凄まじい暑さが続いていますね。Runを日課にしているのですが、生命の危険を感じます。ゴルゴムの仕業どころじゃないです。
さて、今回はノエルの絡みから離れて、魁利とつかさという意外な取り合わせで両チームの精神性を確認するという回でした。全く接点を見出せない二人の関わりが、コミカルな味を生み出すのかと思いきや、何ともシリアスなやり取りが繰り広げられ、その地味なストーリーテリングをド派手なアクションで補うという、かなり振り幅の大きいエピソードになりました。
ギーウィ・ニューズィー
ライモン軍団二番手。前回は少々同情を誘うようなコミカルなキャラクターでしたが、このギーウィは感情移入するところが露ほどもない悪党として描かれています。
人間態をザミーゴから買い、最終的に人間からエネルギーを吸い取って蔦状に成長するというアイテム・ラッキーペンダントを、怪しげなクラブで配布しているという設定。この(古き佳き悪の組織の、草の根的な)作戦はかなり成功していましたが、それ故に警察寄りも前に魁利に目を付けられるというのが、今回の興味深いポイントですね。
また、取引相手としてザミーゴが出てくることで、ザミーゴ自身がようやく本流に絡んできた感もあります。ライモンとは仲が悪いものの、ライモン側から共闘を持ちかけるというシーンもあり、第三勢力的なポジションで暗躍するところが不気味ですね。相変わらず存在感は軽めですけど(笑)。
ところでこのギーウィ、前回のウシバロックよりは地位が高いような描写もあり、ライモンとはほぼ対等の言動をとっていました。しかし、ステイタス・ゴールドではなく、あらゆる攻撃を回避するというルパンコレクションの力がなければ戦力はイマイチ。最後の最後にいきなり超巨大化して現れたライモン以外は、やっぱり雑魚でした…。
魁利とつかさの過去
二人の共通点として、親を早くに亡くしているという、やや悲劇的な生い立ちを設定しました。魁利の親代わりは兄、つかさの親代わりは祖父であり、特につかさの場合、祖父が厳格な警察官だったことから、反発した思春期を経つつも警察官になることは半ば宿命だったという感覚でした。
というストーリーはともかく、つかさの学生時代の回想シーンという、激レアな映像が挿入されたことが今回の白眉でしょう(笑)。チンピラを投げ飛ばす迫力もさることながら、ちゃんと高校生に見える可愛さにやられたファンも多いことでしょう!
それはさておき、魁利とつかさは境遇こそ似ていますが、その後については全く異なる経過を辿る事になります。
つかさは、危険な仕事に就くけれども、祖父に必ず生きて帰るという約束をしており、それが自身の強さの源になっていると発言。クライマックスのバトルでも、自身を犠牲にして事態を打開するような行動は躊躇し、あくまで正攻法を採ろうとするなど、一貫したポリシーが描かれています。
一方、魁利は自身のことよりもルパンコレクションのコンプリートによって兄を取り戻す(しかも自身が犠牲になれば戻ってきた兄には会えないのだが、それでも良い)ことが一義。それ故に、誰かがコレクションを回収してくれる状況さえ作れれば、自分はどうなっても構わないというスタンスです。
このポリシー、快盗戦隊としては2クール分の間に揺さぶられたり揺れ動いたりしているわけですが、実は魁利の中で全く動じることがなかったという凄味。それが今回観られたわけです。パトレンジャー男性陣のコミカルな人格描写や、透真が垣間見せる人間性に隠れて、魁利はそのキャラクター性を華やかに見せられないジレンマを抱えていますが、そのジレンマを凄味として見せる方向を示したわけですね。素晴らしいです。
面白いのは、魁利の自己犠牲的な行動を、初美花が思いっきり心配したり怒ったりしているところで、やはり初美花は魁利のアニマなんだな、と。魁利が見せられない人間味を初美花が代弁しているという構図が、明確になった気がします。
つかさがルパンレッドを評して、「ブレーキが効かないどころか壊れてしまっている」とするあたり、逆に自身のブレーキ(自身にも、圭一郎にも効く)が無自覚にも強力であることを告白しているようにも見えました。
ルパンコレクション
誘導棒の形状ということで、トッキュウ6号が用いるユウドウブレイカーでした。公式サイトのヒントは「乗り換え」というキーワードで、トッキュウジャーを示しています。
あらゆる攻撃を回避する、かなり強力なコレクションでしたが、ギーウィが本来の能力で作り出すラッキーペンダントの方がそれを上回る能力を持っていたということで…実に皮肉な結果でしたね。
次回
土壇場で超巨大化したライモンが出現し、大ピンチに陥ったところで次回に繋いでいます。ちょうど折り返し点となる一大バトル編になりそうなので、期待は高まりますね。