個人的に何故か盛り上がっているZ期の旧キット。手を出すときりがないので、とりあえずZZにおけるガンダムチームに限定しています。
3体目はゼータガンダム。当時はジャンボサイズの1/60、フルアクションを謳う完全変形の1/100、当1/144、ミニサイズの1/220がラインナップ。後年、旧HGのウェイブシューター仕様でのリメイク、MG1.0、MG2.0、PG、初期HGUC、新版HGUC、RGといった具合に、何度もリリースされている人気MSです。
変形MSという性格から、様々な解釈が盛り込まれてアレンジされ続けているため、(個人的な感想として)実は「決定版」と断言できるキットがないジレンマも。どのキットもそれぞれの良さがあり、常に格好良さが追求されているのは間違いないのですが…。
キットについて
この時期のキットの特徴がそのまま出ていると言っても良いモデル。即ち、設定画を率直にトレスした造形、それ故に狭い可動部、主要関節へのポリキャップ使用という特徴です。
スタイルは現在の目で見てもかなり良く、近年のスタイリッシュなアレンジよりもオリジナルに近いバランスで非常に満足度の高い立体物となっています。
しかし、可動は前出のMk-IIよりもさらに悪く、それは変形を盛り込んだデザインの弊害でもあります。後年のリメイクキットは、その辺りを解決するためにアレンジされたため、オリジナルから離れてしまったと言っても過言ではないでしょう(旧HGUC版がギリギリのラインではないかと思ってます)。
当キットは当然ながら変形ギミックがオミットされており、それ故に優れたスタイルとなりました。素組みでも、塗装さえすればかなりのものが手に入ります。
改造箇所について
例によって首と股関節をボールジョイント化。また、両肩を開く動作があまりにも不自由なので、ノズル部を狭めて可動域を確保しました。これにより、両腕のポージングがかなり改善されました。
腰のフロントアーマーとサイドアーマーは、キット標準では大腿部に直接接着する仕様で、これは変形ギミックの設定からすると実に正しくて感心するのですが、股関節をボールジョイント化すると完成後に見栄えが悪いので、胴体側に固定するよう変更しました。元々可動部に大して期待していないので、固定で充分です。
塗装について
こちらも例によってガイアノーツの黒サフからスタート。同じくガイアノーツのEx-ホワイトでトリコロールの下地を作り、各基本色を塗装します。
白はグランプリホワイト、青はガンダムカラーのZ系ブルー、赤はモンザレッド、黄色もガンダムカラーから、グレーはミディアムブルー、黒はネイビーブルーです。すべてGSIクレオスのMr.カラー。
適宜タミヤの塗料でスミ入れをし、ガイアカラーのクリアブラックでシェーディング。仕上げのトップコートはMr.カラーのつや消しクリアーです。
各部ショット
ゼータは細いイメージがあるのですが、劇中だとそうでもなく、意外に骨太なんですよね。時代の空気を良く表現したキットです。
変形を度外視しているので、フライングアーマーが小さめ。ケレン味には欠けるものの、MS形態を重視した秀逸なバランスです。
各部が設定画に忠実。「袴」を取り入れたガンダムのパイオニアですが、曲線と直線が絶妙にブレンドされた脚部の造形美は、後続リメイクにない随一の完成度です。
なお、左拳にはビームサーベル保持用の穴が空いているのですが、興ざめな空き方なので埋めました。
頭部の複雑な造形も的確。少々モールドが甘いので、スミ入れ等で強調するとよりゼータらしくなります。
ビームライフルを構えて。構え自体は自然に決まります。ビームライフルのグリップは可動式ですが、伸縮ギミック等はありません。
肩の可動部を拡げたので、このようなポーズが可能に。脚部は膝可動が殆どないので、このくらいが限界…。
ビームサーベルは2本付属。残念ながら持ち方がやや不自然なんですよね。
親指の置き方が設定画に忠実なので、変なところに保持用の穴が空いており、それが不自然さの原因になっています。
旧キットの見事なスタイルを見ると、新版HGUCのバランスが変に見えて来ます…。
グリプス戦役期のエゥーゴ主要MS揃い踏み。いやぁ、素晴らしく満足度高いです。メチャクチャ格好良い。
例によって、旧キットの見方がガラッと変わる好キットでした。Gディフェンサーも積んでいますが、まずはダブルゼータの方に手を付けたいと思います。やっぱりガンダムチームの揃い踏みが見たいですからね!