ディメボルケーノ登場編の後半戦。前回にてディメボルケーノとの出会いと、等身大戦での新装備を描写したので、今回は主として巨大戦での新装備を描いています。
しかしながら、全編に漂うほのぼのした雰囲気が一種異様な感覚になっており、「リュウソウジャー」の王道感とバラエティ性を示した好編となりました。
シンマイナソー
前回に引き続いての登場。
「ハイ本番」の連呼から、元になった人物は映画監督や映像系のディレクターではないかと予想されましたが、まさかの消防訓練生。そのミスディレクションも凝りに凝っており、映画監督を夢みていた消防訓練生で、しかもういの後輩という、設定密度の高さを劇中の人物にもツッコまれる存在でした。
設定はややこしくも、ちゃんと順を追って理解できるようになっていて、シーンの段取りの良さは見事と言えます。消防訓練生なら火に強かろうというクレオンの発想、映画監督の夢破れるというマイナスの感情から蜃気楼の能力を発揮、それをワイズルーのエンターテインメントに利用されるという流れは、短い尺での謎解きながら非常にスムーズな流れでした。
コウの「甘さ」
特にこれがテーマになっていたわけではないですが、バンバとのやり取りが秀逸で目立っていたのは象徴的でした。
騎士竜を「力で従わせる」という、いわば主従関係を重視する(騎士という文脈からは妥当な)バンバに対し、コウはあくまで仲間としての関係を重視する姿勢。この二人のスタンスは明確であり、当初よりマイナソーの元となる人物への対処の違いとしてフォーカスされていました。
最近では、バンバがコウに感化されはじめている様子がさりげなく、また絶妙な頻度で盛り込まれており、今回も「マイナソーの特徴を分析するため」に元となった人物を突き止め、「保護」していました。
巨大化!
シンマイナソーの蜃気楼は巨大戦でも有効!
ここで遊び心に溢れたシーンが展開されました。コウの駆るキシリュウオーの目前に、うい、アスナ、メルトが巨大化した幻として現れたわけです。
幻とはいえ、実際に特撮のセットでキャストを演技させているので、臨場感は抜群。「ウルトラQ」の巨人、「ウルトラマン」での巨大フジ隊員に代表される「人間の巨大化」ですが、今回は特撮セットでの撮影の楽しさが伝わってくるような女性陣の立ち振る舞いが実に可愛らしい。剣を振り下ろすことを躊躇しまくるコウに「甘さ」を含むヒロイズムを感じたかと思いきや、メルトの幻は容赦なく斬り捨てるというギャグ(メルトの落ち込みようがまた笑える)まで展開され、楽しいアイディアに溢れたシーンになりました。
人間味溢れる騎士竜たち
ディメボルケーノを復活させたのは何者かという疑問を始め、あらゆる情報に興味津々な面々に対し、ティラミーゴが嫉妬するという展開も今回の縦糸になっています。
この可愛らしい言動が騎士竜の魅力になっていますよね。「ゴーオンジャー」の炎神たちに近いものを感じました。コウの呼び掛けでやる気を取り戻すのは、ちょっと直截的な感もあるものの、分かり易さという点ではこれ以上の展開はありませんでした。
ディメボルケーノにも、シンマイナソーによって創り出された「騎士竜の女の子」に熱を上げるというシーンが用意され、笑いを誘っていました。なお、「騎士竜の女の子」の声はアスナ役の尾碕さんが担当したとのこと。巧い!
キシリュウオーディメボルケーノ
シンマイナソーが繰り出す蜃気楼のスクリーンが水蒸気であることから、カワキソウルで水蒸気を取り払ったり、キシリュウオーディメボルケーノの高熱を水蒸気で増幅させたりと、今回は妙にロジカルな戦法が目立っていました。
そんな高熱戦法をビジュアルとして納得させまくったのが、炎を纏った剣と盾。今は結構このテの撮影は厳しいと聞いていましたが、ちゃんと実現するあたりが素晴らしいですね。巨大戦へのこだわりが回を追う毎にエスカレートしていく様には、やはりインパクトがありますね。
ガイソーグ
ガッツリ出てくるのかと思いきや、エピローグにちょっとだけ登場。ワイズルーと通じている様子が描かれ、またディメボルケーノを復活させたという設定によって、謎を纏った存在感をアピールしていました。
ちなみにディメボルケーノの件では、私自身は追加戦士の存在を疑いましたが、見事に外れてしまいました…(笑)。
次回
中越典子さんがゲストで、しかも総理大臣で、しかもサンジェルマン伯爵っぽいという、なんだか凄い話で楽しみです。バンバの過去もそろそろ解き明かし始めて欲しいところなので、注目ですね。