SirMilesのマニアックな日々

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー #13「最高で最低な休日」

 ごく私的な記録として、今年のGWは部屋の片付け等に負われて最低レベルの休日だったのですが、本エピソードは最高でした(笑)。

 チーム内のWヒロイン編や、敵の女幹部との共闘編といったエピソードは戦隊の定番になっていますが、敵対する別戦隊それぞれのヒロインがタッグを組むというのは、構造的に初の試みとなるわけで、新鮮味は抜群。二人の意外性を照らし出した作劇も実に良かったですね。

つかさのオフ

 劇中ではこれまで、仕事一本(映画撮影も仕事のうち)でやって来たつかさ。遂にオフが描かれることになりました。デニムを履きこなしつつも、ガーリーな装いがポイント高し!

 そんなつかさのお目当ては、遊園地でもらえるぬいぐるみ。勿論それは周囲には完全に秘密であり、故に偶然顔を合わせることとなる初美花に狼狽した姿を見せるのでした。

 初美花については快盗であることを知らないので、「顔なじみのご近所さん」という認識なのが楽しい。そして、その「近さ」がパトレン3号としての表の顔にとっては脅威だというのも絶妙ですね。

 初美花に対して「頼りになるお姉さん」を装いつつ、水しぶきをまともに被ったり、お化け屋敷でパニックになったりと、次々に弱み(?)を見せるつかさ。このギャップが実に愛おしい…。

 恐らく、男勝りなヒロインは「ダイナマン」の立花レイが嚆矢ですが、物凄い強さを誇るレイがふと見せるコケティッシュな乙女の素顔に、恐らく当時の男子は見事にやられたのだと思います。

 つかさはそれを、さらにカリカチュアライズしたようなキャラクターなので、単純に「効く」んですよね(笑)。圭一郎、放っといていいのか!

 冗談はさておき、ギャングラーのナイーヨが出現した際に、警察として市民を守る使命の重さを初美花に伝えるという重要なシーンがありました。「足の痛みは我慢すれば良い」という訴えは、かつて失ったものの大きさを心に刻んでいる様子が伺え、その覚悟のほどに感銘を受けるのです。

初美花がいないと…

 ジュレは開店準備すらできないって、魁利の役立たずっぷりは一体…。

 つかさと同様、初美花もぬいぐるみ目当てで遊園地へ行くのですが、つかさのごく個人的嗜好に基づいた動機よりも、利他的な「消えた親友のため」というのが泣かせます。ルパン側はやはり動機付けに重みが感じられますね。

 初美花にとって、バッタリ出くわしたつかさは「敵」なので、実に気まずい。つかさの感じている気まずさよりも顕著な重さがあるため、初美花サイドに立つとやや緊張感が増すわけです。このアンバランスさも今回の美点ですね。

 いざ、つかさと二人で遊園地に入ると、さすがに初美花は「詩穂ちん」と何度も来ているというだけあって慣れたもの。しかし、この状況下でつかさをエスコートするほどの余裕はさすがになく、詩穂ちんを思い出してつかさを思わずハグしてしまう(!)に留まります。国際警察とジュレの店員という立場ならば、ここまで接近できるという距離感が素晴らしい。

 一方で、ナイーヨ襲来の報が届いた後は、つかさに逃げるよう促されたため、以後快盗として振る舞うことを決意。ここから、いつもの対立構造へと一気に変化しつつ、二人はナイーヨによって鎖で繋がれるという状況になります。

 快盗の衣装はさすがに持参していなかったのですが、遊園地の衣装を拝借して即席変装するあたり、抜群の対応力と冷静さが垣間見えます。優秀なヒロインって、いいですよね。

対立か共闘か

 対立する者同士が離れられなくなるというシチュエーションは、正に「ルパン三世」で多用されたシチュエーションそのもの。精神的な距離がグッと離れながら、物理的な距離がごく近くなるという、先程とは180度異なる「距離感」が見事で、キャラクター配置の妙が最良の状態で発揮されたと言えるでしょう。

 今回は、まず鎖で繋がれる直前まで「対立」が描かれ、繋がれた直後から「共闘」が展開されました。一つの要素が展開をガラッと変えてしまう妙味。

 「共闘」は言動からアクションまで非常に完成度が高く、素面アクションではスタントなしで二人の演者の身体能力が存分に発揮され、変身後の「駆け引き」も抜群の迫力。「対立」に視聴者をミスリードしてからの逆転は、遅れてやって来た男たちに女の恐ろしさを見せ…なかったのが残念(笑)。

 振り返れば、ナイーヨも女性怪人(しかもゴーシュとは対立)だったので、今回はとにかく女性が暴れ回る話だったわけですね。

ジュレでの再会

 初美花が無事だったことに安堵するつかさという、良心に満ちあふれたエピローグが泣かせます。

 そして、つかさの分までぬいぐるみを確保していた初美花。快盗と警察として対立しつつも、正体を隠している間は距離を縮められる…ということを、再び表して見せました。ただし、ぬいぐるみはつかさのお目当てのものではなかったようで…というオチも微笑ましくて素晴らしい。

 ところで、魁利と圭一郎、咲也と初美花、初美花とつかさという組み合わせがこれまでの話に登場しましたが、どこにも掠っていない透真はどう絡んでいくのか、怖いような楽しみなような…ですね(笑)。

今回のルパンコレクションは

 「カクレンジャー」に登場する忍之巻でした。中盤のキーアイテムでしたね。鎖、透明バリアといった要素に忍術の匂いを感じるか否かはあなた次第(笑)。

次回

 予告だけだと展開の予想が全くつきませんね。幼稚園バスをジャックするとか、そういう古き佳き時代の定番を展開してくれるわけでもなさそうですし(笑)。

 2クール目突入の狼煙をどう上げてくれるのか、楽しみです!

 

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