SirMilesのマニアックな日々

騎士竜戦隊リュウソウジャー 最終話「地球の意思」

 とんでもない結末が待っているのかと思いきや、結構普通の最終回でした。安心感が勝るというか、「良かったね」と素直に声を掛けられるというか。

 結末については概ね予想どおりでしたが、エラスとの最終バトルの中で意外性が織り込まれましたね。

 キャスト全員がやり切った感に包まれていて、その点ではかなり珍しいタイプの最終回だったと言えるのではないでしょうか。そういう芝居を要求されているというより、そういう感情が画面から滲み出ている感覚。まだ公演やVS等が残っているにも関わらず、「終わった〜〜!」という感じが色濃く出ていたように思います。

エラス

 俯瞰の荒野で、巨大戦から開始されるというインパクトある画作り。大きさを比較するオブジェクトがないため、スケール感の描写が難しいのですが、巧く空気感を調整することで巨大さを表現していました。

 総力戦という形容が相応しいシーンになっていて、あえて最強形態にならず3体に分かれて連携攻撃を繰り返していたところが良かったですね。いわゆる全合体が登場しなかったのは、個々の繋がりを「一体化」ではなく「関係性」で見せたかったというところでしょうか。そしてこれは大成功だったと思います。

 巨大戦ではエラスに歯が立たないあたりも、絶対者の圧倒的な存在感を示していて見事。騎士竜の力を込めたリュウソウカリバーしか封印する手段がないことに、ちゃんと収斂していく段取りが美しかったです。

 封印のビジュアルをどうするのかと思っていましたが、何と騎士竜のパワーを受け取ったコウが、リュウソウカリバーを手にエラスへ突っ込んでいくという、衝撃の描写に。エラスの抵抗で変身解除しながらもリュウソウカリバーを突き立てるコウの格好良さたるや!

 そしてエラスが徐々に等身大へと縮小していくことで、「封印」の説得力が映像化されました。謎フィールドに包まれて消滅といった描写でなく、創意工夫が凝らされたシーン作りに感服しました。

最終決戦!

 しかしながら、リュウソウカリバーは崩壊し、エラスの封印は成就されず。色んな意味でリュウソウカリバーに振り回されまくるリュウソウ族なのでした(笑)。

 ここで諦めないのは、今シーズンの積み重ねを見れば明らかなのですが、ここのプロットの特殊性は数多の戦隊の中でも随一と言えるのではないでしょうか。

 巨大戦のクライマックスを、騎士竜の力を託されたコウが担ったのに対し、今度はコウ以外のメンバーが一気呵成にエラスへの反撃を開始するという筋書き。正直驚きました。エラスによって生命エネルギーを奪われて、この時点で「死んだ」と見做せる状況のコウ。レッド不在でクライマックスバトルを繰り広げるという、意外性に満ちた、しかしながら「リュウソウジャー」として物凄く説得力のある展開でしたよね。

 エラスの中で、ちゃんと問題提起をするコウが描かれるのも高ポイント。肉体的なコウは不在でも、ソウルでは繋がっているというテーマ性の貫徹が心地良いですね。

 エラスが孤独に動揺するくだりには、「ウルトラマンG」のゴーデス最終戦を思い出しました。絶対者は孤独と表裏一体であり、他社との繋がりがある者には勝てないという、ダイバシティへの言及が鮮烈です。

メルトの忘れ物

 エラスの中に取り込まれた際、メルトが体内に落としていたというリュウソウル。そのリュウソウルこそが、コウ復活の鍵となる…様々な展開が収斂していく様子には圧倒されっぱなしでした。

 少々ご都合主義的ではありますが、エラス消滅後にパーッと光りながら復活するよりは何十倍も良い!

トワの謎

 トワは光を秘めているというマスターブラックの言を、エラス戦で少しだけ垣間見せたのですが、結局何が起きたのか具体的には示されませんでした。このあたりは今後の展開で言及?

カナロの怪しい視線

 これも明確には示されませんでしたが、カナロの次なるターゲットはアスナになったのではないかと思われる節があります。各々の「やりたいこと」を披露し合うシーンで、妙な視線をアスナに向けていたり、アスナが開いた学校に入り浸っていてアスナに怒られたり…。こちらも次なる展開が用意されているかも…。

ワイズルー様

 Twitterのトレンドに「リュウソウジャー」ではなく「ワイズルー様」が躍り出たことから、彼の人気ぶりが分かろうというものです。

 相変わらずクレオンとはいいコンビ。マイナソーを生み出す能力を持ったクレオンをエラスと同等だと評価し、意外なことにしっかり生存していたプリシャスと共に、新天地(クレオンの出身星)に旅立っていくラストは、何故か爽やかでしたね。

 彼らは「改心」したわけではなく、あくまで自分たちの興味で行動しており、それが破壊活動に繋がらなくなっただけというのも良い解釈。理想的な幕引きでした。

エピローグ

 それぞれの「やりたいこと」をちゃんと実行している面々の姿が爽やか。ちゃんとういも一時帰国し、レギュラー全員が揃って一枚のカットに収まったのが美しかったですね。

 龍井さんは抜群の存在感を発揮するキャラクターでしたが、最後まで存在の「意義」は抜群に低かったのが笑えます。

 長老も、登場話数の少なさが災いして抜群に存在意義の低いキャラクターに(笑)。しかも事業に失敗して村に帰っていたとは…。郷さん…。

その後

 既に「戦隊」は最終話が終わりではなくなっており、とりあえずひと区切りという感覚になっているため、各キャラクターの今後を描く余地が残されています。今シーズンも例に漏れず多数の「決着」が保留になっており、VSや他の媒体などで今後が描かれる可能性が非常に高いわけです。ファンにとって楽しみの一つになりますね。

今後のこと

 折に触れ、こちらやSNS等で述べておりましたが、個人的なリソース事情で週一のブログ記事アップが困難になりました。「キラメイジャー」は久々の純粋なダブルヒロイン体制とあって実に魅力的なんですが、残念ながらこれまでのようなペースでは展開できそうにありません。

 これまで飽きずにご覧くださった皆様には、心より感謝申し上げます。

 今後は月一とかになってしまいますが、完全にやめてしまうわけではありませんので、時々覗いていただければ幸いです。

 ありがとうございました!

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