参りました!
今回で「快盗の戦いが終結」するとは予想もしておりませんでした。
2チーム体制ならではの分割最終回(?)、まずはルパンレンジャーのターン。
当然、ルパンコレクションはコンプリートしておらず、快盗はドグラニオの金庫の中に閉じ込められたままで今回は終了するのですが、魁利たち本来の目的はザミーゴを倒すことで果たされたわけで、達成感と共に「パトレンジャーに後を託す」という幕引きになっており、実に鮮烈でした。
ザミーゴ攻略戦
正に「攻略戦」という形容が相応しいバトル。
ザミーゴを手強い相手と定義づける二つの要素は、攻撃を無力化するルパンコレクションと、冷凍銃。この二つを潰せば、ルパンレンジャーの敵ではありません。
まず、攻撃を無力化するコレクション。こちらはザミーゴの本来持っている能力が障害となり回収できない…というのが前回までの提示です。これをいかに回収するか。
ルパンレンジャーが採用した作戦は、ザミーゴの冷凍銃を奪い、ノエルを囮にして油断させるというもの。魁利がノエルを冷凍銃で「誤射」し、ザミーゴが油断したところで「解凍」、まんまとノエルがコレクションを回収しました。
このロジカルな作戦のセンスが実に素晴らしく、徹頭徹尾「奇跡」に頼ることなく配置された要素だけで何とかする方針が、快盗の目的意識と過酷さをより強調していて良いですね。
コレクションを奪われたことで「無敵」ではなくなったザミーゴ。ここで一気に決着かと思いきや、パトレンジャーとドグラニオが「乱入」し、状況が変わります。誰にも決着を邪魔されたくないというザミーゴは、ドグラニオの開かずの金庫の中でルパンレンジャーと戦うことを選択するわけです。
私が個人的に恥ずべきは、ドグラニオの金庫の中に浮遊する無数のコレクションが、ルパンレンジャーに比類なき力を与えるという筋書きを想像してしまったことです(笑)。その想像は見事に覆され、やはり徹底して持ち駒となる要素でしか勝負しないのです!
魁利無双ではなく、既にザミーゴに存分に対峙できる実力を身につけた透真と初美花。三者三様の攻撃とチームワーク(事前に「三人一組」を確認するくだりがあったので余計に熱い)がザミーゴを翻弄し、遂に「冷凍銃の無力化」に成功します。
この無効化のくだりには、トリガーマシンに金庫の暗証番号をリセットする能力があるという、やや唐突に便利な設定が利用されました。我々老獪なマニアは、この辺りに苦笑しつつ愛でる習性を持ち合わせます(笑)。そしてそのトリガーマシンが、圭一郎からノエルに託されたものであるという「情報」により、さらに熱さが倍加。あらゆる関係性が絡んで収斂し、ザミーゴ打倒へとつながる快感は、替え難いものがありました。
快盗の目的を達成し、ドグラニオの金庫の中で喜びをかみしめる三人の姿は、今回が正にルパンレンジャー単独最終回といった趣でした。
協力的な警察
前述のザミーゴ戦は当初魁利のみで行われ、続いて透真と初美花が合流、ノエルを加えて再戦という流れで行われました。
透真と初美花の合流は、病室からの脱出、押収されたVSチェンジャーの探索といったプロットを経由しましたが、そこには、当然ながら咲也とつかさが待ち受けているわけです。
咲也と初美花が互いの微妙な感情を開示するシーンは実に切ないものの、今の感情を生み出す基礎は警察と快盗という関係であったことが改めて確認され、前回の魁利と圭一郎の会話に現れたテーマを補完しました。
要は、警察のメンバーが足繁くジュレに通って快盗三人の人となりを理解していたが故に、そして快盗の正体が透真と初美花であったが故に、押収品を返したという流れが自然に形成されていたわけです。
それは圭一郎にしても同様で、ノエルの要請に応えてトリガーマシンを渡しています。ノエルの先に居る魁利を見ているということに関しては、既に説明不要でしょう。
ヒルトップ管理官にしても、三人のあからさまな「言い訳」に溜息をつくだけでした。それは組織として愚直な法の守り手となる以前に、ヒロイズムを追求した姿でしたね。
刑事ドラマ的に言えば、これは完全に人情派刑事のメンタリズムです。杉下右京ではない(笑)。しかも、そこにギャングラー殲滅のための協力という打算すらもない。「利害の一致」からは極めて遠い「共闘」の姿が、最終二話でようやく実現するという凄さ。
超絶!
どれだけ書いても今回の良さが伝わらないので、もうここらでコレクションについて…。
今回のザミーゴ戦を形容するかのような「超絶」がルパンコレクションでした。「ニンニンジャー」に登場した超絶勝負チェンジャーが元ネタです。液状化という、バイオライダーっぽい能力については、元ネタと関連していないですけど。
次回
そして次回はパトレンジャーのターン!
予告でも、魁利たちはただ待っているように見えましたから、本当にパトレンジャーだけが戦う可能性もありますね。
というわけで最終回。遂に今シーズンも終わってしまうんですね…。