SirMilesのマニアックな日々

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー #46「抜け出せないゲーム」

 本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 新年第一回目となる今回は、お正月編としての体裁を保ちつつ、総集編をしつつ、次なる展開への布石を打つという、結構なボリュームを誇る一編となりました。

 快盗側はギャグ編、警察側はシリアス編といった具合に、両者の正月に対する職業姿勢(?)を反映させた作劇も見事。最終編突入が俄然楽しみになりましたね。

改造ポーダマン(赤)

 まあ、こういう「事件を必要としない」一編では便利なキャラクターですよね。しかしながら、よく喋り、動きもコミカルとあって、キャラ立ちだけは一人前のギャングラー怪人以上の存在感でした。

 ポーダマンなので、その能力は完全にルパンコレクションのものに限られるのかと思いきや、妙なポーズで物質転送を行うという基礎能力が設定されており、非常に地味なインパクトがありました。

 今回はコレクションの能力でゲーム空間を作って魁利たちを閉じ込め、ゲームに勤しんでいる隙に快盗の所持するコレクションを盗むという作戦でした。実はちゃんと成功しており、グッドストライカーが自律型でなければ、ルパンレンジャーのガジェットはギャングラーのものになっていたかも知れません。そこらの幹部級連中より優秀ではないか(笑)。

快盗隠し芸大会

 まずは初詣の衣装に注目。特に初美花の着物姿が麗しい。それぞれのキャラを反映した出で立ちが良いですね。初美花ですが、咲也の話を振られた際に、少し微妙な表情をしました。これは次回への引きになっていると考えられますが、工藤さんはこういう表情を作るのが実に巧い。非常に短いカットながら、引っかかりを見事に作っていました。

 ゲーム空間内では、回想を交えつつ、ネタの大盤振る舞い。

 魁利が透真の物真似と称して「レオタード事件」のトレスを試みるも、透真の恐るべき怒りに臆して失格。ノエルの真似する圭一郎が素晴らしい完成度を誇るなど、笑いどころ満載でした。

 「かくし芸」とのお題では、ノエルが見事な身体能力を披露する(マジで凄い)も失格。挽回は初美花の手による男性陣の女装となり、警察よりは完成度が抜群に高いと自称する彼らには爆笑必至。確かにメイクの違い(警察側は確実に笑い狙い)はありますが、それぞれ美しいスタイリングでしたね。

 ゲーム空間を抜け出した後は、ノエルだけがルパンエックスに変身し、ポーダマンを撃破しました。回想でアクション等てんこ盛り状態だったので、シンプルな決着は緩い空気を継承する意味で巧い措置だったと思います。それにしてもノエルのノリはあんな事件があったとは考えられないほどですな…。

警察は刑事ドラマ特番のノリ

 今回、圭一郎たちは作戦室を出ないままの展開。

 年末に圭一郎が気付いた大量失踪事件被害者の顔ぶれ。そこから展開される快盗の正体に関する推理。つかさがこれまでの数々の事件を振り返り、そこかしこに魁利たちの姿があることを思い出して戦慄するなど、非常にシリアスで見応えのある作劇でした。少ない動きと回想で推理していくスタイルが、さながら刑事ドラマ特番のようでしたね。

 シリアス一辺倒かと思えば、チビ魁利の正体に気付いたつかさが、かつての抱擁を思い出して赤面しぶっ倒れるというギャグも。これは嬉しいシーンでした(笑)。

 そんな中、咲也が頑として否定する姿が熱い。初美花への想いという要素もありますが、自らがアリバイの証明者となった経緯と、ジュレ常連としての矜持があるということなのでしょう。それが分かり過ぎるので感情移入も容易となり、何もかも知っている視聴者なのに咲也の言動に目が離せないという、傍観の旨味を見事に成立させています。次回はそこを掘り下げるので、期待値は高くなりますね。

ギャングラーは…??

 よく分からない展開。ゴーシュとザミーゴが何やら企んでいますが、ドグラニオは完全に無視された格好です。デストラだけが信頼し得る人物だったという、黄昏のボス感が寂寥感を煽ります。なんだかんだで感情移入してしまいますよね。

冷凍カプセル

 今回のルパンコレクションは、タイムレンジャーの冷凍カプセル。当時は身分証であるタイムエンブレムのセット品として商品化されました。

 私は、公式サイトのヒントがなければ分かりませんでしたが…(笑)。

次回

 次回は前述のとおり初美花と咲也のお話。二人に進展があるのか、快盗の正体が明らかになってしまうのか。いずれにせよ目が離せませんね。

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