完全に警察のターンでしたが、快盗にも活躍の場が意外とあり、さらにドラマ上不可避な対立をも盛り込まれ、充実の一編となりました。
ギャグとシリアスのバランスも見事で、咲也が原因で繰り広げられるドタバタは、彼の本質部分と敵の能力由来の部分が見事にブレンドされたものになっています。圭一郎の「名演」も素晴らしい。そしてつかさの意外な活躍振りもまた嬉しいところでしたね。
ペッカー・ツエッペリン
キツツキ怪人。また珍しいモチーフを引っ張り出してきましたが、それでいて科学者タイプ(カリカチュアライズの方向性が「仮面ライダービルド」の戦兎っぽい)というアンバランスな設定が面白いです。
さらに面白いのは、その優秀な頭脳がルパンコレクション由来で、一方の基本能力はうっかりを誘発するクチバシミサイルだということ。標準的なパターンだと、逆ですよね(笑)。
ギャグの縦糸になる騒動は、咲也に当たったクチバシミサイル。そしてクライマックスを盛り上げるシリアスな縦糸は、その頭脳が開発した爆弾という構成で、その二種の能力を余すことなく利用しているのが見事でした。
ツエッペリンと言えば、私は断然レッド・ツェッペリンですね。数年前にネットオークションで全アルバムのBOXセットを入手しましたが、外箱に使用感がある以外はほぼ未使用品で大変得をしました。はい、全く関係ない話ですみません!
色んな意味で大活躍な咲也!
MVPと言って良いでしょう。というより、咲也メインの話は傑作が多い印象です。
クセが強めなキャラ群の中で、一際「普通の人」っぷりが際立つ咲也ですが、裏を返せば個性を描きにくいキャラであると言える一方、そのキャラが立った時に爆発的な魅力を発揮するわけです。
今回は、元来のうっかり気質がペッカーによって更に増幅されたイメージ。とにかくその「芝居力」に裏打ちされた各シーンの完成度が素晴らしい。勿論、圭一郎の受けの芝居が素晴らしく笑えるというのもありますが、熟達のコントを見ているような絶妙のうっかり描写は、相当なスキルに裏打ちされたもの。スーツアクターさんの芝居力も凄まじく、巧いアフレコと完全にマッチしていましたね。
そんな咲也、「パトレンジャーにこの人あり」という認識を得るべく日夜励んでいたようですが、まだまだそこまでの「勲功」をあげていなかったというのが、今回のテーマの一つ。クライマックスにて、その射撃の腕が街一帯を救うカタルシスの凄さは、正に「パトレンジャーに咲也あり」でしたね。実際、射撃が成功したのはうっかりが解除された直後なのですが、うっかりを恐れずに照準を合わせ続けた精神力に、彼の成長振りと圭一郎の信頼が感じられ、非常に熱いシーンになっていました。
顔芸の圭一郎!
お茶を浴び、水を浴び、怒りに燃え、怒りが消え、怒りを抑え…と、シチュエーションも感情表現も目まぐるしい圭一郎でしたが、本当に見事にすべてのシーンを表現しきっていて、素晴らしいの一言でしたね。
本当は違うのに、単に怒りっぽい人扱いになっていたのは、ちょっと残念ですが、最後の最後で見せた後輩への信頼がすべてを肯定させる説得力を持っていました。
ワンマン・アーミー、つかさ!
ペッカーが倒されると爆弾の在処を証言する者が居なくなってしまう…というシチュエーション構築が見事。孤軍奮闘、ルパンレンジャーを牽制し、ペッカーの攻撃に対抗する一生懸命な面、そして、うっかりミサイルをペッカー自身に叩き込むため、ルパンイエローのシールドを利用するといった戦術巧者な面をバッチリ披露し、株を上げまくりました。
ペッカー撃破に協力する魁利の態度も二重丸で、つかさだから協力する…と思わせる雰囲気がやっぱり熱いんですよね。
ルパンマグナム
なんと、ルパンマグナムの両腕にVSビークルが合体。単独変形ロボだとばかり思っていましたので、驚きました。エックス系を除けば、グッドストライカーが居なくてもロボ戦を展開できるようになったわけで、立体的な選択の余地が増えました。
デジタイザー
空前絶後、エンディングテーマになった変身アイテムである「メガレンジャー」のデジタイザーが今回のルパンコレクション。
頭を良くする効果があるとのことですが、メガレンジャーでイメージが該当するのは(シルバーを除いて)5人中3人(笑)。
次回
予告を見る限り、かなりのドタバタ劇っぽいですが…。またまた魁利と圭一郎の接近がありそうなので楽しみですね!