SirMilesのマニアックな日々

騎士竜戦隊リュウソウジャー 第43話「ドルイドンの母」

 ハードモードな今回。ギャグも控え目で、最終編への助走といった感覚でした。マスターブラック登場、エラスの設定、オトちゃんのヒロイン化など、色々なトピックが提示されましたが、バンバの熱演ぶりが眩しい一編でしたね。

エラス

 あまり生々しくなく、ファンタジー寄りなビジュアルなので、恐怖感は今ひとつ。

 かつて「バトルフィーバー」の怪人製造カプセルが「胎」をイメージしていたように、エラスも同様の趣向だと思いますが、恐怖感、嫌悪感に関しては怪人製造カプセルの方がダントツに上ですね。あれは本当に怖かった覚えがあります。

ガンジョージ

 エラスが生み出した新たなドルイドン。ここからはマイナソーではなくドルイドンが次々登場するということなのでしょうか。

 一見してタンクジョウのバリエーションかと思いましたが、微妙にシルエットが共通している部分もありながら、全然違うデザインでしたね。

 生まれたてという状況故か、流暢に喋ることは不可能な様子。しかしながらプリシャスには従順な雰囲気もあり、特殊な不気味さを漂わせていました。戦力自体は、激戦をくぐり抜けてきたリュウソウジャーを圧倒するほどではなく、むしろエラスから次々このタイプが生まれてくることの恐ろしさを強調していたように思います。

サデン

 プリシャスに心臓を握られていたことが判明。逆にプリシャスの求心力がないことを浮き彫りにしています。

 今回はその策士ぶりを発揮して、最後の最後でオトをかっさらうという暴挙に出ました。次回への引きとして強烈な印象を残していますね。

クレオン

 冒頭でワイズルーの心臓のカードを拾うというシーンが登場。ということは、ワイズルーは死んだわけではないということ…??

 サデンに「何をしている」と訊かれ、「息をしていました」と答える生意気っぷりが笑えました。やはり、クレオンにとってはワイズルーこそが最も敬愛する「上司」だったわけで、この状況がこの後どう作用してくるのか、楽しみの一つになっています。

マスターブラック

 各所でも話題になっていた、永井大さん20年ぶりの戦隊復帰! 「タイムレンジャー」からもう20年かと驚愕するわけですが、あまり見た目が変わらないあたり、さすがの肉体派と言えます。

 かねてより謎に包まれていたバンバ(とトワ)のマスターとして、このタイミングこのキャスティングで登場するのが素晴らしく、やはりここまで引っ張ったのは「鍵を握る人物」だからというエクスキューズをビジュアルで納得させていました。

 永井さんは「タイムレンジャー」では、レッド=竜也、竜也の子孫である黒幕=リュウヤの二役を演じており、今回示された、優しいマスターの顔と「裏切り者」の顔にはニヤリとさせられました。戦隊の王道パターンとして、「裏切り」は大きな理想を伴っているものですが、果たしてその答えがいかなるものか。このあたりもかなり楽しみですね。

オトちゃんヒロイン化

 ヒロインと言っても「戦隊メンバーとしてのヒロイン」ではありません。いわゆる尋常なる意味でのヒロインです。

 最も衝撃的だったのは、メルトに抱きついて「私と使命とどっちが大事?(←意訳し過ぎ)」と訊いたことでしょう。メルトもさすがに沈黙を以て答えるより他ないシチュエーション。これはもう、幼い少女が恋愛に憧れているという「不思議コメディ」のテイストではなく、明確にメルトの思い人として振る舞っており、存在感は完全にヒロインのそれです。

 クライマックスのバトルを物陰から覗き、そこをサデンに誘拐されるというくだりまで、被害者系ヒロイン以外の何者でもないプロットも用意され、ここに来てオトちゃんのヴァリューが一気に上がってしまいました。

 このポジション、元々はういが担うべきだったようにも思うんですよね。

 ういのキャラクターが巧く転がらなかったのか、あるいはオトちゃんが好きなスタッフが多かったのか(笑)。まあ、ギャグ要員の域を出ない後見人の娘よりも、追加戦士の妹の方が、物語に絡ませやすいというのは、多分にしてありますよね…。

次回

 次回はアクション編でしょうか。アスナの危機という、特撮ファンには嬉しい(?)一編になりそうですね。

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