、左腕の弓を展開するギミックがいいですね。矢も付属しているので、バッチリ決まります。
腕部の可動には限界があるので、上から見ると、この構えが限界。自然に見えるギリギリのところで「魅せる」センスが素晴らしいですよね。
復刻版超合金と。こうして並べると、プロポーションの解釈の違いが興味深いところです。復刻版は顔の造形と足の長さを改修しており、当時あまり評判が良くなかった覚えが…。
ベストメカコレクションの2体。箱スケールであらゆる人気メカが揃うというワクワク感は、今のスーパーミニプラ等に通じるものがありますね。
これと並行してスーパーミニプラのイデオンを作っていたのですが、最後の最後に難のある腕のボールジョイントが破損。現在補修中です。ベストメカコレクションとしては、グフに着手しています。