9月に入っても物凄い暑さが続いており、休日のまとまったトレーニング(ジョギング)が大きな疲労を残すこの頃。なかなかブログの方も書くのが困難でございます。
一応3クール目に突入ということでしょうか、新展開が待っていました。思わせぶりなサブタイトルですが、実は7人目のリュウソウジャーとかそういったものではなく、リュウソウジャー落伍者でありながらコウの兄弟子という、絶妙なポジションのキャラを投入してきたのが巧いところ。今回のドラマパートにはかなりの見応えがありましたね。
ドドメキマイナソー
「百々目鬼」ですね。いわゆる西洋のモンスターや神話の怪物がモチーフのほとんどだったマイナソー(例外は「蜃」マイナソー)ですが、今回は日本の妖怪がモチーフ。字面を見ても一瞬何なのか分かりませんでした。
デザインは、百々目鬼の特徴をさらに不気味で気持ち悪い雰囲気に落とし込んであって、普通に恐怖を覚えるものでした。その能力はやさしさを奪うという、そこそこ定番なものでしたが、リュウソウジャーに関してはコウ一人だけに対して行使されたことで、巧くドラマを生み出していました。全員が術にかかって仲間割れというパターンが定石ですが、そこに行かずにシリアス主義で来たのが面白かったですね。
今回は倒されず、次回に引っ張っていますが、ガチレウスも復活(?)とあって、影が薄くなりそうな予感も…(笑)。
ナダ
今回登場の「7人目の騎士」。コウの兄弟子で、リュウソウジャーの落伍者という設定です。この設定、「STAR WARS」だと普通にシスの資質たっぷりなヤバいヤツですが、そこまで危険な匂いは漂わせていません。
アスナが離れた場所から修行にやって来たという回想シーンや、このナダの関西弁からは、リュウソウ族が例の場所に固まって存在しているのではなく、各地方に散らばっているのではないかということが想起されます。しかしながら、劇中ではそのような描写もなく、至極曖昧なまま処理されているので、単に雰囲気の問題なのかも知れませんね。
その関西弁は実によく効いていて、一見して胡散臭すぎるナダに人情味のような要素を付加しており、マスターレッドに媚を売りまくる回想シーンも相俟って、怪しくはあるんだけれども、何となく丸め込まれるような危うさがあります。
兄弟子として、優しさを失った(割にはすぐに反省して悩み始めるので、一時的なものらしい)コウを諭すシーンなどには、その飾らない(プライドの低い)人柄が伺えますし、妬みがあって当然の状況下で、コウの立ち直りを第一に考えている雰囲気は、良き兄貴といった感覚でもありました。それでも、何かひと押しあるんでしょうね。ガイソーグ絡みなんでしょうか…? 正直、ガイソーグ絡みは要らないんですけど(笑)。
なお、バンバがナダを知っていたのは効果的でした。メンバーの中で最も「疑念を抱くこと」に違和感を生じない人物ですからね。ナダに何かあるとしたら、バンバから綻びが出てくるのを期待したいところです。
三人の過去
あまり語られることのないリュウソウジャーの過去。今回、遂に幼い時期の回想シーンが挿入されることになりました。長命種族なので、これが一体何年前のことなのか(笑)。
コウが強さのみを志向し、凶暴性を隠さない子供だったという衝撃設定は、現在のコウの性格を考えると、意外にも納得でした。
コウの特殊な、リュウソウジャーのアイコンたる優しく無垢な性格は、「ゴセイジャー」におけるアラタのそれと相似形を成しながら、どこか違う部分を感じさせるものでした。それが何なのかはずっと分からなかったのですが、今回それが後天的に獲得されたものだと判明し、溜飲を下げることができたわけです。
今回の設定が後付けだったとしても、コウのキャラクター設計の根底にティラノサウルスが存在することは動かし難い事実なわけで、いずれにせよ納得感の高い回想でしたね。
さらにもう一つの仕掛けが非常に良くて、アスナを守るためにコウが優しさを獲得した…というオーソドックスな流れではなく、アスナを優しく導くメルトの姿を見て、コウが変わったという回想になっていたんですよね。
これ、ものすごく感心したんですが、コウとアスナは守護者と被守護者の関係ではないという宣言なんです。ヒーローとヒロインは同格の存在であり、これは戦隊黎明期から連綿と続く価値観ですよね。メルトにしても、その思慮深さから少し目線が上にあるという「だけ」なんですよ。個人的に、今回最大の収穫はここですね。
次回
後編にして、新騎士竜の登場編。新キャラの声を我らがルカことM・A・Oさんが担当されるとのことで、俄然楽しみですね。