初回のテンションを保ったまま突っ走ってくれますね~。何が素晴らしいって、両戦隊のポジショニングですよ。
パトレンジャーは勧善懲悪のカリカチュアライズと、ステレオタイプなライバルチーム、そしてサイエンス系戦隊のハイブリッド。
ルパンレンジャーはアウトロー風のポリシーを掲げるベビーフェイス、そこに親和性の高いファンタジー系戦隊の雰囲気をプラス。
序盤で既にこれらの匙加減が存分に活かされる形になり、ストーリーテリングとギミックのバランスの良さに感嘆させられます。
一触即発!? @ジュレ
ルパンレンジャーの3人が働くビストロ「ジュレ」。立花藤兵衛の経営する喫茶店やスナックは言わずもがな、ヒーローの隠れ蓑としては絶好の(?)飲食店です。
ヒーローの知人がやって来て、店員の、あるいは常連のあいつが実は○○なのではないか…という話は結構あって、そもそも「ゴレンジャー」の序盤ではそれがマスター=総司令の謎解きで使われたりしてますね。
今シーズンは「キャッツ♥アイ」を連想させるシチュエーションですよね。ルパンレンジャーの正体を知らないパトレンジャーの3人が、ジュレの常連になりそうな雰囲気で。キャッツの三姉妹が経営する喫茶店(店名も「Cat’s eye」なのが良い)に、主人公の恋人の刑事が何も知らず常連客として入り浸る(挙句の果てに居候する・笑)…。
初美花に一目惚れする咲也。勿論、本筋にはあまり関わらないとは思いますが、発展させて欲しい要素ではありますよね。ルパンレンジャー側の設定が重いだけに。
今回は、素顔の両戦隊が急接近するという状況を作り出し、魁利が表情をこわばらせたり、透真が目的を先鋭化させてVSチェンジャーを盗もうとしたり…といった具合に、この状況を非常に巧く利用してました。コミカルな展開にも期待がかかりますが、根底に緊張感があるのは良いですよね。
透真の過去
ルパンコレクションを集めることに関してスピードを重視する透真は、やや急ぎ足な雰囲気を持っています。
その原因は消えた婚約者でした。恋人を絡ませるドラマは、戦隊においてもいくつか見られますが、今回は圧倒的に大人っぽい雰囲気。透真が料理を得意とするに至ったきっかけまで盛り込むコンパクトな回想の巧さ、「婚約」というキーワード、待ち合わせに遅れたことが悔やまれる「別れ」。すべてがハイブロウながら明瞭な描写になっていて、大人も子供も感情移入し得るシーンになっていました。
あからさまな、というより恋愛要素自体がメインとなった「ジェットマン」は、まだ子供番組の縛りが強かったのか、乱暴な言い方をすれば「恋愛ごっこ」に見えます。しかし、今回は透真のバックボーンとして非常に重みも厚みもありました。ここまで来たか! と思いましたね。
やっぱりルパンはルパン
パトレンジャーを利用して(罠に掛けて)目的を達する魁利の狡猾さが格好良い!
「ド正義」をパトレンジャーに委託しているので、こういった行動の格好良さが際立ちますね。あんまり「義賊」してないところが良いです。
また、U号せずに分身してしまう意外性も可笑しくて見事。
咲也可愛い
咲也可愛いです(笑)。射撃の名手という面もバッチリ描かれて、正に今回のメインアクトの一人ですね。
つかさに注目
前回まではセリフが少なかったために、その性格が掴みづらい感じでしたが、今回は断定口調の厳しい体育会系の姐御といった雰囲気を前面に出してきました。圭一郎や咲也がコミカルな面をフィーチュアしてきたので、余計に目立ちます。
近年はダブルヒロインであっても、両者のいわゆる「女性っぽさ」の描写に大差はなかったのですが、今回は衝撃的なほど差別化されましたね。ここまで明確なのって、前代未聞では…。しかも容姿端麗という語がピッタリなビジュアルなので、余計にインパクトがあります。
勿論、こういうキャラは崩し甲斐があるので、今後に大きく期待してしまいます(笑)。
パトカイザー!
CGとビル夜景がメインだったルパンカイザーと対比させるべく、昼間のビル街でスーツによる大立ち回り! オープンセットなので実在感も抜群となっていて、このあたりがサイエンス系戦隊っぽいんですよね。
ただ、こちらも銃撃が必殺技になっていたので、ちょっと差別化は欲しかったなぁ…という贅沢な意見を申し上げておきます。
次回
注目のつかさがメインでしょうか。いきなりキャラ崩しをしてくる可能性があるので油断なりません。