死者が蘇る…そんな一見不気味な題材をとりながらも、通常そこから想像されるであろう雰囲気が完全に払拭され、何となくホロっとさせる一編に仕上がっていました。
数々の新たな謎も提示し、単なる「お盆」に因んだエピソードに留まらない、意外性に富んだお話でしたね。
タンクジョウ様ーー
と思わずクレオンの心中を代弁したくなる、感動の(?)再会でした。折に触れて「タンクジョウ様ー」と叫び続けていたクレオンですが、今回に当てた伏線だとしたら凄いことですね。
リュウソウジャー側はマスターピンク、そしてういの母が蘇りを果たしていましたが、味方側だけでなく敵側まで区別なく蘇るあたりが巧いところで、死者の幻で罠を仕掛ける怪人という王道パターンからの脱脚が良いですね。
蘇ったタンクジョウは、マスターピンクと同様に自身が死の世界から蘇ったことを理解しており、一度見た技は通用しないと豪語するのが格好良い。一方で、リュウソウジャーにとってもそれが同様であるというのがまた実に格好良く、両者ともに時間の経過を感じさせるのが素晴らしいですね。タンクジョウが地獄の底でも腕を磨いていたとしたら、敵ながらあっぱれですよね。
新たな騎士竜の登場、そして連戦をものにしてきたコウたちの機転により、タンクジョウは倒されてしまいますが、どうやら次回も参戦するようで…引っ張りますねー(嬉)。
ういのお母様ーー
龍井家の内情に関してはあまり語られていませんが、今回は「母親の不在」について理由も明確になりましたね。
どこからどう見ても理想の母、そして妻であり、久々の食事に涙する尚久氏の姿を見ると、かなりウルっと来てしまいました。勿論、ういの反応にも感じ入るところがありますけど、すでに自分の立場的には尚久氏の方が近いですからね(私のカミさんは健在ですのでご心配なく)。
マスターピンク様ーー
今回はマスターピンク様が主役と言っても過言ではないでしょう。
常日頃よりマスターピンク様のファンを公言している私ですが、今回はその魅力が爆発していて耐えるのが大変でした(笑)。
マスターとして、アスナに道を説くシーンがあるかと思いきや、それはほぼ皆無。徹底的にマスターピンクの人となりを描出する作劇には衝撃を受けましたね。
「デパ地下」というタームや、タピオカドリンクに舌鼓を打つ姿は、少女性を残した大人の女性といった趣で実に魅力的。リュウソウ族のしきたりに関する不満を躊躇なく口にしたり、長老の悪口を言ったり…素晴らし過ぎます。
一方で、敵を目の当たりにすれば、その剣の腕前を遺憾なく発揮。この格好よさにも痺れまくりました。ちゃんとアクションシーンを用意しているあたり、「分かっている」感が強くて嬉しかったですね。
今回の衝撃ポイントはもう一つあって、マスターピンク自ら「一度死んだ」と発言しているんですよね。つまり、生死不明ではなく、確実に冥界の住人になってしまったわけで、これまでのやや曖昧な描写にピリオドが打たれた格好となります。
当然ながら、次回も引き続きのご登場とあって、嬉しい限り。マスターの皆さん、残りの2クールでも度々登場して欲しいですよね。
そして…カナロよ、分かるぞ…。軽く手玉に取られてましたが(笑)。
セトー
尚久氏には何かあると匂わされていましたが、まさかこのような形だとは思いも寄らず。これからの展開が俄然楽しみになってきましたね。
そしてやはり吹越さん、不思議コメディシリーズの住人だなぁ…と思わせる出で立ちでした(笑)。
新たな騎士竜
ドルイドンがかつて宇宙に連れ去った、優れた超能力を持つ騎士竜がシャドウラプターとシャインラプター。
シャドウラプターはカナロを襲撃するものの、その後クラヤミソウルを与えていたことから、すぐに打ち解けたものと思われます。
いわゆる「喋らないゾロメカ」に属する騎士竜ではあるものの、光と影を象徴するキャラクター性はなかなか強烈で、シャドウラプターの、ブラックホールを作り出すという能力のインパクトもかなり強めでしたね。
次回
次回は今回の後編! 悲しい別れが待っているのは自明ですが、そこをどう希望的展開に持っていくか注目ですね。